E3サクソバンククラシック2025:雨の石畳を制したのはクラシック最強のファン・デル・ポエル!40㎞を独走勝利!単独追走のピーダースンが2位、進化する男ガンナが単独3位表彰台をゲット!


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雨が石畳を濡らしたE3サクソバンククラシック、ポガチャルを止めた男、クラシック最強の男、マシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・ドゥクーニンク)がここでも圧倒的な強さを見せつけた。残り40㎞で5人の逃げから石畳区間で加速してジワリと抜け出すと、そこからはTTモードでさらにじわじわとその差を広げていった。最後はカメラマンに余裕のサムアップで笑顔を見せ、ゴールラインで勝利のポーズを決めた。これでモニュメントの7勝に加え、そのほかのクラシックレースでも7勝目となった。E3サクソバンククラシックはこれで昨年に続いての連覇、今シーズンも絶好調な男はこれで3勝目を挙げた。

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2位には同じ逃げからヴァン・デル・ポエルを追走したマッズ・ピーダースン(リドル・トレック)がこちらも単独で最後まで走り切り2位を獲得した。更にその背後ではクラシックで進化の一端を見せつけているフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス)が単独で表彰台最後の一角を手にして見せた。ミラノ・サンレモに続いてファン・デル・ポエルに食らいついていけたその走りは、遅かれ早かれ勝利へと繋がるだろう。
208.6㎞のコースにちりばめられた石畳は、この日は雨に濡れて滑りやすくなっていた。その影響で序盤に発生した落車により、レースはスタート直後から分断された展開となる。大きく分断された集団の中で、ファン・デル・ポエルやワウト・ファン・アールト(ヴィズマ・リースアバイク)、ガンナらは完全に取り残された形となってしまう。ここからイネオス・グレナディアスらが猛追を仕掛けハイペースでの追撃が始まる。この日のレースは全く落ち着きがなく常にまとまりがない状況が続くが、それが主要選手たちにとっては功を奏す形となった。

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残り80㎞でタイエンベルグの上りに入ると、M.ピーダースンが仕掛ける。それに反応したのはヴァン・デル・ポエルとガンナだった。キャスパー・ピーダースン(アルペシン・ドゥクーニンク)とアイメー・デ・ヘント(コフィディス)がこれに加わり、逃げは5人となった。ファン・アールトはこの日はいいところなく集団に沈み、勝利の目は早々と潰えてしまう。

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そして残り名物のオウデ・クワレモントの上りでジワリとペースを上げたファン・デル・ポエルはここから後続との差を広げていく。ポガチャルで見慣れた独走勝利だが、この男の馬力もそれに勝るとも劣らない。ここからゴールまで40㎞を逃げ切り鮮やかな大会連覇を決めた。
「今日のレースはきつかったよ。でも今日勝利できたのは間違いなくチームのおかげだよ。開くコンデションではその差が出るね。」とファン・デル・ポエルは勝利の要因はチーム力であることを語った。

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E3サクソバンククラシック2025
優勝:マシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・ドゥクーニンク) 4h38’11”
2位:マッズ・ピーダースン(リドル・トレック) +1’05”
3位:フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス) +2’04”
4位:キャスパー・ピーダースン(ソウダル・クイックステップ) +2’33”
5位:ヤスパー・ストゥーヴェン(リドル・トレック)
6位:ステファン・キュング(グルーパマFDJ)
7位:アイメー・デ・ヘント(コフィディス)
8位:ティム・ウェレンス(UAEチームエミレーツXRG) +2’35”
9位:マッテオ・ヨルゲンセン(ヴィズマ・リースアバイク) +2’38”
10位:マイク・テウニッセン(XDSアスタナ) +2’44”
H.Moulinette