ツール・ド・フランス第21st:ポガチャルが圧倒的な強さで大会連覇で通算4勝目!勝利のカギはモチベーション、ステージ勝利ははポガチャルのアタックにカウンターを仕掛けたファン・アールト!

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今大会の最終ステージは、例年のパレードステージではなく、ステージ途中の計測で最終的なタイムが確定する変則的なステージとなった。その為最終ステージはシンプルに最終日の勝者のみを決めるレースとなった。しかしタイム差が僅差ではない為実質的には総合順位は確定済み、残り50㎞の計測点をUAEチームエミレーツXRGがしっかりとチームのエースポガチャルをガードし通過、2020,2021年の連覇に続いて2度目の大会連覇を達成した。これで通算4度目のツール・ド・フランス制覇となった。ポガチャルは総合優勝のみならず山岳賞も獲得、今大会圧倒的な力を見せたその走りはポイント賞争いでも上位につけるなど、歴代最強と言われるその実力を遺憾なく発揮して見せた。
そして総合2位はヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)、ポガチャルの2度の連覇の間の2022,2023年を連覇した男は、昨年度に続いてポガチャルの圧倒的な走りの前に屈する形となった。昨年度は怪我からの復帰から日が浅く、その影響があるとみられたが、今年はその言い訳が全く通用しない完敗と言える結果となった。
そして総合3位には前評判以上の活躍を果たしたフロリアン・リポウィッツ(レッドブル・ボーラハンスグロエ)が入った。本来エースのプリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラハンスグロエ)のあしすととして走ってはいたが、ログリッチからのゴーサインをもらい自由を得た後は、自らの順位の為に積極的な走りを披露、最後まで総合3位を守り切った。そしてそれと同時にリポウィッツは新人賞ジャージも確定、今大会最も飛躍した選手の一人となった。

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ポイント賞を獲得したのはヨナタン・ミラン(リドル・トレック)、ポガチャルが常にステージ上位に入っていたためにポイントを稼がれたため、各ステージの中間スプリントと平坦ステージで必死にポイントを稼ぎ続け、今大会のポイント賞を確定させた。

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今大会最も目立った一人がベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)だろう。途中総合リーダーに躍り出ただけではなく、総合でも9位に入り、グランツアラーとしてのポテンシャルを感じさせた。その上でマイステージのように逃げを打ち、ゴール勝負に絡み、合計で3度の敢闘賞を獲得して見せた。それにより今大会の総合敢闘賞も獲得した。

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チーム総合はヴィズマ・リースアバイクが獲得した。後半の各ステージで最後までアシストし続けたそのアシスト勢の頑張りが、結果的にチーム総合をチームにもたらした。
今年のステージでは最後の周回コースに石畳の上り区間が設けられ、それにより平坦ステージからクラシック調のステージとなった。残り50㎞を切ってから一気にステージ勝利を目指すバトルが始まると、またしても雨が路面を濡らし選手たちにとってリスクが上がる。最初の上りでポガチャルがペースを上げ、一気に集団を絞っていくと、2度目の上りではまたしてもアタックを仕掛けると一気に先頭集団は5名にまで絞られてしまう。そしてそこからの下りでは更に一人が合流し6名となるが、ポガチャルは先頭で濡れた荒れた路面で平然と時速60㎞オーバーでコーナーを駆け抜けるなど、その強さのみならず体幹の強さとバランス力を見せつける。

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そして残り7㎞からの最後の上りでポガチャルは上り初めからスパート、そしてさらにギアを上下パワーでライバルたちを振り切ろうとするが、その最中にワウト・ファン・アールト(ヴィズマ・リースアバイク)がポガチャルを上回るパワーでポガチャルを置き去りにする。そしてそのまま頂上を通過し、ゴールまでの下りへと突入していく。10秒差に広がったその差は、ファン・アールトには十分だった。シクロクロスで培った抜群のボディーバランスで跳ねて滑るホイールで濡れた路面を躊躇なく下りで70㎞越えのスピードで駆け抜けていく。ポガチャルは置き去りにしたはずのマッテオ・ヨルゲンセン(ヴィズマ・リースアバイク)、ダビデ・バレリーニ(アスタナXDS)、マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)に追いつかれてしまう。

