ブエルタ・ア・エスパーニャ2023第20st:クラシック王者同士の勝負はポエルスの軍配!エヴァネポエルは大会4勝目ならず!総合トップ3確定的、ユンボ三銃士が肩を組みゴール!(ダイジェストあり)


©La Vuelta
クラシックのようなアップダウンだらけのステージは、総合上位勢にとっては最後の攻撃のステージだったが、ユンボ・ヴィズマの牙城は高く堅かった。ライバルたちの動きを最後まで牽制して勝負所になる上りでもその動きをシャットアウトしたのは総合3位のジロ・デ・イタリア2023覇者プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ)、そして総合リーダーのセップ・クス*ユンボ・ヴィズマ)をがっちり守ったのは総合2位のツール・ド・フランス2023覇者のヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ)だった。ゴールでは3人が横一列で肩を組みゴール、まるで最終日のゴールのようなシーンで、第20ステージゴールを締めくくった。これで明日ゴールすれば、史上初の全て異なる選手が総合優勝でのグランツール年間スイープ達成、さらにはブエルタ・ア・エスパーニャでの表彰台独占という快挙のおまけつきだ。

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そんなステージで大会4勝目を狙ったのはレムコ・エヴァネポエル(ソウダル・クイックステップ)、山岳賞ジャージを確定させ、ポイント賞ジャージも2位だったが、ステージ勝利に狙いを定めて逃げ切りを図った5名によるスプリント勝負に挑んだ。先に仕掛けたワウト・ポエルス(バーレーン・ヴィクトリアス)のタイミングは抜群、アタックに反応してすぐにコーナーを迎えたことでついた僅かなギャップを、必死でエヴァネポエルは詰めたが僅か届かず、ステージ2位に終わった。奇しくもリエージュ・バストーニュ・リエージュのクラッシク覇者同士の対決となったが、ベテランの勝負巧者ぶりに軍配が上がった。

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総合の状況を考えても逃げ切り勝利が垣間見えていたこのクラッシックのようなステージは、スタート直後からアタックがかかる。そしてそこにきっちりと反応してチームメイト3人と共に合流をしたのがエヴァネポエル、明確にこのステージでも勝利を狙う雄姿を見せた。結局逃げは31名という大所帯となり、後続のメイン集団はこれを放任、その差が11分だにまで広がっていったことで、早々と逃げ切り勝利が確定的となった。
メイン集団で気が気ではなかったのがポイント賞ジャージのカデン・グローヴス(アルペシン・ドゥクーニンク)。エヴァネポエルがポイント賞には興味を見せていないが、結果的に奪われるという形さえ可能性がある状況に内心穏やかではなかった。

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逃げ切りが確定的となると、31名の段集団から早々と飛び出す選手たちが現れる。しかし不用意なアタックを避けたいソウダル・クイックステップがこれに反応、逃げ集団の先頭でペースを上げアタックをしにくい状況を作りつつ、逃げを数を削っていく。

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そしてポエルスが勾配がきついセクションでアタックを決めると、集団は逃げ分断されていく。レナート・ファン・イートヴェルト(ロット・デスティニー)、ペラヨ・サンチェス(ブルゴスBH)、総合から脱落したマルコ・ソレル(UAEチームエミレーツ)、そしてエヴァネポエルが先頭5人を形成すると、その背後でも猛追する一団が迫る。しかし先頭に出た5人は協調、綺麗なローテーションを組み徐々に突き放していく。

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そのままゴールスプリント勝負へともつれ込むが、最後尾にいたポエルスは一瞬の隙を見逃さなかった。駆け引きを始めるメンバーに対し、最後尾でじっくりと機を伺うと、前方がクリアとなる。スプリント力のないポエルスにとってはロングスパートが唯一の商機という中で、コースの視野が開くとともにその先がすぐにコーナーという条件がこれ以上ないものとなる。一気に先頭に躍り出たポエルスに対し、エヴァネポエルはすぐに反応するが、コーナーにはいる瞬間サンチェスが横にいたことで一瞬ともいえない間ではあったが、ポエルスとの差が一気に広がってしまう。ここからエヴァネポエルは必死のスプリントでポエルスを追いつめるが、わずかに届かずステージ2位に終わった。あのコーナーがなければエヴァネポエルん逆転はあったかもしれない。
そしてその背後では総合4位をめぐる動きが活性化するが、無駄な労力を使いたくないユンボ・ヴィズマはログリッチが集団前方に出てこれをブロックするなど、クスの勝利に向けて着々とその準備が進められる。数ステージ前とは打って変わって、ヴィンゲガードとログリッチの手厚いアシストを受けクスは笑顔で二人と肩を組みゴール、明日ゴールで歴史的記録的瞬間が訪れるが、その前祝いとなった。
レムコ・エヴァネポエル(ステージ2位):「やられたよ。まさかだったよ。それもコーナー手前であれをやられたからね。虚を突かれたとはこのことだよ。ポエルスの攻撃は見事だったよ。」

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セップ・クス(総合1位):「今日はチームが完璧な仕事をこなしてくれたよ。メイン集団のコントロールから、最後はログリッチとヴィンゲガードが僕を守ってくれた。山岳ステージでまだゴールしていないのに、2人を横にしてこんなにも安堵感を覚えたことはなかったよ。本当に最高にかっこいい瞬間だったよ。」
ヨナス・ヴィンゲガード(総合2位):「色々な憶測が立ったことは知っているし、それは自然なことで悪いことじゃない。要はチーム内できちんと話し合いができていて、それに沿ってレースを展開できているかだけのことだよ。もちろん内輪は一枚岩ではない、でもそれでも納得して皆で同じ目標のほうを向けるかだよ。僕らはお金の為にレースをしているわけではない、レースが好きだから走り続けるんだよ。そして一番大事なのは、我々がプロであり、そして親友でもあり仲間のクスがブエルタの頂点に立つという事だよ。」
ブエルタ・エ・エスパーニャ第20ステージダイジェスト
https://youtu.be/vexPnlTH5q0?si=Tsia0ub78Oa_z-US
ブエルタ・ア・エスパーニャ第20ステージ順位
1位 ワウト・ポエルス(バーレーン・ヴィクトリアス) 4h59’29”
2位 レムコ・エヴァネポエル(ソウダル・クイックステップ)
3位 ペラヨ・サンチェス(ブルゴスBH)
4位 レナート・ファン・イートヴェルト(ロット・デスティニー)
5位 マルコ・ソレル(UAEチームエミレーツ) +04”
6位 ルイ・コスタ(インターマルシェ・サーカスワンティ) +26”
7位 アントニオ・チベリ(バーレーン・ヴィクトリアス)
8位 レナード・ケムナ(ボーラ・ハンスグロエ)
9位 ロメイン・バルデ(チームDSMフィルメニッヒ)
10位 エイナー・ルビオ(モビスター)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 セップ・クス(ユンボ・ヴィズマ) 74h23’42”
2位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) +17”
3位 プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ) +1’08”
4位 ホァン・アユソ(UAEチームエミレーツ) +3’44”
5位 ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス) +4’03”
6位 エンリック・マス(モビスター) +4’14”
7位 キアン・アイデブルックス(ボーラ・ハンスグロエ) +8’19”
8位 アレクサンダー・ヴラソフ(ボーラ・ハンスグロエ) +8’26”
9位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ) +10’08”
10位 サンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス) +12’04”
H.Moulinette
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