世界選手権トラック競技2024:日本勢がさらにメダル追加!女子競輪で佐藤水菜が金!連日のメダル獲得!男子スプリントで太田海也が銅メダル獲得!日本勢35年ぶりのスプリント表彰台

日本勢が連日の大活躍だ。昨日までにすでに金2つ、銅2つの4つのメダルを獲得していたが、女子スプリントで銅メダルを獲得していた佐藤水菜が女子競輪で金メダルを獲得、今大会花形種目の競輪で男女そろっての金メダル獲得という快挙となった。そして男子スプリントでも、チームスプリントで銅メダルを獲得している太田海也が銅メダルを獲得、男子スプリントでのメダル獲得は、神山雄一郎と松井英幸が銀・銅メダルを獲得して以来の快挙となった。

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女子競輪最強の一人である佐藤水菜は、2021年に初出場だった競輪で銀メダルを獲得、これが女子の短距離種目での初のメダル獲得となった。続く2022年も世界選手権の競輪で銀メダル獲得すると、UCIネイションズカップシリーズ戦では2023年と2024年で3勝を挙げるなど、世界の大舞台で結果を残してきた。満を持して挑んだパリ五輪だったが惨敗、しかしそこからしっかりと立て直してきた。

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一回戦2着、準々決勝3着で準決勝に勝ちあがると、僅差で3着に入り決勝へと駒を進めた。そして迎えた決勝、日本はもう一人の梅川風子も決勝へと駒を進め、オランダ2人、イギリス2人、日本2人の6名による決勝となった。ペースメーカーのモトバイクが退避する残り3周で展開が動き出す。先行するオランダ勢2枚に対して、日本勢は最後尾に2人が付ける形となる。最終周回手前でエマ・フィヌカン(イギリス)がしかけると、佐藤がこれを追随し最高の展開となる。残り半周で佐藤が一気に勝負に出ると、そのまま最終コーナーを先頭でクリア、見事に金メダルを獲得して見せた。昨日のスプリントと言い勝負勘が冴えまくった佐藤が今大会2つ目のメダル獲得、世界を大舞台でその存在感を改めて示し、念願のアルカンシエルを獲得した。
女子競輪順位
金メダル 佐藤水菜
銀メダル ヘティ・ファン・デ・ヴォウ(オランダ)
銅メダル ケイティ・マーシャント(イギリス)
5位 梅川風子

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男子スプリントは1977年から1986年にかけて、中野浩一が10連覇した種目だ。1989年の神山雄一郎と松井英幸のメダルを最後にメダリストは途絶えていたが、太田海也が遂にその呪縛を解き放った。前日の結果を踏まえて準決勝に進んだ太田の対戦相手は、世界選手権単独で15個の金メダルを獲得しているハリー・ラブレイセン(オランダ)との対決となる。史上最強スプリンターの呼び声高いオランダの怪物に対し、2本先取の3本勝負では力負け、3位決定戦へと回ることとなる。
その対戦相手は昨年度の同種目銀メダリストのニコラス・ポール(トリニダード・トバゴ)、一本目は先行したのはポールだったが先に仕掛けた太田、それに対し完全にポールが立ち遅れあっさりと制した。そして迎えた2本目、今度は太田が先行していく。その状態から今度も先に仕掛けたのは太田、一度もポールにつけ入る隙を与えない完ぺきな勝利だった。これで太田は昨日のチームスプリントの引き続いての銅メダル獲得となった。
男子スプリント順位
金メダル ハリー・ラブレイセン(オランダ)
銀メダル ジェフリー・ホーフラント(オランダ)
銅メダル 太田海也
今大会これで日本は金3つ、同3つの6つのメダルを獲得、しかもメイン種目である競輪とスプリントの二種目での活躍には目を見張るものがあった。トラック競技に出場した選手たちは普段公営競技の競輪選手として活動をしているため、スケジュール的にも世界の舞台のレースのみに専念することは難しい。そんな逆境をはねのけてのこの結果は賞賛に値するだろう。
H.Moulinette