ブエルタ・ア・エスパーニャ第18st:短縮された個人TTを制したのはガンナ!短縮の恩恵に預かり平坦となったステージで勝利、アルメイダは渾身の走りでタイムを縮め、ピドコックも快心の走り

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抗議デモへの対応としてコース短縮となったこのステージ、27.2㎞が12.2㎞へと大幅に短くなりほぼ平坦なコースとなった。それにより恩恵をあずかる選手たちが激変、ピュアTTスペシャリストたちにとっては格好の活躍の場となった。しかしブエルタはそもそも山岳のグランツールと呼ばれるだけにスペシャリストは少なく、結果的に世代最強のスペシャリスト、フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス)がいかんなくその実力を発揮して勝利を奪って見せた。
そしてその最強TTスペシャリストをぎりぎりまで追い込んだのはE-スポーツ出身のジェイ・ヴァイン(UAEチームエミレーツ)、ガンナに1秒と迫ったが今大会自身3勝目、チーム8勝目とは成らなかった。そしてチームのエースであり総合2位のジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ)も素晴らしい走りを見せる。ガンナに8秒遅れのステージ3位のタイムを叩き出しヴィンゲガードに10秒差をつけ、総合争いでジワリと近づく結果となった。たらればはないが、フルコースだった場合、もっとタイム差をつけていた可能性もあるだけに、少し心残りなステージとなった。

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そしてもう一人素晴らしい走りを見せたのがトム・ピドコック(Q36.5プロサイクリング)だった。本人も納得の快心の走りで総合表彰台争いをしているジェイ・ヒンドリー(ボーラ・ハンスグロエ)を上回るタイムを叩き出した。僅か4秒ではあるが、TTが得意とは言えないピドコックにとってはこれ以上ない最高の走りで総合でのタイム差を苦手なステージで広げることに成功した。更には総合5位のジュリオ・ペリッツァーリ(レッドブル・ボーラハンスグロエ)、マシュー・リッチテロ(イスラエル・プレミアテック)も上回り、まさに今大会自身最高のパフォーマンスを披露して見せた。
これにより総合上位の順位自体は変わらなかったがタイム差は変動、山岳ステージを残して総合優勝争い、そして総合表彰台争いの2本立てで残りのステージが展開されることとなる。

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フィリッポ・ガンナ(ステージ1位)
「正直この暫定1位が座るホットシートでの3時間のほうが、長すぎてステージよりもきつかったよ。序盤は自分のリズムがわからなくて苦戦したね。だからそこからはひたすらタイムも何も気にせずプッシュしたよ。チームにとってもいいブエルタになっているし、この勝利でさらにそれが良いものとなったよ。残りのステージも最後までベストを尽くすよ。ツール・ド・フランスの後調子を落としてしまい、調子を取り戻すのが体現だったよ。でもとにかくバイクにまたがったらベストを尽くす、これをやり続けることでしか復調はなかったよ。でもブエルタではこの85㎞の体での山岳は本当にしんどいね。」
ジョアオ・アルメイダ(ステージ3位、総合2位)
「ベストは尽くしたよ。今日のコースは僕向きだったからね。でも残念なのは27.2㎞ではなかったことだよ。でもそれはたらればでしかないよ。人生なんてたらればの連続だよ。もし、もしかしたら、そんなことばかり考えてもしょうがないからね。結果は結果として納得するべきなんだよ。今大会は自分自身、自信に満ち溢れているんだよ。いい日もあれば悪い日もあるけどでも集中して走れているんだよ。まだ世界情勢的にもこれからの状況はどうなるかわからないけど、それもレース、どんなシナリオが待っていようともそれに対応して見せるのが選手だからね。」
トム・ピドコック(総合3位)
「人生最高の個人TTの走りができたよ。だから大満足だね。正直山岳での走りばかり強化してきて、TTは全く練習すらしていなかったよ。でも今大会でチームTTがあったのが良かったね。あれで感覚がつかめていたんだよ。後から振り返得れば何とでもいえてしまうけど、でも現段階ではこんなに大きなレースでこれだけの緊迫感の中で表彰台争いをするのは初めてのことなんだ。もちろんステージ勝利も欲しいけど、それ以上に個の表彰台がどうしても手にしたいんだ。でもステージ勝利人るが人生を左右しかねないフランツールでは、守り切れるかわからない表彰台とステージ優勝をどう天秤にかけるべきか本当に悩ましいよ。」
ブエルタ・ア・エスパーニャ第18ステージ順位
1位 フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス) 13’00”
2位 ジェイ・ヴァイン(UAEチームエミレーツ) +01”
3位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ +08”
4位 ブルーノ・アルミレール(デカスロンAG2Rラモンディアル) +10”
5位 イヴォ・オリベイラ(UAEチームエミレーツ) +11”
6位 ステファン・キュング(グルーパマFDJ) +12”
7位 ケランド・オブライエン(ロット) +15”
8位 アレック・シーゲルト(バーレーン・ヴィクトリアス) +16”
9位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク) +18”
10位 ダーン・ホール(リドル・トレック) +19”
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク) 65h07’13”
2位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ +40”
3位 トム・ピドコック(Q36.5プロサイクリング ) +2’39”
4位 ジャイ・ヒンドリー(レッドブル・ボーラハンスグロエ) +3’18”
5位 ジュリオ・ペリッツァーリ(レッドブル・ボーラハンスグロエ) +4’19”
6位 マシュー・リッチテロ(イスラエル・プレミアテック) +5’17”
7位 フェリックス・ガル(デカスロンAG2Rラモンディアル) +5’20”
8位 セップ・クス(ヴィズマ・リースアバイク) +7’26”
9位 トースタイン・トレーエン(バーレーン・ヴィクトリアス) +7’42”
10位 マッテオ・ヨルゲンセン(ヴィズマ・リースアバイク) +10’19”
H.Moulinette