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そのままファン・アールトは最後はスローダウンして高々と両手を上げてゴール、チームに貴重な勝利をもたらした。ポガチャルはバレリー二とモホリッチに続いてステージ4位で指を突き立てて笑顔でゴール、自らの4度目のツール・ド・フランスを最後の最後まで盛り上げて見せた。

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ワウト・ファン・アールト(ステージ1位)
「最高の一日だったよ。でもシャンゼリゼで勝てるなんてさらに最高だよ。雨は結構状況をシビアにしたけど、でもうまくこなせたね。とにかくチームメイトには感謝だよ。彼らがいなければ今日もあの状況で勝負できなかったと思うよ。その上で最後の上りでのあのアタックは予定通りだったんだよ。本当は第20ステージも勝負したかったんだ。もう少しで勝てそうなステージがいくつかあったからね。昨日も脚がいまいちで逃げに乗れなかったんだ。でも周囲の仲間が信じてくれていたので、今日は勝負できたよ。本当はこの大会にマイヨ・ジョーヌを求めてチームとして乗り込んだんだけど、ポガチャルは最強だったよ。チームとして連日彼に挑めたことは誇りだよ。そして手ぶらで帰らないで済んだね。」

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タデイ・ポガチャル(ステージ4位、総合1位)
「最後まで全力を尽くしたんだよ。でもファン・アールトが強かったね。あの上りでの彼のアタックは凄かったよ。あの走りは勝利に値する走りだよ。今は大会が終わったことにほっとしているよ。今大会も楽しかったからね。終わってしまったことを寂しく思うかもだけどこのマイヨ・ジョーヌしてチームメイトと走れたこと、最強のラバると競い合えやこと、とにかく最高のツールだったよ。」
「今でも大勢の人の前でカメラやマイクを向けられるのには慣れないね。でも最高のライバルと並んでここに立てることは最高の名誉だよ。彼らの走りと最高の勝負に感謝だよ。今ここに立てていることを本当に誇りに思うよ。」
ヨナス・ヴィンゲガード(総合2位)
「今回はステージごとに調子の乱高下が激しかったよ。調子は過去最高と言っていいほどのコンディションではあったんだけど、それでも何日かのバッドデイは起きうると分かったよ。」
「ここからブエルタへ向け調整をしていくよ。あまり時間はないけど、過去にも経験しているからね。今回も同じように調整できると思うよ。」
ツール・ド・フランス第21ステージ順位
1位 ワウト・ファン・アールト(ヴィズマ・リースアバイク) 3h07’30”
2位 ダビデ・バレリーニ(アスタナXDS)
3位 マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)
4位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)
5位 マッテオ・ヨルゲンセン(ヴィズマ・リースアバイク)
6位 マッテオ・トレンティン(チュードル・プロサイクリング)
7位 アルノー・デ・リー(ロット)
8位 ケヴィン・ヴォークラン(アルケアB&Bホテルズ)
9位 マイク・テウニッセン(XDS アスタナ)
10位 ディラン・テウンス(コフィディス)
ツール・ド・フランス総合順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG) 76h00’32”
2位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク) +4’24”
3位 フロリアン・リポウィッツ(レッドブル・ボーラハンスグロエ) +11’09”
4位 オスカル・オンレイ(ピクニック・ポストNL) +12’12”
5位 フェリックス・ガル(デカスロンAG2Rラモンディアル) +17’12”
6位 トビアス・ヨハンセン(Uno-Xモビリティ) +20’14”
7位 ケヴィン・ヴォークラン(アルケアB&Bホテルズ) +22’35”
8位 プリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラハンスグロエ) +25’30”
9位 ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト) +28’02”
10位 ジョーダン・ジェガト(ダイレクトエナジーズ) +32’42”
山岳賞
タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)
ポイント賞
ヨナタン・ミラン(リドル・トレック)
新人賞
フロリアン・リポウィッツ(レッドブル・ボーラハンスグロエ)
チーム総合
ヴィズマ・リースアバイク
総合敢闘賞
ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)
H.Moulinette












