アルウラ・ツアー2025:シクロクロス世界選手権をスキップしてアラブのレース出場のピドコックが自身初のステージレース総合優勝!新天地Q36.5でチームと共に生き生きとした走りで大爆発!


©AlUla Tour
シクロクロス世界選手権のアルカンシエル争いで、マシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・ドゥクーニンク)とワウト・ファン・アールト(ヴィズマ・リースアバイク)の2人に唯一割って入った男、MTBでも金メダルを獲得しているトム・ピドコック(Q36.5プロサイクリングチーム)が新天地移籍で進化を遂げた。ロードのシーズンオフに内紛のあった前所属チームのイネオス・グレナディアスを去る選択をし、あえて格下カテゴリーのQ36.5プロサイクリングチームへの移籍を決めたことで、今年度はシクロクロスを封印、世界選手権も当然スキップしてロードシーズンでの最初のビッグレースへ挑んだ。そしてその最初のアルウラ・ツアーで全5ステージ中2勝(第2、第4ステージ)し、そのまま自身初のステージレース総合優勝を決めて見せた。Q36.5プロサイクリングチーム自体も第5ステージをマッテオ・モシェッティが制し、これでチームは5ステージ中3勝と完全に今大会の主役となった。

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新天地に移籍したことで笑顔が戻ったピドコックは、チームメイトたちとの親睦を深め、そして準備万端で今シーズンの自らの開幕戦を迎えた。そして迎えた第2ステージのアップヒルフィニッシュで、残り500mで抜け出すとそのまま独走勝利を決め、総合リーダージャージを奪取する。そして迎えた第4ステージのクイーンステージでは、残り9㎞からの山頂をトップ通過すると、そこからゴールまで逃げ切りまたしても勝利、これでがっちりと総合リーダージャージをキープして最終日を迎えた。

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迎えた最終日は横風で混沌としたステージとなったが、Q36.5プロサイクリングチームにとっても最大最高の結果の為に必死のチームワークを見せる。そのお陰でピドコックはそのまま総合2位のフレドリック・デヴァースネス(UNO-Xモビリティ)に1分以上の大差をつけて総合優勝を果たした。2023年にできたばかりのまだ新しいチームにとっては、2023年に上げた1勝が唯一の勝利だったが、この5日間でステージ3勝と総合優勝で4勝と一気に結果を残す形となった。ワールドツアーで活躍した大ベテラン達と、未知数な若手選手たちに交じり、唯一旬なトップクラス選手として加入したピドコック、絶対的エースとして早くもその存在感を大きく見せつける形となった。

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今シーズンはワイルドカードでの出場が多く見込まれるだけに、更なるステップアップを狙うチームにとってもピドコックにとっても来シーズン以降を占う上でとても重要なシーズンとなりそうだ。
またUNO-Xモビリティは総合2位から4位を独占する活躍で、こちらも幸先良い形でシーズンに突入している。また昨年度までQ36.5プロサイクリングチームに所属していたアレッサンドロ・ファンチェル(JCLチーム右京)が総合で9位に入り、日本国籍のチームとして総合トップ10圏内で大会を終えた。
アウラルツアーステージ勝者
第1ステージ:ティム・メリエール(ソウダル・クイックステップ)
第2ステージ:トム・ピドコック(Q36.5プロサイクリングチーム)
第3ステージ:ティム・メリエール(ソウダル・クイックステップ)
第4ステージ:トム・ピドコック(Q36.5プロサイクリングチーム)
第5ステージ:マッテオ・モシェッティ(Q36.5プロサイクリングチーム)

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アルウラ・ツアー2025総合順位
優勝 トム・ピドコック(Q36.5プロサイクリング) 17h26’25”
2位 フレドリック・デヴァースネス(UNO-Xモビリティ) +1’09”
3位 ヨハネス・クルセット(UNO-Xモビリティ) +1’12”
4位 オードネ・ホルター(UNO-Xモビリティ) +1’13”
5位 レイナ・ケプリンガー(バーレーン・ヴィクトリアス) +1’23”
6位 アラン・ハサリー(ジェイコ・アルーラ) +1’26”
7位 フランク・ファン・デン・ブロック(ピクニック・ポストNL)
8位 アレッサンドロ・ファンチェル(JCLチーム右京) +1’39”
9位 ディエゴ・ウリアルテ(エキッポ・ケルン・ファルマ) +1’51”
10位 ジョーダン・ジェガット(チーム・トータルエナジーズ) +1’58”
H.Moulinette