ヘント・ウェヴェルヘム2025:長距離砲は俺にもできる!好調ピーダースンが56㎞大逃げを決め大会連覇で3度目の制覇、追走追いつけずスプリント勝負の末メルリールが2位、ミランが3位


©Gent Wevelgem
ツアー・オブ・フランダース前最後のフランダースクラシックはスプリンター有利の石畳のレースだ。アップダウンが少ない分シクロクロス系やクラシックライダーがあまり好まず、その為スプリンターたちにとってはクラシック勝利を狙える格好のレースだ。そしてそのヘント・ウェヴェルヘムを制したのはマッズ・ピーダースン(リドル・トレック)、ミラノ・サンレモでは7位、そしてE3サクソバンククラシックでは2位と勝利まであと一歩まで来ていた。特にE3サクソバンククラシックではマシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・ドゥクーニンク)の独走に続いて単独での2位を獲得していたが、この日は自ら果敢に長距離からのアタックを決めた。
残り70㎞以上を残して追走集団からアタックを決めるとそのまま逃げ集団に合流、さらに残り56㎞でアタックを決め単独先頭に躍り出ると、最後まで後続を寄せ付けず、見事に大会連覇を達成、これで今大会最多タイ記録の3勝目となった。ライバル達が目の前で見せてきたロングアタックを、今回は自らが行い結果を残して見せた。
レース後は会心の勝利に満面の笑みで、「ゴール手前20㎞からは追い風で独走するにはもってこいだったよ。脚は良く回っていたし、”よしやってみるか!”という感じだったよ。でも失敗すれば後がない大博打だし、全てが徒労に終わる可能性だってある。でも結果的にはあの時の覚悟が結果に結びついたよ。」と冗舌に語った。その上で今大会に出場していなかったが、これからのクラシックでもライバルとなるタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)とファン・デル・ポエルに関して問われると、「あの二人は別次元の存在だからね。先日もE3で勝負所でファン・デル・ポエルにあっさりとひねられたし、ポガチャルも同じことができる選手だからね。そんな彼らが出場してきても、勝利はもちろん狙っていくよ。もちろん今日の勝利は大きな自信になっているけど、勝つのは容易ではないことは理解しているよ。」とライバルたちの強さを口にした。

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ピーダースンの背後では追走集団も激しく入れ替わりながら、最終的には大きな集団となってスプリント勝負へと持ち込まれた。その先頭を取ったのはティム・メルリール(ソウダル・クイックステップ)、今シーズンはパリ~ニース、UAE ツアー、アルーラツアーでそれぞれステージ2勝ずつを挙げており、好調を維持している。また3位にも今シーズン好調なジョナサン・ミラン(リドル・トレック)が入った。リドル・トレックは今大会1-3フィニッシュとなり、着実にポイントを積み重ねている。

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ヘント・ウェヴェルヘム2025
優勝:マッズ・ピーダースン(リドル・トレック) 5h30’21”
2位:ティム・メルリール(ソウダル・クイックステップ) +49”
3位:ジョナサン・ミラン(リドル・トレック)
4位:アレクサンダー・クリストフ(UNO-Xモビリティ)
5位:ユーゴ・ホフステッター(イスラエル・プレミアテック)
6位:ダビデ・バレリーニ(XDSアスタナチーム)
7位:ビニアム・ギルメイ(インターマルシェ・ワンティ)
8位:ジェンノ・ベルクモース(ロット)
9位:ヨルディ・ミーウス(レッドブル・ボーラハンスグロエ)
10位:レックス・ローレンツ(インターマルシェ・ワンティ)
H.Moulinette