ツール・ド・フランス2025第1st:落車連発、横風区間で総合勢いきなり明暗分かれる、エヴァネポエルがいきなりのタイムロス、ステージはスプリント勝負でフィリップセンが貫録の通算10勝目!

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遂に開幕した世界最大のロードレース、真夏の祭典ツール・ド・フランス2025、総合優勝争いは4強のタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)、ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)、レムコ・エヴァネポエル(ソウダル・クイックステップ)、プリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラハンスグロエ))の対決になることが予想されていたが、初日にしてその明暗が分かれる形となった。残り15㎞でヴィンゲガード擁するヴィズマ・リースアバイクが横風区間を利用してペースアップ、これにより分断されたメイン集団の先頭の38名に残れたのはポガチャルとヴィンゲガード、対してタイムを失ったのはエヴァネポエルとログリッチで、共にいきなり39秒のタイムロスとなってしまった。

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そしてさらにほかの総合上位勢候補勢もこの日はいきなりのバッドデイとなる。ヴィンゲガードのアシストでもありサブエースの役割を担っていた、今年のジロ・デイタリア覇者のサイモン・イェーツ(ヴィズマ・リースアバイク)だったが、残り75㎞でのメカトラから隊列への復帰がほぼできず、結果的にこのステージだけで6分ものタイムロスを喫してしまった。チームとしてはヴィンゲガードが好調だっただけに、待つこともできないままある意味見切りを求められる形となった。更にサイモンの双子の兄弟であり、ポガチャルの懐刀のアダム・イェーツ(UAEチームエミレーツXRG)もこの日の犠牲者となった。この日だけで5分以上のタイムロスを喫してしまった。またレニー・マルチネス(バーレーン・ヴィクトリアス)に至っては、この日だけで9分以上のタイムロス、いきなり総合上位の目標に赤信号がともってしまった。
昨年度ジロ・デ・イタリアで総合4位、ブエルタ・ア・エスパーニャで総合2位と大躍進を遂げたベン・オコナー(ジェイコ・アルーラ)だったが、こちらは残り4㎞で落車を喫して大きくタイムロスをしたものの、この日のステージの救済措置が残り5㎞からだったことに救われる形となった。

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そんなステージはスプリント勝負へと持ち込まれる。途中に中間スプリントではヨナタン・ミラン(リドル・トレック)が制したが、ゴール勝負を制したのはヤスパー・フィリップセン(アルペシン・ドゥクーニンク)、チームの完璧なお膳立てから、力勝負でそのまま押し切り、今大会初勝利、ツール・ド・フランスステージ通算10勝目を挙げるとともに、初日の勝者として総合リーダーの証、すべての選手たちのあこがれマイヨ・ジョーヌを獲得して見せた。

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ビニアム・ギルメイ(インターマルシェ・ワンティ)がステージ2位に入り、新人賞ジャージも獲得した。3位にはソレン・ワーレンショルト(Uno-Xモビリティ)が入り、若手二人が初日の表彰台を獲得して見せた。
この日は落車が序盤から連続することとなる。まず犠牲となったのはTTスペシャリストのフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス)だった。再スタートを切ったが、シューズの破損、さらには痛みが増加し、結局今大会のリタイア第1号となってしまう。するとさらに同じくTTスペシャリストのステファン・ビセガー(デカスロンAG2R)は沿道の観客と接触してしまい落車、こちらもリタイアとなってしまった。またこの日の先頭の逃げを形成したベンジャミン・トマ(コフィディス)とマッテオ・ヴェルシェ(トータル・エナジーズ)だったが、先頭争いを繰り広げた山岳ポイント争いではお互い石畳にトラクションを失い後輪が跳ねまくりながらのスプリント、トマが先にラインを通過したがその瞬間にトマが落車、ヴェルシェを巻き添えにしてしまう。

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そんな展開からゴールへ向け集団は一つになったが、ゴール手前に魔物が待ち構えていた。横風区間を利用してペースアップを図ったヴィズマ・リースアバイクの作戦に、多くの総合勢は完全に立ち遅れる形となった。ポガチャルはヴィンゲガードマークに徹していたために難を逃れたが、これを予測しきれていなかったソウダル・クイックステップとレッドブル・ボーラハンスグロエは完全にしてやられた形となった。それぞれの陣営がステージ終了後に「居眠りをしていた」と比喩したように、初日ボケの油断化、いきなり躓く形となった。そしてその恩恵を受けたアルペシン・ドゥクーニンクはライバルのスプリンターたちがこの横風分断作戦で消えたことで、余裕をもってゴールスプリント勝負に専念、機を伺い、完璧なリードアウトからフィリップセンが勝利をもぎ取って見せた。

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ヤスパー・フィリップセン(ステージ1位、総合1位)
「本当に信じられないよ!このつーつのステージ通算10勝目は死ぬまで忘れない特別なものになったよ。今日はからリピリピリとした神経質な展開になったけど、チームはゴールを制すことだけに集中していたよ。だから分断にも影響されずに最後の勝負に専念できたよ。本当に鳥肌もんだよね。沿道の観衆もアドレナリンも出まくり、それを全身に浴びながら勝利したよ。」
タデイ・ポガチャル
「今日は荒れた展開になると予想はしていたんだよ。とりあえず初日を終えられてほっとしたよ。今日は常に集団先頭にいることを意識していて正解だったよ。」
レムコ・エヴァネポエル
「もう今日は横風区間はないだろうと油断していたよ。完全に居眠り状態、リラックスし過ぎていたよ。今日はスプリント勝負になるだろうと思っていた中で、唯一犯したミスが大きすぎるミスだったよ。」
ツール・ド・フランス第1ステージ順位
1位 ヤスパー・フィリップセン(アルペシン・ドゥクーニンク) 3h53’11”
2位 ビニアム・ギルメイ(インターマルシェ・ワンティ)
3位 ソレン・ワーレンショルト(Uno-Xモビリティ)
4位 アンソニー・トゥルギス(トータルエナジーズ)
5位 マッテオ・トレンティン(チュードル・プロサイクリング)
6位 クレメント・ルッソ(グルーパマFDJ)
7位 ポール・ペノエ(グルーパマFDJ)
8位 マッテオ・ヨルゲンセン(ヴィズマ・リースアバイク)
9位 マリウス・メイホファー(チュードル・プロサイクリング)
10位 サム・ワトソン(イネオス・グレナディアス)
ツール・ド・フランス総合順位
1位 ヤスパー・フィリップセン(アルペシン・ドゥクーニンク) 3h53’01”
2位 ビニアム・ギルメイ(インターマルシェ・ワンティ) +04”
3位 ソレン・ワーレンショルト(Uno-Xモビリティ) +06”
4位 アンソニー・トゥルギス(トータルエナジーズ) +10”
5位 マッテオ・トレンティン(チュードル・プロサイクリング)
6位 クレメント・ルッソ(グルーパマFDJ)
7位 ポール・ペノエ(グルーパマFDJ)
8位 マッテオ・ヨルゲンセン(ヴィズマ・リースアバイク)
9位 マリウス・メイホファー(チュードル・プロサイクリング)
10位 サム・ワトソン(イネオス・グレナディアス)
H.Moulinette












