オムループ・ヘット・ニウスブラッド2025:ヴァレンショルトが大金星!ゴールスプリントまでもつれたクラシック開幕戦はUno-Xが制す!新星マニエは惜しくも届かず2位、有力クラシックスペシャリストたち沈黙


©Omloop Nieuwsblad
春先連戦が続くクラシックは、ワンデイレースの最高峰を巡る戦いだ。クラシックスペシャリストと呼ばれるメンバーが、その称号を狙いしのぎを削る。ここ数年オムループ・ヘット・ニウスブラッドはヴィズマ・リースアバイクが主導権を握り制してきたが、今年のレースはその様相が違った。そして有力クラシックスペシャリストが沈黙し決定打がないままゴールスプリントまで持ち込まれたバトルは、ソレン・ヴァレンショルト(UNO-Xモビリティ)がまさかの大金星を挙げた。24歳の若手はついに念願のビッグウィンを手にして見せた。そして2位に入ったのもポール・マニエ(ソウダル・クイックステップ)、昨年19歳でツアー・オブ・オマーンでステージ優勝を挙げるなど期待の星だ。そして優勝候補の一角だったヤスパー・フィリップセン(アルペシン・ドゥクーニンク)が辛うじて3位に入った。
曇り空に丘陵地帯で行われた第80回大会のレースは、197㎞に11か所の石畳が迎え撃つサバイバルバトルはスタート直後からアタックが発生、最終的に7名の逃げが決まる。最大で8分弱までその差は開いていった。中盤にはメイン集団でUAEチームエミレーツXRGらが動いてヴィズマ・リースアバイクを揺さぶるがこれは空振りに終わる。その後散発的にアタックと吸収が繰り返され、先行していた逃げとの差は縮まっていく。

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逃げが捉まり、ワウト・ファン・アールト(ヴィズマ・リースアバイク)を勝たせるためにティス・ベノート(ヴィズマ・リースアバイク)が残り30㎞を切りペースを上げ牽引するが、調子が上がらないファン・アールトはここでついていくことができない。その後ファン・アールトは自ら仕掛けも見せるが、結局切れ味なくそのまま集団に沈んでいく。その後も散発的アタックが繰り返されるが、どれも決定打とはならない。
そして残り10㎞でステファン・キュング(グルーパマFDJ)が得意の個人TTモードへと持ち込んでいく。あっさりと抜けだして一人旅となったが、後続集団は射程圏内にとどめたまま位置取り争いを繰り広げる。しかしこの逃げも残り1㎞でキュングは吸収され、一気に集団はスプリントモードへと入っていく。しかしそこに優勝候補たちの顔は確認できない。

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そしてイネオス・グレナディアスのリードアウトからサム・ワトソン(イネオス・グレナディアス)が発車する。しかしその脇をヴァレンショルトが駆け上がっていく。そしてコースの反対側に展開したメニエがそれを猛追する。そしてその真ん中にフィリップセンが突っ込んでいくが及ばず、ヴァレンショルトが先着、チームに基調な勝利をもたらした。
「とにかく全開だったよ。僅差のバトルになっていることは理解できていたからね。誰よりも先にゴールを駆け抜ける快感はたまらないね。人生最大の勝利だからね!それがここでこんな形で達成できるとは微塵も思っていなかったからね。勝利を実感できるまでにはまだかかりそうだよ。位置取りがあまり良くなくて、スプリンターたちの後ろにいたからどうかなとは思ったんだけど、コース内側を駆け上がれたのでこれはいけるかもとは思ったんだよ。勝てたか確信がなかったので、無線で勝利の確定を聞くまでは分からなかったよ。」 ヴァレンショルトは新人らしく思わぬ大勝利への確信がまだわからないようだった。

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結局ファン・アールトは11位に沈んだ。レース後に「今日は体が思ったように動かなかった。でもそれでもレースを難しくするというチーム戦略はうまくできていたと思う。明日は明日の風が吹くはずだよ。」と結果は残せなかったが、自らの調子に関して楽観的観測を見せた。
オムループ・ヘット・ニウスブラッド2025
優勝 ソレン・ヴァレンショルト(UNO-Xモビリティ) 4h37’53”
2位 ポール・マニエ(ソウダル・クイックステップ)
3位 ヤスパー・フィリップセン(アルペシン・ドゥクーニンク)
4位 ブレント・ファン・モア(ロット)
5位 サム・ワトソン(イネオス・グレナディアス)
6位 ルーカス・クビス(ウニベット・ティテマ・ロケッツ)
7位 ピエ・アルガート(コフィディス)
8位 ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(EFエデュケーション・イージーポスト)
9位 マリン・ファン・デン・ベルグ(EFエデュケーション・イージーポスト)
10位 ルイス・アスキー(グルーパマFDJ)
H.Moulinette