ジロ・デル・エミリア:アルカンシエル獲得後初レースでも37㎞の大逃げで独走勝利、止まらない男の快進撃は続く、次に狙うのはモニュメントのイル・ロンバルディアでの大会4連覇!
世界選手権で念願のチャンピオンの証、アルカンシエルを獲得したタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)の勢いが止まらない。獲得後初レースに挑んだポガチャルは、ジロ・デル・エミリアで、またしてもポガチャルが大逃げを敢行、そしてなす術なくライバルたちはそれを見送ってしまい、結果的に37㎞の独走勝利を許す形となってしまった。
この日の仕掛けも鮮やかだった。この日超えていく5つの上りの最初の上りで仕掛けたのはオリンピックチャンピオンで元世界チャンピオンののレムコ・エヴァネポエル(ソウダル・クイックステップ)、だがそれにカウンターで反応したポガチャルはあっという間にその差を広げると、最終的には後続に2分近いタイム差をつけての完勝となった。もはや一人だけ別の競技をやっているかのような強さ、それと同時にライバル選手たちがこれに着いていこうとする動きが全く見られないのは残念なところだ。
結果的にエヴァネポエルは残り25㎞でリタイアとなり、2位争いはスプリント勝負となり、トム・ピドコック(イネオス・グレナディアス)がダビデ・ピガンツォーリ(ポルティ・コメタ)を抑えきった。
あまりにも強すぎるポガチャルは、「世界選手権以降絶好調なんだよ。でもアルカンシエルが届いたら、やっぱり緊張したね。プレッシャーはあったけど、今日もうまくいってよかったよ。アルカンシエルのジャージを皆にお披露目できたからね。今日はもっとぎりぎりまで攻める予定はなかったんだけど、エヴァネポエルがアタックを先に仕掛けたんで、それに反応をしてしまったんだよ。そうしたらもう行っちゃえってなったんだ。あとは振り返らずに走り続けたらご覧の結果さ。こんなにうまくいくとは思わなかったよ。今シーズンあと2レース出るけど、どっちも勝ちたいね。」と、いつも通りの屈託のない笑顔で語った。
これで今シーズン24勝目、スプリンターではない選手が、1シーズンでこれだけの勝利を積み重ねることは異例であり、ポガチャルの圧倒的な強さだけが際立ったシーズンとなっている。次に狙うのはイル・ロンバルディア、3連覇中の得意のモニュメントで大会4連覇を狙う。
ジロ・デル・エミリア2024
優勝 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) 5h14’43”
2位 トム・ピドコック(イネオス・グレナディアス) +1’54”
3位 ダビデ・ピガンツォーリ(ポルティ・コメタ)
4位 マイケル・ウッズ(イスラエル・プレミアテック)
5位 サイモン・イェーツ(ジェイコ・アルーラ) +2’02”
6位 ロジャー・アドリア(レッドブル・ボーラ・ハンスグロエ) +2’04”
7位 ウィルコ・ケルデルマン(ヴィズマ・リースアバイク)
8位 エンリック・マス(モビスター) +2’08”
9位 アーチー・ライアン(EFエデュケーション・イージーポスト) +2’13”
10位 ロレンツォ・フォーチュナト(アスタナ・カザフスタン) +2’15”
H.Moulinette