ヴォルタ・アオ・アルガーベ2025:ポガチャルの最強ライバルのヴィンゲガードも順調な仕上がり、最終第5ステージ個人TT制して総合優勝、UAEはアルメイダが逆転許すも好調を維持


©Volta ao Algarve
タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツXRG)を止めるのは誰か、その最右翼とされるのが2度のツール・ド・フランス覇者のヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)だろう。UAEツアーでポガチャルが圧倒的な走りを見せる裏で、ヴィンゲガードも順調な仕上がりを見せ、最終第5ステージの山岳個人TTでトップタイムを叩き出し大逆転で総合優勝を飾った。しかしポガチャルが多くのステージで活躍をしたのに対して、まだTTでの仕上がりが見られたにすぎない。だが仕上がり具合は間違いなくここ数年の中で一番早いだろう。

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前日までワン・ツー体制だったUAEチームエミレーツXRGのエース、ジョアオ・アルメイダと二十歳の新鋭ヤン・クリステンだったが、最終日に勝利を取り逃がしてしまった。アルメイダは安定の走りで総合力を発揮したが、予想以上の活躍を見せたのがクリステン、ジュニアとしてシクロクロス、MTB、で世界選手権でそれぞれ金、銀メダルを獲得、ロードでもジュニアでヨーロッパチャンピオン、U-23世界選手権でも個人TTを制するなど銅メダルを実績は十分であり、今シーズンは間違いなく一軍戦力としての活躍が見込まれている。第2ステージをアルメイダと共にワン・ツーで制し、最終ステージまで総合リーダージャージを守った経験は、大きな糧となりそうだ。最終的には総合10位でトップ10に踏みとどまって見せた。

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気になったのはプリモズ・ログリッチ(レッドブル・ハンスグロエ)だ。総合8には入っているものの、目立った動きもなかった。まだシーズン序盤とはいえ、スローなスタートはライバル達とは異なるところ、今シーズンのターゲットをどこに絞っているのかが気になるところだ。
今年のレースは第1ステージが前代未聞の珍事で、結果的にキャンセルとなった。ゴール前報道車両やチームカーがコースわきに誘導されるのはいつ何時のレースでもおなじみの光景だが、メイン集団のほとんどがその隊列に着いていってしまい、ゴール脇の沿道を走ることに。結果的に数名のみが残ったコースではフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス)がガッツポーズを決めたが、ゴール後にステージキャンセルが宣言された。
ヴォルタ・アオ・アルガーベステージ勝者
第1ステージ: コースの誘導ミスによりキャンセル
第2ステージ: ヤン・クリステン(UAEチームエミレーツXRG)
第3ステージ: ヨルディ・ミーウス(レッドブルボーラ・ハンスグロエ)
第4ステージ: ミラン・フレティン(コフィディス)
第5ステージ: ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク)

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ヴォルタ・アオ・アルガーベ総合順位
優勝 ヨナス・ヴィンゲガード(ヴィズマ・リースアバイク) 13h19’30”
2位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツXRG) +15”
3位 ローレンス・デプラス(イネオス・グレナディアス) +24”
4位 ロメイン・グレゴワール(グルーパマFDJ) +36”
5位 マックス・シャフマン(ソウダル・クイックステップ) +40”
6位 ニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト) +43”
7位 イラン・ファン・ワイルダー(ソウダル・クイックステップ) +48”
8位 プリモズ・ログリッチ(レッドブルボーラ・ハンスグロエ) +53”
9位 タオ・ゲイガンハート(リドル・トレック) +54”
10位 ヤン・クリステン(UAEチームエミレーツXRG) +57”
H.Moulinette