ジロ・デ・イタリア第8st:逃げ決まり総合変動!XDSアスタナが大躍動!ウリッシが総合リーダーに!フォーチュナトは山岳賞と総合2位!ステージを制したのは逃げ続けたプラップ!


©Giro d’Italia
昨日の山岳バトルの余韻冷めぬ中行われた第8ステージ、今大会初めて逃げ切りが決まったこのステージ、逃げに乗ったメンバーがステージを制しただけではなく総合でも大きくジャンプアップを果たし、ステージ3位のディエゴ・ウリッシ(XDSアスタナ)が総合リーダーに、ロレンツォ・フォーチュナト(XDSアスタナ)が総合2位へとジャンプアップを果たした。これでXDSアスタナは総合リーダージャージをウリッシが、山岳賞ジャージをフォーチュナトが着用することとなった。降格圏争いをしているチームとは思えない躍動をチームが継続している。また中国ブランドのXDSにとっても、UCIワールドツアー参加初年度にグランツールの総合リーダージャージ獲得という極めて大きな一歩を達成した。

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そんなステージを制したのはルーク・プラップ(ジェイコ・アルーラ)、逃げの集団から残り45㎞を残してアタック、そのまま独走をゴールラインまで続け、見事にステージ優勝を挙げた。続いてウィルコ・ケルデルマン(ヴィズマ・リースアバイク)とウリッシがそれを追いゴール、そして順番に各選手たちがゴールラインを超えた。総合上位勢はプラップから5分弱遅れてのゴール、大きな攻撃はなかったが、逃げに乗ったXDSアスタナ勢に主役を奪われる形となった。
この派手なステージの最初の主役は、先日までマリア・ローザを着用していたマッズ・ピーダースン(リドル・トレック)だった。しかしこの逃げも山岳に阻まれ、スタートから50㎞ほどで吸収されてしまう。そしてここから新たな逃げが発生、19名の大所帯が飛び出していく。今大会の山岳賞獲得を視野に入れているフォーチュナトを中心に、以前は総合優勝候補にも挙がっていたが、今シーズン限りでの引退を決めているロメイン・バルデ(ピクニック・ポストNL)、ウリッシなど実力ある選手たちが顔を揃えた。

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そのままレースは推移すると、終盤にはバーチャルでリーダーの座がフォーチュナトへと移る。メイン集団との差は5分半を超え、集団はこの日の総合変動を容認するような動きとなる。スピードアップを図ることはせず、先行した逃げを容認する形となる。プラップは逃げから飛び出し単独走となるが、ハイペースで飛ばすプラップとメイン集団との差は思ったほどは縮まらない。
快調に飛ばすプラップはそのままゴールまで差をあまり縮められることなくゴール、春先に落車で手首を骨折してから復帰してきた男が、快心の走りで勝利を掴み取った。逃げ集団はプラップの背後で分裂、散り散りになりながらも最終的に10人がメイン集団に捉まることなくゴールを果たした。
昨日の勝者ホァン・アユソ(UAEチームエミレーツXRG)は4分49秒差の11位でゴール、プリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラハンスグロエ)にわずか1秒だが先行して見せた。
ルーク・プラップ(ステージ1位)
「正直勝てるとは思っていなかったよ。ようやく勝てたなと。昨年度は何度となく惜しいステージを経験したけど、今日それを達成できたよ。オーストラリアの夏に調子を合わせてしまうと、ヨーロッパでは通用しなかったんだよね。このステージはピンポイントでチームとして狙っていたんだよ。本当にそれを達成できたのは夢のようだよ。残り45㎞で仕掛けたのは、ゴールスプリントでは誰にも勝てないことがわかっていたからだよ。」

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ディエゴ・ウリッシ(ステージ3位、総合1位)
「最高だよ!逃げに乗るには大変だったけど、今日は逃げ切りの日だと思っていたからね。もうすぐ36歳になるって時に、マリア・ローザを切れるとは思ってもいなかったよ。これは生涯忘れない思い出だよ。僕の選手生活においても、そしてXDSアスタナにとっても価値があるよ。このチームに移籍したのは正解だったと思えるね。」
ジロ・デ・イタリア第8ステージ順位
1位 ルーク・プラップ(ジェイコ・アルーラ) 4h44’20”
2位 ウィルコ・ケルデルマン(ヴィズマ・リースアバイク) +38”
3位 ディエゴ・ウリッシ(XDSアスタナ)
4位 イゴール・アリエッタ(UAEチームエミレーツXRG) +1’22”
5位 ニコラス・プルドム(デカスロンAG2Rラモンディアル) +1’35”
6位 アンドレア・ヴェンダラメ(デカスロンAG2Rラモンディアル) +1’48”
7位 ロレンツォ・フォーチュナト(XDSアスタナ)
8位 ゲオルグ・スタインハウザー(EFエデュケーション・イージーポスト) +2’59”
9位 ロメイン・バルデ(ピクニック・ポストNL) +3’02”
10位 アレッシオ・マルティネッリ(VFグループバルディアーニ・CSFファイザネ) +4’37”
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 ディエゴ・ウリッシ(XDSアスタナ) 29h21’23”
2位 ロレンツォ・フォーチュナト(XDSアスタナ) +12”
3位 プリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラハンスグロエ) +17”
4位 ホァン・アユソ(UAEチームエミレーツXRG) +20”
5位 アイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG) +26”
6位 アントニオ・チベリ(バーレーン・ヴィクトリアス) +44”
7位 マックス・プール(ピクニック・ポストNL)) +47”
8位 マイケル・ストーラー(チュードル・プロサイクリング) +50”
9位 ブランドン・マクナルティー(UAEチームエミレーツXRG ) +51”
10位 サイモン・イェーツ(ジェイコ・アルーラ) +56”
H.Moulinette