ヘント・ウェベレヘム2024:最強クラシックライダーのファン・デル・ポエルの勝利を阻んだのはペデルセン、新旧世界チャンピオンでのマッチスプリントでねじ伏せ2020以来2度目の勝利!
初春のフランダースクラシックのタイトルはただの風物詩以上の価値がある。その勝利を勝ち取れば、選手としての価値が大きく上がり、クラシックライダーとしての評価は選手として大きな財産ともなる。だがそこにはクラシックハンターと呼ばれる強豪が顔を揃え、そう簡単に勝利を掴み取ることは困難だ。マシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・ドゥクーニンク)はすでに多くのクラシックを制覇し、最強クラシックライダーの呼び声が高い。そして今年のヘント・ウェベレヘムでもその強さは健在だった・・・だが勝利を奪い去ったのは、2020年にこのレースを制したマッズペデルセン(リドル・トレック)だった。上れるスプリンターは新旧世界チャンピオンによるマッチレースをファン・デル・ポエルと演じ、そして勝利を力技で奪い去って見せた。これで自信2020年に続く今大会2勝目、自身の戦歴に大きな勲章を加えた。
「そりゃゴールスプリントになったらがむしゃらに走るしかないよ。ファン・デル・ポエルの強さは若手いたけど、勝てる自信はあったんだ。でもそのためにはギャンブルに出るしかなかったよ。だってファン・デル・ポエルと駆け引きを続けていたら、フィリップセンが追い付いてしまいそうだったからね。だから常に先頭を引いて、追いつかせない様にしながらも自らの脚を温存してスプリントに備えるというハイリスクな戦法を取らざるを得なかったんだ。」ペデルセンは自らの戦略がリスクを伴う博打だったことを明かした。
それを猛追した後続集団でのスプリントを制したのはヨルディ・ミーウス(ボーラ・ハンスグロエ)、ヤスパー・フィリップセン(アルペシン・ドゥクーニンク)とヨナタン・ミラン(リドル・トレック)に先着し、表彰台の一角を確保して見せた。
レースは残り96㎞を残してファン・デル・ポエルが集団を粉砕してしまう。しかしこれに反応したミラン、ペデルセン、そしてさらにはヤスパー・ストゥーヴェンも加わりリドル・トレック勢が数的優位を作り出した。ローランス・ピティ(グルーパマ・FDJ)ら3名も加わり、さらに攻撃も加えるが、ファン・デル・ポエルは自分の走りに徹し動じない。すると徐々に先頭集団は人数を減らし、リドル・トレックはペデルセンを残すのみとなる。残り30㎞、最後の上りケンメルベルぐではピティも脱落すると、ここからはファン・デル・ポエルとの一騎打ちとなった。
先頭の二人は余裕を持って後続との差を保ちながらの駆け引き、しかし追走にはスプリンターたちが顔を揃えるため、追いつかれたくはない。その気持ちがより強かったのはペデルセンだった。自ら積極的に牽引しつつも、最後は力で強引に勝利を掴み取って見せた。ファン・デル・ポエルはこの大会前に行われたE3サクソクラシックに続いての連勝と派なら買った。
ヘント、ウェヴェレヘム2024
優勝 マッズペデルセン(リドル・トレック) 5h36’00”
2位 マシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・ドゥクーニンク)
3位 ヨルディ・ミーウス(ボーラ・ハンスグロエ) +16”
4位 ヤスパー・フィリップセン(アルペシン・ドゥクーニンク)
5位 ヨナタン・ミラン(リドル・トレック)
6位 オラフ・クーイ(ヴィズマ・リースアバイク)
7位 ビニアム・ギルメイ(インターマルシェ・ワンティ)
8位 ティム・メリエール(ソウダル・クイックステップ)
9位 ディラン・グローネウェーヘン(ジェイコ・アルーラ)
10位 マッテオ・トレンティン(チュードル・プロサイクリング)
H.Moulinette