ジロ・デ・イタリア第16ステージ:大雨で大幅短縮のステージを制したのはまたしてもポガチャル!予定外の展開に余裕の走りで5勝目!20歳のペリッツァーリが大殊勲の2位、マルチネスが総合2位に

©Giro d’Italia
あまりにも強すぎる。そして圧倒的な走りはつまらないという人がいる。だが歴史上最強の選手だったメルクスに世界が熱狂したように、タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)の走りもまた人々を魅了する。ラファル・マイカ(UAEチームエミレーツ)が一気にペースを上げると総合勢が崩壊、そのまま残り1.3㎞からの急勾配区間で飛び出すと、後はただ淡々とマイペースで先行していた3名を順番に追い抜いていくだけだった。最後の一人ギウリオ・ペリッツァーリ(VFバルディアー二CSFファイザネ)を追い抜くと、最後は笑顔さえ見せながらガッツポーズを決めた。
この日はチームとしてはライバルチームに主導権を譲り、逃げ切りを容認する姿勢だった。しかしモビスターがそれを拒否し追走を仕掛けたことでペースが上がり、メイン集団は一気に絞られたことで、結局総合勢による勝負がステージ勝利も兼ねることとなった。それならばステージ勝利も狙おうとUAEチームエミレーツは切り替え、急遽ポガチャルで今大会5勝目を狙った。

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土砂降りという悪コンディション、さらには標高が高いこともあり凍てつくような寒さを迎え、主催者は今大会すでに雪崩の予報が出ていたために変更をしたコースを丸々カットする選択肢に迫られた。しかし地元の要請もあり、パレードランだけでもスタートの街でと一旦は考慮されたが、選手組合がそれを拒否する形で、最終的には202㎞から121㎞と大幅にカットされたコースで行われることとなった。新しいスタート地点への移動で本来走るはずだったコースを通ると、そこは雪が降り続く状況、キンターナが総合優勝を果たした2014年は、雪の中を選手たちは駆け抜けたが、今回はセーフティプロトコルのおかげでそんなリスクは回避されることとなった。
悪天候もあり、リスクを避けるために総合系選手を要するチームは逃げを容認するだろうと予測されたことで、スタート直後からアタックが始まる。しかしアタックが決まったのはスタートから30㎞を過ぎてからだった。第12ステージを制し完全復活を感じさせるジュリアン・アラフィリップ(ソウダル・クイックステップ)、ダビデ・バレリー二(アスタナ・カザフスタン)、アンドレア・ピッコロ(EFエデュケーション・イージーポスト)、ミルコ・マエストリ(チームポルティ・コメタ)の4人が逃げを形成する。そしてこの逃げは大きく展開を左右する鍵となる。

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残り30㎞でアラフィリップがアタック、独走となりハイペースを刻む。そのまま最後の頂上ゴールへの上りへと突入しても、タイム差は大きく縮まらない。モビスターは積極的ににレースをコントロール、総合7位のロメイン・バルデ(チームDSMフィルメニッヒ・ポストNL)は一旦遅れ獲り追走を余儀なくされる。そして残り14㎞ですでに削られていたメイン集団からペリッツァーニら4人がアタック、1人がメカトラで離脱するが、イーウェン・コスティウ(アルケアB&Bホテルズ)、クリスチャン・スカローニ(アスタナ・カザフスタン)らは猛追を仕掛け、アラフィリップに追いつく。
アラフィリップは20歳のペリッツァーニと21歳のコスティウにお手本を見せるかのような牽引をギリギリまで見せこの日の逃げを終えた。このアラフィリップが残した勢いそのままに残り1.5㎞で先頭に立ったペリッツァーニはそのまま大金星を狙い必死の走りを見せる。その背後では残り1.3㎞でいよいよポガチャルが始動、誰にも追いつかせない加速でそのまま残り700mでペリッツァーニも捉え先頭に躍り出る。多くの選手がヘロヘロになりながらゴールまでの厳しい勾配を上る中、ポガチャルは完全に涼しい顔で淡々とリズムを変えることなく、大きく加速することもなく上り切り、5勝目をアピールしながらゴールした。

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ペリッツァーニはポガチャルを猛追したダニエル・マルチネス(ボーラ・ハンスグロエ)に追いつかれるが、そこから粘りを見せるとゴール勝負でマルチネスを抑え2位をキープした。ステージ3位のマルチネスはこれでゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアス)をまたしても逆転、総合でも2位にジャンプアップを果たした。しかしポガチャルとのタイム差は総合でついに7分を超えることとなった。誰も予想しなかった現在総合5位と躍動しているアントニオ・チベリ(バーレーン・ヴィクトリアス)は素晴らしい走りで新人賞ジャージを守った。

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タデイ・ポガチャル(ステージ1位、総合1位)
2019年に彼と僕が一緒に映っている写真を送ってくれたんだよ。僕も子供(19歳)だったけど彼も「子供(14歳)だったね。彼は今大会ステージ勝利ができるかもしれないよ。(ゴール後にジャージとサングラスをプレゼント)」
ゲラント・トーマス(総合3位)
「今日はすっからかんだったよ。最後の上りはゴールまで頭を挙げることさえできなかったよ。正直モビスターがあんなに早くからペースを上げるなんて想定外だった。攻撃事態は素晴らしかったと思う。ただ結果において、その反動が来て、それを最高にうまく使ったのがポガチャルだったんだよ。」
ジロ・デ・イタリア第16ステージ順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) 2h49’37”
2位 ギウリオ・ペリッツァーリ(VFバルディアー二CSFファイザネ) +16”
3位 ダニエル・マルチネス(ボーラ・ハンスグロエ)
4位 クリスチャン・スカローニ(アスタナ・カザフスタン) +31”
5位 アントニオ・チベリ(バーレーン・ヴィクトリアス) +33”
6位 サイメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアス) +38”
7位 ダミアーノ・カルーソ(バーレーン・ヴィクトリアス) +39”
8位 マイケル・ストーラー(チュードル・プロサイクリング) +42”
9位 イーウェン・コスティウ(アルケアB&Bホテルズ)
10位 ヴァレンティン・パレ・パントレ(デカスロンAG2Rラモンディアル) +45”
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) 59h01’09”
2位 ダニエル・マルチネス(ボーラ・ハンスグロエ) +7’18”
3位 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアス) +7’40”
4位 ベン・オコナー(デカスロンAG2Rラモンディアル) +8’42”
5位 アントニオ・チベリ(バーレーン・ヴィクトリアス) +10’09”
6位 サイメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアス) +10’33”
7位 ロメイン・バルデ(DSMフィルメニッヒ・ポストNL) +12’18”
8位 フィリッポ・ザナ(ジェイコ・アルーラ) +12’43”
9位 アイナー・ルビオ(モビスター) +13’09”
10位 ヤン・ヒルト(ソウダル・クイックステップ) +14’07”
H.Moulinette












