ブエルタ・ア・エスパーニャ第3st:総合3位のガウドゥがゴール手前最終コーナーでインへ飛び込みそのままピーダースンを抑えてステージ勝利!ヴィズマは早朝にバイク盗難の災難

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勝利というのは一瞬で決まる。位置取り一つでその勝敗はどちらにでも転がってしまうのだ。上りでゴール手前にUターンカーブが配されるという難しいコースは、マッズ・ピーダースン(リドル・トレック)が先行しカーブへと突入、総合リーダーのヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)がその背後にぴたりと付くなか、インへと切り込んだのは総合3位のダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ)だった。ピーダースンが僅か外側に膨らんだその僅かな針の隙間を通すようなスペースに飛び込んだ男は、そのまま立ち上がりで先行するとそのままゴールラインを駆け抜けた。初日の第1ステージも間が悪く勝利を逃したピーダースンは、この日は最後のコーナーでの僅かなスペースを見事につかれる形で敗北、悔しい3日目となった。明暗を分ける位置取りの妙、これもまたロードレースの醍醐味だ。ガウドゥはこれで総合でも順位を一つ上げ総合2位となった。
ステージ3位にはヴィンゲガードが入り総合リーダージャージをがっちりとキープして見せた。しかしチームは昨日の勝利のあと、宿泊先に到着しメカニックが午前1時半まで作業した後、チームバイク18台が盗難(のちに3台は近くの公園の放置されているところを発見)にあうという災難に見舞われていた。ヴィンゲガードは幸いにも自分のレース用バイクが盗難を免れたが、一部選手はスペアバイクも含むすべてのバイクを盗まれてしまった。チームはメカニックの懸命な働きにより、他選手のスペアバイクなどを調整するなどして何とか出走選手全員のバイクをスタートまでに間に合わせることができた。今後数日の間に追加の機材が順次スポンサーから届く予定となってる。
ブエルタなのにイタリアで盗難事件というイタリアにとっても不名誉な事件となっており、今後の対策が求められそうだ。

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僅か136.4㎞の今大会最短のステージは当然スタート直後から逃げが発生4人の逃げが飛び出していく。メイン集団はこの日はペデルセンでのステージ勝利をもくろむリドル・トレックがコントロールし、ライバルチームのスプリンターたちを削るべくハイペースで追走を続ける。

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そしてこの日の山岳ポイントで二人となった逃げは、最終的にはショーン・クイン(EFエデュケーション・イージーポスト)ただ一人となる。そして残り19㎞でクインが捉まると、展開は一気に主導権争いへと移っていく。しかしそれでもリドル・トレックは勝利を視野にハイペースで展開、すると最大ライバルと目されていたヤスパー・フィリップセン(アルペシン・ドゥクーニンク)が残り8㎞で脱落していく。
そしてゴールへ向けてじわじわと勾配がきつくなると、ステージ勝利を目指す集団先頭は徐々に先細っていく。総合3位のジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック)がピーダースンの為に最後の牽引とリードアウトを敢行する。これについていけたライバルはヴィンゲガードとガウドゥのみ、3者によるステージ勝利を目指すバトルは、ゴールラインではなくその前の最終コーナーで決まることとなる。インに飛び込んだガウドゥの判断は素晴らしく、外側に僅かに膨らんだピーダースンよりも早く立ち上がりの加速を見せると、そのままゴールラインでガッツポーズ、2020年のステージ2勝に続くブエルタ通算3勝目を挙げて見せた。ゴールライン勝負まで待つより先に仕掛けることで、自ら勝利を手繰り寄せた。

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ダビ・ガウドゥ(ステージ1位、総合2位)
「今日はステージ前から”ピーダースンのステージだよなぁ”、って思っていたんだけど、今朝チームメイトのキュングが”今日のステージはお前が勝てるよ”って言ってくれたんだよ。チームには感謝しかないよ。常に僕が最前線にいられるようにしてくれたし、その結果勝利を掴めたことを誇りに思うよ。過去最高のグランツールでの滑り出しだよ。最終コーナーではライバルのラインから外れて自分の限界に挑んだんだよ。」
マッテオ・ヨルゲンセン
「メカニックは午前1時半ごろまで起きていたのに、その後早朝までのわずかな時間に自転車が盗まれるなんて皆が驚いたよ。でもその後の彼らの必至の対応がなければ、僕は今日走るバイクがなかったんだよ。僕も自分の3台が無くなってしまったんで、彼らが4番目のバイクを急遽用意してくれたんだ。チーム関係者はパニックだったけど、僕らはただあっけに取られていたよ。でも何とかステージ前に機材を調整してくれて、皆ステージ前に試走して今日こなせるかを確認したんだ。」

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ブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージ順位
1位 ダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ) 2h59’24”
2位 マッズ・ピーダースン(リドル・トレック)
3位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)
4位 ジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック)
5位 ヨルダン・ラブロス(デカスロンAG2Rラモンディアル)
6位 オールイ・アウラール(モビスター)
7位 サンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス)
8位 イーガン・ベルナル(イネオス・グレナディアス)
9位 ビョルン・コーデ(ピクニック・ポストNL)
10位 ジャイ・ヒンドリー(レッドブル・ボーラハンスグロエ)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク) 10’55’36”
2位 ダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ)
3位 ジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック) +08”
4位 イーガン・ベルナル(イネオス・グレナディアス) +14”
5位 トム・ピドコック(Q36.5プロサイクリング) +16”
6位 ジャイ・ヒンドリー(レッドブル・ボーラハンスグロエ)
7位 サンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス)
8位 マッテオ・ヨルゲンセン(ヴィズマ・リースアバイク)
9位 ホァン・アユソ(UAEチームエミレーツ)
10位 ヴァレンティン・パレ・パントレ(T-レックス・クイックステップ)
H.Moulinette












