ブエルタ・ア・エスパーニャ第7st:昨日失速のアユソが逆襲の逃げ切り勝利!トレーエンは好調維持で主力総合勢についていきマイヨ・ロホキープ、UAEチームエミレーツはステージ3連勝

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前半戦にして総合争いにとっても重要なステージは、総合勢の前に飛び出していた逃げ集団から勝者が生まれた。この日表彰台に上がったのは昨日大きくタイムを失ったホァン・アユソ(UAEチームエミレーツ)だった。総合エースは昨日の雪辱をあっさりとその翌日に晴らし、チームにとってステージ3連勝となる勝利を独走で挙げて見せた。また同じく逃げの乗った昨日の勝者ジェイ・ヴァイン(UAEチームエミレーツ)はアユソの為にしっかりと仕事をし、さらには山岳賞ジャージを守るべく山岳ポイントを荒稼ぎして見せた。チームはこれんで今シーズン76勝目、アユソ自身も7勝目を挙げた。
総合争いは昨日同様に決定打がないまま展開、ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク、ジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック)、ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ)の3名がお互いに仕掛けを見せるが結局動きは沈静化、それ以外の総合勢、イーガン・ベルナル(イネオス・グレナディアス)、トム・ピドコック(Q36.5プロサイクリング)、フェリックス・ガル(デカスロンAG2Rラモンディアル)、さらには昨日総合リーダーに躍り出たトースタイン・トレーエン(バーレーン・ヴィクトリアス)までもがしっかりと対応し集団でゴールを果たした。昨今のグランツールでは前半戦の山岳ステージから総合争いが激化することが多いが、「攻撃は最大の防御」と言い切る男の不在で、レースは駆け引きによる展開が続いている。

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この日のステージは188㎞で獲得標高4200mというかなりきつい山岳ステージ、総合勢にとってもタイムを失えないステージだが、それは裏を返せば逃げ切りの可能性も高いステージだ。昨日10分以上にタイムを失ったアユソは、序盤から積極的な動きを見せる。だが実力がある選手だけに逃げにのられるのも厄介であることは確かだ。そしてアユソは単独でのアタックを敢行すると、これに選手たちが合流、最終的には13人の逃げを形成することとなる。山岳賞ジャージのヴァイン、更にはポイント賞ジャージのマッズ・ピーダースン(リドル・トレック)という強力なメンバーがそれぞれの目的のために合流を果たす。
この日はトレーエンが総合リーダージャージを獲得したことでバーレーン・ヴィクトリアスがメイン集団をコントロールし、タイム差を1分ほどに収めていたが、中盤に入るとじわじわとそのタイムは広がっていき4分台に到達する。そしてこのタイム差はここから大きく変わることなく推移し続けた。ヴァインは山岳ポイントを荒稼ぎすると、ゴール寄りに設定されていた中間スプリントまでピーダースンが必至の走りでポイントを確保、逃げ集団はそのまま4分弱のタイム差を維持したままゴールまでの12㎞の上りに突入していく。

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するとアユソはその直後に躊躇なくアタックを決め、マルコ・フリゴ(イスラエル・プレミアテック)を引き連れ飛び出していく。更にフリゴも置き去りにすると、そのままゴールまでの独走を始める。その背後では遂にヴィズマ・リースアバイクが集団の主導権を確保、総合バトルがいよいよ勃発する。

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先頭のアユソはそのままハイペースで走り続け、早々と勝利を確信、カメラに向けてガッツポーズを決める。その背後ではアルメイダ、ヴィンゲガードとチッコーネが動きを見せる。更にはそこにベルナルとセップ・クス(ヴィズマ・リースアバイク)も合流し、このままいくかに思われたが、ここで展開は沈静化してしまう。ジュリオ・ペリッツァーリとジャイ・ヒンドリーのレッドブル・ボーラハンスグロエコンビも健在、総合勢は大きく崩れることなく一つの集団となる。唯一残り1㎞でマルコ・ソレル(UAEチームエミレーツ)がアタックを敢行しわずかにリードを取ったが、総合勢は昨日大逃げで順位を上げた面々が脱落、しかしトレーエンは踏ん張り総合リーダージャージをキープ、そして総合勢は順位こそ挙げたが、お互いのタイム差に変動がないままゴールを迎えた。
ホァン・アユソ(ステージ1位)
「最高だよ。今年はジロ・デ・イタリアでもステージ勝利を挙げたし、母国のスペインでのグランツールでも勝利を挙げられたのは最高の気分だよ。チームTTで勝利し、昨日はヴァインが勝利、そして今日は僕が勝利してステージ3連勝だよ。うちはスプリンターがいないので、ステージ4連勝は難しいかもね。でもこの調子で勝利を積み重ねていきたいね。」

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ブエルタ・ア・エスパーニャ第7ステージ順位
1位 ホァン・アユソ(UAEチームエミレーツ) 4h49’41”
2位 マルコ・フリゴ(イスラエル・プレミアテック +1’15”
3位 ラウル・ガルシア(アルケアB&Bホテルズ) +1’21”
4位 ハロルド・テハダ(XDSアスタナ) +1’28”
5位 ショーン・クイン(EFエデュケーション・イージーポスト)
6位 ケヴィン・ファルマルケ(ピクニック・ポストNL)
7位 エデュアルド・セプルヴェダ(ロット)
8位 ブリュ・ローラン(グルーパマFDJ) +2’17”
9位 マルク・ソレル(UAEチームエミレーツ) +2’30”
10位 トム・ピドコック(Q36.5プロサイクリング) +2’35”
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 トースタイン・トレーエン(バーレーン・ヴィクトリアス) 25h18’02”
2位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク) +2’33”
3位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ) +2’41”
4位 ジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック) +2’42”
5位 ロレンツォ・フォーチュナト(XDSアスタナ) +2’47”
6位 マッテオ・ヨルゲンセン(ヴィズマ・リースアバイク) +2’49”
7位 ジャイ・ヒンドリー(レッドブル・ボーラハンスグロエ) +2’53”
8位 ジュリオ・ペリッツァーリ(レッドブル・ボーラハンスグロエ)
9位 イーガン・ベルナル(イネオス・グレナディアス) +2’55”
10位 フェリックス・ガル(デカスロンAG2Rラモンディアル) +2’58”
H.Moulinette












