ツール・ド・フランス第5st:個人TTでエヴァネポエルが勝利!ポガチャルはステージ2位で総合リーダージャージ奪取!ヴィンゲガード、タイム伸びず総合4位に後退、ヴォークラン躍動!

©ASO
個人TTは大きくタイムと順位が変動するステージ、個人の力が純粋に試されるだけではなく調子の良しあしが一気に影響するだけに、各選手の今大会での立ち位置がはっきりしてしまう。テクニカルではなく平坦であることでよりパワーとTTでの走力が問われたこのステージで躍動したのは総合優勝を狙うレムコ・エヴァネポエル(ソウダル・クイックステップ)だった。前半にトップタイムを叩き出し、長く破られなかったエドアルド・アフィニ(ヴィズマ・リースアバイク)のトップタイムを大きく上回るスーパーランを見せる。初日にまさかの出遅れを喫しただけに、できる限りここでタイムをリカバーし、振り出しに戻したいところ、それを遂行すべく各チェックポイントの通過タイムでトップタイムを叩き出し続けると、最後までその勢いは緩むことがなかった。そのままトップタイムを叩き出し、総合上位勢の結果を待つこととなった。暫定首位の選手が座るホットシートには座らず、クールダウンをしながらライバルたちのタイムを待ち続けた。

©ASO
そんな中でタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)は大きなタイムロスなく淡々とこぎ続ける。中間計測でも大きくタイムを失うことなく安定感のある走りを終始披露、そのまま2位のタイムでゴールラインへ飛び込んできた。これで一気に総合リーダーの座を奪取、5日目にしてマイヨ・ジョーヌに袖を通すこととなった。エヴァネポエルに対して失ったタイムは僅か16秒、初日の貯金が大きくものを言い、総合でも2位に躍り出たエヴァネポエルに対して42秒差をキープした。

©ASO
今大会ここまで好調で、二人の対抗馬でもあるヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)にとってはこの日のステージは苦しいものとなった。タイム自体はステージ13位だったが、エヴァネポエルとポガチャルからは1分以上も遅れてしまい、一気に総合での順位も4位まで下げてしまうこととなった。
この日躍動したのは新人賞ジャージを着用していたケヴィン・ヴォークラン(アルケアB&Bホテルズ)、ステージ5位のタイムを叩き出すと、総合でも3位まで順位を上げた。今シーズンはフレッシュ・ワロンヌで2位、更にはツール前哨戦のツール・ド・スイスでは総合2位に入るなど着実に結果を残してきており、大方の予想を大きく上回る素晴らしい走りを見せた。この状態が本格的山岳で維持し続けられるかはわからないが、間違いなく総合トップ10争いには残ってきそうだ。
本来であれば総合優勝争いをしなければならないプリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラハンスグロエ)はここでもタイムを伸ばすことができなかった。ヴィンゲガードより一つ前のステージ12位でゴール、総合では8位まで順位を上げたが、ポガチャルとのタイム差は2分30秒と開いており、状況を考えると積極的に攻撃に出ていかざるを得ない構図が第5ステージにして確定的となってしまった。

©ASO
また昨日までの総合リーダー、マシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・ドゥクーニンク)も渾身の走りを見せ、総合で6位に踏みとどまった。これからのステージで再びステージ勝利と総合リーダージャージ奪取を狙える可能性があるだけに、ここでの踏ん張りは大きな意味を持つかもしれない。

©ASO
レムコ・エヴァネポエル(ステージ1位、総合2位)
「初日のリベンジだよね。あの初日のミスが無ければ、このステージで総合リーダージャージを奪えたかもしれないからね。まあでも新人賞ジャージは取れたんで良しとするよ。まあこのステージで一つの目標は達成できたよ。ポガチャルには無理だったけど、他の総合系には1分以上のタイム差をつけることができたからね。とりあえず僕もメリエールもステージ勝利を挙げられたので、あとは総合をじっくりと狙っていくことに専念するよ。ヴィンゲガードは軽量だから、今日みたいな追い風の日には不利だったね。」
タデイ・ポガチャル(ステージ2位、総合1位)
「TT世界王者でもありTTオリンピックチャンピオンでもあるエヴァネポエルと僅か16秒差でゴールできたのは嬉しいよ。今年のコースはかなり難解で気を遣う設定になっているので、とにかく最後シャンゼリゼ通りでマイヨ・ジョーヌを着用していることだけを念頭に置いて頑張るよ。」
ケヴィン・ヴォークラン(ステージ5位、総合3位)
「もう脚は残っていなかったよ。あったのはハートと肺活量だけだったよ。とにかくこの結果は天にも昇るくらいうれしいよ!」

©ASO
ツール・ド・フランス第5ステージ順位
1位 レムコ・エヴァネポエル(ソウダル・クイックステップ 36’42”
2位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG) +16”
3位 エドアルド・アフィニ(ヴィズマ・リースアバイク) +33”
4位 ブルーノ・アルミレール(デカスロンAG2Rラモンディアル) +35”
5位 ケヴィン・ヴォークラン(アルケアB&Bホテルズ) +49”
6位 フロリアン・リポウィッツ(レッドブル・ボーラハンスグロエ) +58”
7位 イヴァン・ロメオ(モビスター) +1’02”
8位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツXRG) +1’14”
9位 ルーカス・プラップ(ジェイコ・アルーラ) +1’17”
10位 パブロ・カストリロ(モビスター) +1’18”
ツール・ド・フランス総合順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG) 17h22’58”
2位 レムコ・エヴァネポエル(ソウダル・クイックステップ) +42”
3位 ケヴィン・ヴォークラン(アルケアB&Bホテルズ) +59”
4位 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク) +1’13”
5位 マッテオ・ヨルゲンセン(ヴィズマ・リースアバイク) +1’22”
6位 マシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・ドゥクーニンク) +1’28”
7位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツXRG) +1’53”
8位 プリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラハンスグロエ) +2’30”
9位 フロリアン・リポウィッツ(レッドブル・ボーラハンスグロエ) +2’31”
10位 マティアス・スケルモース(リドル・トレック) +2’32”
H.Moulinette












