ジロ・デ・イタリア第7st:今大会の山岳バトル開幕!総合上位候補そろい踏み!アユソとデルトロがワン・ツー!アユソが:抜け出し独走勝利で総合2位!でログリッチが総合リーダージャージ再奪取


©Giro d’Italia
遂に始まった総合バトル、総合優勝を目指す戦いが始まった。各チーム主力が最後の頂上ゴール勝負に挑む中、数的優位はUAEチームエミレーツXRGが最大ライバルのレッドブル・ボーラハンスグロエに対して先制パンチを加えた。残り500mで飛び出したのは優勝候補の一角ホァン・アユソ(UAEチームエミレーツXRG)、そして更にダークホースのアイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG)も素晴らしい走りを見せチームでワン・ツーを達成して見せた。これで総合争いでも2人が2,3位となった。優勝候補最筆頭のプリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラハンスグロエ)はステージ4位で総合リーダーに再び返り咲き、マリア・ローザを手にして見せた。

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驚きのステージ3位に入ったのはイーガン・ベルナル(イネオス・グレナディアス)、過去のグランツール覇者は、交通事故で一度は生命の危機に瀕したが、不死鳥のように返り咲いて見せた。ただ結果は伴わず、もどかしい日々を過ごしてきたが、ここへきて好調さを見せている。この走りが大会期間中維持できれば、間違いなく総合優勝候補へと返り咲く日も近いだろう。
この日の結果を見ても、総合トップ15にUAEチームエミレーツXRGはアユソ、デルトロに加え、アダム・イェーツとブランドン・マクナルティの4人を残しており、間違いなく手札だけで見れば最強と言える状況だろう。対して昨日のレースで最強アシストのジェイ・ヴァイン(レッドブル・ボーラハンスグロエ)を失ったログリッチはジュリオ・ペリッツオーリ(レッドブル・ボーラハンスグロエ)が総合12位に残るも未知数、アシスト勢の手薄さが気になるところだ。

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168㎞で獲得標高3390mのこのステージは、総合上位勢を狙うものにとっては最初の試金石となった。山岳賞ジャージ獲得を狙うロレンツォ・フォーチュナト(XDSアスタナ)が序盤から飛び出しポイントを取るが、その後は集団に戻ると、今度はチームメイトのクリスチャン・スカローニ(XDSアスタナ)が飛び出していく。その後さらに6名が合流し、この日の7名の逃げが決まった。
しかし何と言ってもこの日のステージはゴール勝負、ここからレッドブルボーラハンスグロエが勝負に備え集団の主導権を握る。そしてレースはそのまま残り12㎞の最後の上りに40秒差でメイン集団は突入していく。イネオス・グレナディアス、さらにはバーレーン・ヴィクトリアスと総合系を抱えるチームが交互に主導権を握りペースアップ、残り5㎞で全ての逃げが吸収された。
そして残り2.5㎞、UAEチームエミレーツXRGが動き出す。ラファル・マイカ(UAEチームエミレーツXRG)がアシストをし、4人の総合上位選手を最後の山岳バトルへと送り込んだ。

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そして残り1.5㎞では20名ほどにまで絞られた集団から、真っ先に動いたのは序盤戦でマッズ・ピーダースン(リドル・トレック)を献身的にアシストしたジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック)だった。ここからベルナル、さらにはそのアシストのサイメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアス)が動くと、さらにデル・トロ、チッコーネ、アントニオ・チベリ(バーレーン・ヴィクトリアス)と連鎖的に反応が起きる。ログリッチは状況を静観する中、アユソが残り550mで一気に加速、そのまま独走でゴールラインでガッツポーズを決めた。まだ22歳のアユソ、世界最強のポガチャルのアシストに回ることも多く、時に若者らしい不満も口にしたこともあるが、それでも腐ることなく自分を磨き続ける男がまた一つ成長し勝利を挙げた。

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ホァン・アユソ(ステージ1位、総合2位)
「4回目のグランツール出場だけど、ブエルタでは2度ステージ勝利まであと一歩まで来たんだ。でも初めてのジロ出場でようやく達成できたよ。仕掛けないといけないのはわかっていたんだ。でも2度3度と仕掛けるべきものではないことも理解していたんだ。こういう勝負では一発で仕留めるかが重要なんだよ。だからライバルたちに駆け引きをさせておいて、自分の間合いに入ったと思ったので一撃で勝負に出たんだ。僕らはここへ勝ちに来たんだよ。」
ジロ・デ・イタリア第7ステージ順位
1位 ホァン・アユソ(UAEチームエミレーツXRG) 4h20’25”
2位 アイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG) +04”
3位 イーガン・ベルナル(イネオス・グレナディアス)
4位 プリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラハンスグロエ)
5位 ジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック)
6位 アントニオ・チベリ(バーレーン・ヴィクトリアス)
7位 ダミアーノ・カルーソ(バーレーン・ヴィクトリアス)
8位 リチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト)
9位 マックス・プール(ピクニック・ポストNL) +08”
10位 マイケル・ストーラー(チュードル・プロサイクリング)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 プリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラハンスグロエ) 24h32’30”
2位 ホァン・アユソ(UAEチームエミレーツXRG) +04”
3位 アイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG) +09”
4位 アントニオ・チベリ(バーレーン・ヴィクトリアス) +27”
5位 マックス・プール(ピクニック・ポストNL) +30”
6位 マイケル・ストーラー(チュードル・プロサイクリング) +33”
7位 ブランドン・マクナルティー(UAEチームエミレーツXRG) +34”
8位 マティアス・ヴァチェック(リドル・トレック) +37”
9位 サイモン・イェーツ(ジェイコ・アルーラ) +39”
10位 リチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト) +50”
H.Moulinette