ティレーノ・アドリアティコ2025:アユソが昨年の総合2位を上回る!第6ステージで独走を決め念願の総合優勝!進化する男ガンナが最終日逆転で総合2位!ピドコックは総合6位


©Tirreno Adriatico
パリ~ニースの裏で、UAEチームエミレーツXRGのもう一人のエースが躍動した。昨年度この大会で総合2位となったホァン・アユソ(UAEチームエミレーツXRG)が遂にティレーノ・アドリアティコの頂点に立ち、優勝者の証、トライデントを手にして見せた。

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しかし今大会で最も目立ち続けたのは世界最強のTTスペシャリスト、フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス)だった。初日の個人TTを制し総合リーダーに躍り出ると、そこからリーダージャージを守り続ける。第6ステージでアユソが素晴らしい走りを見せ、この段階で総合3位まで順位を下げたが、最終ステージでボーナスタイムを獲得し、総合2位を獲得して見せた。一時代を築いた名選手、サー・ブラッドリー・ウィギンスの系譜の選手であり、最近は平坦での走力だけではなく、上りでも走れるところを見せており、総合系への憧れも口にしており、今後クラシックレースのみならず、ステージレースでも総合優勝を伺う存在になるかもしれない。
最終日にガンナに総合2位の座を奪われたのはアントニオ・チベリ(バーレーン・ヴィクトリアス)、昨年度のジロ・デ・イタリアで総合5位に入っており、今後はチームの総合系の柱となりうる23歳だ。だが最終日ガンナにさらわれた総合2位の座は大きかったと言わざるを得ない。

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総合系として狙ったトム・ピドコック(Q36.5プロサイクリング)だったが、第6ステージではアユソに次ぐステージ2位には入ったが、総合では6位に沈んだ。ステージレースはチーム力がより必要になるだけに、ピドコックにとってはチーム力の不足が堅調に感じられたことだろう。ポイント賞争いでも2位に終わり、もろもろあと一歩で手が届かないもどかしい状況だ。だがチームにとっては大きなポイントを積み重ね続けており、来シーズンのステップアップに向け邁進中だ。
今大会ではスプリント争いではジョナサン・ミラン(リドル・トレック)がステージ2勝を挙げ主役と成った。これ位より大会のポイント賞も獲得、今シーズンも絶好調だ。
気になったところはUAEチームエミレーツXRGのアダム・イェーツだ。アユソと共に、タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)のアシストとして、またはサブエースとして走れる選手だが、まだその走りはパリッとしない。スロー調整というのもあるかもしれないが、今後どのように調子をあげていくのかが気になるところだ。

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面白いもので最強2チームが、それぞれパリ~ニースとティレーノ・アドリアティコの勝利を分け合う形となった。強豪チームがそれぞれグランツールへ向けたシミュレーションを行いながらきっちりと勝利を挙げるあたりが、その強さを示していると言えるだろう。

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ティレーノ・アドリアティコ2025ステージ勝者
第1ステージ:フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス)
第2ステージ:ジョナサン・ミラン(リドル・トレック)
第3ステージ:アンドレア・ヴェンダラメ(デカスロンAG2Rラモンディアル)
第4ステージ:オラフ・クーイ(ヴィズマ・リースアバイク)
第5ステージ:フレドリック・ドゥヴァーシュネス(UNO-Xモビリティ)
第6ステージ:ホァン・アユソ(UAEチームエミレーツXRG)
第7ステージ:ジョナサン・ミラン(リドル・トレック)
ティレーノ・アドリアティコ2025総合順位
優勝:ホァン・アユソ(UAEチームエミレーツXRG) 28h41’24”
2位:フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス) +35”
3位:アントニオ・チベリ(バーレーン・ヴィクトリアス) +36”
4位:デレク・ジー(イスラエル・プレミアテック) +42”
5位:ジャイ・ヒンドリー(レッドブル・ボーラハンスグロエ) +53”
6位:トム・ピドコック(Q36.5プロサイクリング) +56”
7位:ミケル・ランダ(ソウダル・クイックステップ) +1’05”
8位:ダビ・デ・ラ・クルス(Q36.5プロサイクリング) +1’32”
9位:ペッロ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス)
10位:マッティア・カッタネオ(ソウダル・クイックステップ) +1’38”
H.Moulinette