世界選手権2024男女エリート個人TT:男女ともにオリンピック覇者が世界選手権制覇の偉業!エヴァネポエルとブラウンが揃って史上初の快挙達成!
今年はオリンピックがあったことでかなりスケジュール的にタイトでハードなシーズンとなっているが、そんな中で、男女の個人TTで揃って偉業達成となった。男子ではレムコ・エヴァネポエル(オランダ)が最大ライバルのフィリッポ・ガンナ(イタリア)を6秒抑えて世界選手権も連覇も併せて達成した。女子ではグレース・ブラウン(オーストラリ)がオリンピックとの連覇を達成、次の世界選手権女子エリートロードレースを最後に引退をする。
世界チャンピオン奪還を掲げて挑んだガンナは、同胞のエドアルド・アフィニ(イタリア)のタイムを上回るタイムを叩き出して暫定首位になり、世界チャンピオン返り咲きへと一歩近づいた。だがこの日のエヴァネポエルはオリンピックの時同様に快走を見せる。スタート直前にチェーンが脱落、更にパワーメーターも作動せず、なんと感覚のみに頼って走り切って見せた。そしてわずか6秒ガンナを上回り見事に世界チャンピオンジャージに引き続き袖を通した。
レムコ・エヴァネポエル(ベルギー)
「正直冷静でいられなかったよ。スタート1分前にチェーンが外れて、更にパワーメーターも動かないから全てが勘に頼った走りになったよ。二つ目の上りで少しペースを上げて、下りでは全力だったよ。パワーメーターなしでペースをキープするのは難しかったよね。特に最後の残り5㎞はね。そんなかでもリミットを超え手自爆しないようにしなければならないので難しかったよ。正直途中はもう考えが頭をめぐりすぎて、何をしているのかよくわからなくなっていたよ。多分人生で一番難しい個人TTだったよ。」
フィリッポ・ガンナ(イタリア)
「もう一枚世界選手権ジャージが欲しかったよ。でもえばねぽえるが素晴らしすぎたよ。ただおめでとうと言うしかないよね。また銀メダル、金メダルには近いところにいるよね。ただ今日はレムコのほうが早かった、ただそれだけだよ。」
エドアルド・アフィニ(イタリア)
「ガンナはやけ酒、僕は祝い酒だよ。」
金メダル レムコ・エヴァネポエル(ベルギー) 53’01”
銀メダル フィリッポ・ガンナ(イタリア) +07”
銅メダル エドアルド・アフィニ(イタリア) +55”
4位 ジョシュア・ターリン(イギリス) +1’18”
5位 ジェイ・ヴァイン(オーストラリア) +1’25”
6位 キャスパー・アスグリーン(デンマーク) +1’31”
7位 トビアス・フォス(ノルウェイ) +1’45”
8位 ステファン・キュング(スイス) +1’49
9位 ヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー) +1’56”
10位 ブランドン・マクナルティ(アメリカ) +1’59”
今大会を最後に引退を決めているブラウンは、オリンピックを制しただけでも有終の美と言えたが、なんと世界選手権まで制してのダブルを達成し更に自らのの引退に花を添える形となった。中間チェックポイントのタイムではデミ・フォレリン(オランダ)と一進一退の攻防を続けると、最後の最後に突き放して勝利を掴み取った。そしてクロエ・ダイガート(アメリカ)も激闘の末銅メダルを獲得した。
グレース・ブラウン
「この数か月はずっと夢の中にいるようだわ。野心的な目標だったけど、それが素晴らしいモチベーションを生み出してくれたわ。オリンピックで勝てたことで、自信が生まれたの。残り1㎞を切ってからは、自分自身に”私は世界チャンピオンになれる!”と言い聞かせ続けたの。そしてそれが最後まで背中を押してくれたわ。こんな形で引退を迎えられるなんて最高の形だわ!」
金メダル グレース・ブラウン(オーストラリア) 39’16”
銀メダル デミ・フォレリン(オランダ) +16”
銅メダル クロエ・ダイガート(アメリカ) +56”
4位 アントニオ・二ーデルメイヤー(ドイツ) +1’05”
5位 ロッテ・カペッキー(ベルギー) +1’39”
6位 クリスティーナ・シュウェインベルガー(オーストリア) +1’44”
7位 アナ・ヘンダーソン(イギリス)
8位 エレン・ファン・ダイク(オランダ) +1’47”
9位 ジュリエット・ラブス(フランス) +1’51”
10位 アンバー・ネベン(アメリカ) +2’20”
H.Moulinette