ブエルタ・ア・エスパーニャ第2st:丘陵ステージの上りスプリントを制したのはグローヴス!1年ぶりの勝利でポイント賞も、主催者ミスでステージ2位で総合リーダーのファン・アールトが表彰台に
勝利こそ逃したが、ステージ2位のボーナスタイムでファン・アールトは大会前から宣言していた通り総合リーダージャージを奪取した。チームメイトのディラン・ファン・バーレ(ヴィズマ・リースアバイク)が序盤の落車が原因で早くも2日目にしてリタイアで失う痛手となったが、チームとしては昨年の覇者セップ・クス(ヴィズマ・リースアバイク)が守り続けたジャージを早くも手に入れた。
この日の序盤はスローな展開が続き、序盤から逃げ続けていた今大会最年長のルイ・アンヘル・マテ(エウスカルテル・エウスカディ)とイボン・ルイ(エキッポ・ケルンファルマ)の二人旅が長く続いた。この日はUAEチームエミレーツのエース、ジョアオ・アルメイダの故郷を通ることもあり、沿道の観客の熱気はものすごかった。UCIプロチーム所属の二人の逃げは中間スプリントを超え、残り40㎞まで続いた。
そしてこの日の山岳越えでもはやおなじみとなってしまった観客と選手の接触が起きてしまう。明日までポルトガルを駆け抜けるブエルタ、その熱狂のあまり沿道の観衆がヒートアップ、何度となく危険なシーンが発生する中、その犠牲となったのは総合2位につけていた新人賞ジャージのマティアス・ヴァチェック(リドル・トレック)だった。しかし幸いなことに大事には至らず、観客に対して怒りの言葉を投げかけながらも再スタート、何とかメイン集団復帰を果たし、この日の脱落を免れた。
そしてそのままこの日の救済措置エリアの残り3㎞を切ると、予想通り展開は激しくなる。そんな中またしても落車が発生、ジョシュア・ターリング(イネオス・グレナディアス)、ヨナタン・ナルバエス(イネオス・グレナディアス)、マックス・プール(チームDSMフィルメニッヒ・ポストNL)らが巻き込まれてしまった。
しかしこの日のステージを狙っていたファン・アールトはチームメイトに牽引されながら絶好のポジションをキープすると、チームメイトのリードアウトから先行する。しかしこのチームメイトのリードアウトのスピードがあまりなかったことで、ライバルたちはぴたりとファン・アールトをマーク、そしてその背後にいたグローヴスは ファン・アールトのスリップストリームを使うことなく右側へと展開し力の真っ向勝負を選択する。伸びないファン・アールトに対しグローヴスは先着し勝利、そしてコルビン・ストロング(イスラエル・プレミアテック)が猛追し迫ったが、一歩及ばず3位となった。
カデン・グローヴス(ステージ1位)
「今年はジロで他のスプリンターに阻まれて全く勝てなかったからね。ようやく勝ててほっとしているよ。予定通りの戦略ではなかったよ。僕のアシスト二人が道路の穴にはまったとかでメカトラで離脱してしまったので、ファン・アールトをマークしたんだよ。」
ワウト・ファン・アールト(ステージ2位、総合1位)
「そりゃ勝ちたかったよ。チームもいい仕事をしてくれていたしね。でも今日はトップ3に入ればボーナスタイムで総合リーダーになれる可能性が高いことも分かっていたんだ。まあだから結果オーライだよ。そしてステージ勝利はこれからも狙い続けるよ。」
ブエルタ・ア・エスパーニャ第2ステージ順位
1位 カデン・グローヴス((アルペシン・ドゥクーニンク) 5h12’55”
2位 ワウト・ファン・アールト(ヴィズマ・リースアバイク)
3位 コルビン・ストロング(イスラエル・プレミアテック)
4位 ポー・ミケル・デルガド(エキッポ・ケルンファルマ)
5位 レナート・ファン・エートフェルト(ロット・デスティニー)
6位 パヴェル・ビトナー(チームDSMフィルメニッヒ・ポストNL)
7位 ヨン・アベラストゥリ(エウスカルテル・エウスカディ)
8位 アレクサンダー・ヴラソフ(レッドブル・ボーラハンスグロエ)
9位 ブランドン・リヴェラ(イネオス・グレナディアス)
10位 フィリッポ・バロンチーニ(UAEチームエミレーツ)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 ワウト・ファン・アールト(ヴィズマ・リースアバイク) 5h25’27”
2位 ブランドン・マクナルティー(UAEチームエミレーツ) +03”
3位 マティアス・ヴァチェック(リドル・トレック) +05”
4位 ステファン・キュング(グルーパマFDJ) +09”
5位 エドアルド・アフィニ(ヴィズマ・リースアバイク) +11”
6位 ジョシュア・ターリング(イネオス・グレナディアス)
7位 マウロ・シュミット(ジェイコ・アルーラ) +19”
8位 プリモズ・ログリッチ(レッドブル・ボーラハンスグロエ) +20”
9位 ブルーノ・アルミレール(デカスロンAG2Rモンディアル) +21”
10位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ) +22”
H.Moulinette