ジロ・デ・イタリア2025第3st:リドル・トレックの戦略が炸裂!ハードなコースでの潰し合いを制してスプリント勝負に持ち込んだピーダースンが開幕ステージの再現で勝利とマリア・ローザ再奪取!


©Giro d’Italia
まさに最初のオープニングステージの再現だった。明確な意思をもって集団をコントロールし続けたリドル・トレックが、総合上位候補のジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック)の強烈なアシストからマティアス・ヴァチェック(リドル・トレック)のリードアウト、そしてマッズ・ピーダースン(リドル・トレック)の完璧な3連星ジェットストリームアタックを完結させた。この日は紫色のポイント上ジャージ、マリア・チクラミーノを着用していたピーダースンはそのままスプリント勝負で豪快にライバルを圧倒、ステージ2勝目を手にするとともにボーナスタイムを獲得、昨日プリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラハンスグロエに奪われた総合リーダーの証、マリア・ローザを再び手にして見せた。

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チームワークは完璧だった。中盤から後半に入ると一気に集団前方へと集結したリドル・トレックは、余計なカウンターアタックを一切許さず、エースのチッコーネまでもが惜しげもなくペースアップに加わる。アップダウンが想像以上に厳しく、スプリンターたちが次々と脱落していく中、春先のクラシックでタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)やマシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・ドゥクーニンク)らと対等に渡り合った脚質は伊達ではなかった。2019年に誰もが予想できなかった世界チャンピオンとなったピーダースンは、さらなる進化を遂げオールラウンダーとして世代最強クラスへと変貌、特に今シーズンは春先のクラシックからメジャーレースで結果を残し続けている。これで自身52勝目となりデンマーク史上最強のサイクリストの呼び声が高い。
この日は主要総合系選手は全員無事にタイムロスなくゴール、レースはアルバニアを離れイタリア本土へと向かう。
この日のステージ、昨日スステージ勝利を挙げたジョシュア・ターリン(イネオス・グレナディアス)が逃げに乗り飛び出していく。6人の逃げに加わったターリンはバーチャルで総合リーダーの座を奪うなど、快調な走りでレースを主導する。
メイン集団ではレッドブル・ボーラハンスグロエが総合リーダーチームの責務として集団をコントロール、それにリドル・トレックも人員を提供しこの日のレースを優位に進めていく。残り50㎞を切りアップダウンが始まると、リドル・トレックは積極的に主導権を握り始める。そんな中ペッロ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス)とロレンツォ・フォーチュナト(XDSアスタナ)が飛び出し、逃げの残党に合流、さらにそこから加速して山頂でフォーちゅなとがポイントを稼いでいく。
しかしこの逃げも必死の努力むなしく残り18㎞で吸収され、そこからはバーレーン・ヴィクトリアス、レッドブル・ボーラハンスグロエ、リドル・トレックが

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それぞれの思惑の元牽引を続ける。しかし明確に勝負にこだわっていたのはリドル・トレック、チッコーネが初日に続いて強烈な牽引でゴール前まで隊列を導いていく。そこからバトンタッチされたヴァチェックもまた先頭できっちりとペースを作りピーダースンをリードアウトした。視界良好、先頭ですプリントに突入したピーダースンに対し、その背後に陣取ったコルビー・ストロング(イスラエル・プレミアテック)、更にはオールイ・アルラール(モビスター)、ブランドン・リヴェラ(イネオス・グレナディアス)が続いた。アウラールは第1ステージに続いてのステージ3位、今後のステージでの更なる飛躍を感じさせる走りを見せた。

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マッズ・ピーダースン(ステージ1位、総合1位)
「ステージ2勝とマリア・ローザ再奪取、これこそが今日の目的だったんだよ。でも正直自分でも勝利できるかはわからなかったよ。長い上りでペースを作ったことで、ライバルたちに主導権を握らせなかったことで、体力の温存ができたよ。今日はチーム全員が素晴らしい走りをしてくれた。最後も優位な駆け引きができ、チッコーネとヴァチェックがこれ以上ないお膳立てをしてくれたよ。チッコーネは総合という目標があるのに、これだけの仕事をしてくれている、だから僕もこれからの山岳ステージで彼のアシストをきっちりとやるよ。」
プリモズ・ログリッチ(総合2位)
ジロ・デ・イタリア第3ステージ順位
1位 マッズ・ピーダースン(リドル・トレック) 3h49’47”
2位 コルビー・ストロング(イスラエル・プレミアテック)
3位 オールイ・アルラール(モビスター)
4位 ブランドン・リヴェラ(イネオス・グレナディアス)
5位 エドアルド・ザンバニーニ(バーレーン・ヴィクトリアス)
6位 ステファノ・オルダーニ(コフィディス)
7位 アンドレア・ヴェンダラメ(デカスロンAG2Rラモンディアル)
8位 フィリッポ・フィオレッリ(VFグループバルディアーニCSFファイザネ)
9位 クリスチャン・スカローニ(XDSアスタナ)
10位 ダビデ・デ・プレト(ジェイコ・アルーラ)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 マッズ・ピーダースン(リドル・トレック) 7h42’10”
2位 プリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラハンスグロエ) +09”
3位 マティアス・ヴァチェック(リドル・トレック) +14”
4位 ブランドン・マクナルティー(UAEチームエミレーツXRG) +21”
5位 ホァン・アユソ(UAEチームエミレーツXRG) +25”
6位 アイザック・デル・トロ(UAEチームエミレーツXRG) +26”
7位 マックス・プール(ピクニック・ポストNL) +33”
8位 アントニオ・チベリ(バーレーン・ヴィクトリアス) +34”
9位 マイケル・ストーラー(チュードル・プロサイクリング) +36”
10位 ジュリオ・ペリッツァーリ(レッドブル・ボーラハンスグロエ) +40”
H.Moulinette