ブエルタ・ア・エスパーニャ第9st:丘陵ステージの頂上ゴールを制したのはヴィンゲガード、残り距離を勘違いしアタックもゴールまで独走、ピドコックとアルメイダがそれを追随、トレーエンが首位キープ

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ブエルタのステージ解釈は時に的を得ないことがある。丘陵ステージだが頂上ゴールだが、その頂上ゴールがハードすぎこれはもはや山岳ステージ扱いでもおかしくないだろう。そんなステージは当然のように総合勢による直接対決となった。そして一昨日の山岳ステージで「行けたけど疲れるしいかなかった」と語ったヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)が遂に動いた。頂上までの上りに入ると残り13㎞でマッテオ・ヨルゲンセン(ヴィズマ・リースアバイク)のリードアウトからアタック、ジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック)と共に早々と飛び出していく。そして残り10㎞ではチッコーネを置き去りにして独走態勢となる。そしてゴールまでそのまま独走、今大会2勝目を挙げた。ゴール後に、残り距離を確認せずアタックしてしまったことを暴露、残り10㎞のバナーで驚いたことを明かしたことからも、残り距離がもっと短いと思ってアタックを決めたようだ。

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その背後ではトム・ピドコック(Q36.5プロサイクリング)とジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ)が最後まであきらめることなくヴィンゲガードを追い続けた。ゴール間ではスプリント勝負となりピドコックがヴィンゲガードから24秒遅れのステージ2位、アルメイダが3位に入った。フェリックス・ガル(デカスロンAG2Rラモンディアル)は途中までこの二人についていったが、残り7.5㎞で脱落したが、そのまま単独で走り続けステージ4位となった。

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この結果を受けても総合リーダーの座は動かなかった。トースタイン・トレーエン(バーレーン・ヴィクトリアス)は予想以上の粘りの走りを披露、1分46秒を失ったものの世界最高峰のクライマーたちを相手に粘りの走りでヴィンゲガードに対して37秒のタイムを残してマイヨ・ロホをキープすることに成功した。ヴィンゲガードは総合2位となり、アルメイダが総合3位、ピドコックは大きく順位を上げ総合表彰台圏内の3位、ガルも4位へと順位を上げた。昨日のステージで「総合勢が動かないグランツール」と評したピドコックだったが、事前に走ったレースではでは「ブエルタで総合を狙う為」として疑似ブエルタとしてリハーサルをしており、ここへきて一気に総合上位候補として自ら名乗りを上げた。
ゴールが頂上にあるこのステージ、当然逃げ切りは困難と思われたが、可能性はやってみなければ開けないもの、僅かな可能性に賭けて選手たちはアタックを試みる。だが誰が逃げるかでその後の展開が変わることもありメイン集団はなかなか逃げをようにいしない。しかしミカル・クウィアトコウスキー(イネオス・グレナディアス)が飛び出すと、そこの4名が合流し、この日の5名の逃げが決まる。

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メイン集団はポイント賞ジャージ争いが僅差という事もあり、ポイント賞リーダーのマッズ・ピーダースン(リドル・トレック)の為にリドル・トレックが主導権を握る。しかし中間スプリントまでに逃げを捉えることはできなかった。だがメイン集団はそのまま逃げを追い詰めていき、頂上バトルへと突入する段階では視界に捉えていた。
そして上りに入ると、満を持してヴィズマ・リースアバイクが動いた。今大会初めてヴィズマ・リースアバイクが明確に攻撃的姿勢を披露、しかも長い上りの入り口から仕掛ける動きで一気にライバルたちを追い詰めた。アルメイダは最大のライバルとして自ら追うしかない状況となり、自ら追走を牽引するが、引かずに便乗するだけの総合勢を振り落としにかかると、対応できたのはピドコックとガルのみだった。更にガルも脱落するとピドコックとアルメイダはタイム差を広がさせることなく追走、タイム差を詰めることはできなかったがヴィンゲガードと1分以内の総合優勝争いには踏みとどまった。

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ヨナス・ヴィンゲガード(ステージ1位、総合2位)
「今日は最高に気分が良かったんだよ。そして最後の上りでは絶好調だったんだよ。だからチームにペースアップを頼んだんだ。最高のチームワークのおかげで最高の結果を出すことができたよ。彼ら抜きには不可能だったね。ただ唯一の失敗は、アタックした時点でゴールまでの距離をよく把握していなかったことだよ。残り10㎞のバナーを見たときには正直びっくりしたよ。でもタイム差をつけていたし、もう行くしかなかったんだよ。」
トム・ピドコック(ステージ2位、総合4位)
「ヴィズマ・リースアバイクとリドル・トレックの動きには対応できないと思ったけど、アルメイダの動きは僕にはちょうど良かったんだよ。彼が僕に”金玉ついてんのか、男を見せろ!”って叫んでいたんだよ(笑)」
ジョアオ・アルメイダ(ステージ3位、総合3位)
「正直ヴィンゲガードの動きには驚いたよ。予測できていなかったからね。調子は良かったけどタイム差を詰められなかったね。ピドコックとガルが苦しそうだったから、あれが僕も限界だったね。正直チームメイトがいてくれればなぁ、と思ったよ。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第ステージ順位
1位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク) 4h32’10”
2位 トム・ピドコック(Q36.5プロサイクリング) +24”
3位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ)
4位 フェリックス・ガル(デカスロンAG2Rラモンディアル) +1’02”
5位 ラウル・ガルシア (アルケアB&Bホテルズ) +1’46”
6位 マルク・ソレル(UAEチームエミレーツ)
7位 ジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック)
8位 マーケル・ベロキ(EFエデュケーション・イージーポスト)
9位 ジャイ・ヒンドリー(レッドブル・ボーラハンスグロエ)
10位 ロレンツォ・フォーチュナト(XDSアスタナ)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 トースタイン・トレーエン(バーレーン・ヴィクトリアス) 33h35’46”
2位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク) +37”
3位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ) +1’15”
4位 トム・ピドコック(Q36.5プロサイクリング ) +1’35”
5位 フェリックス・ガル(デカスロンAG2Rラモンディアル) +2’14”
6位 ジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック) +2’42”
7位 ロレンツォ・フォーチュナト(XDSアスタナ) +2’47”
8位 マッテオ・ヨルゲンセン(ヴィズマ・リースアバイク) +2’49”
9位 ジャイ・ヒンドリー(レッドブル・ボーラハンスグロエ) +2’53”
10位 ジュリオ・ペリッツァーリ(レッドブル・ボーラハンスグロエ)
H.Moulinette












