ブエルタ・ア・エスパーニャ2023第18st:レースを盛り上げるのは俺だ!エヴァネポエルがまたしても大逃げを決めて山岳賞ジャージ確定とステージ勝利!ユンボ・ヴィズマはクスで総合優勝確定的(ダイジェストあり)


©La Vuelta
総合争いを自らの不調で水を差してしまった、そう責任を感じているレムコ・エヴァネポエル(ソウダル・クイックステップ)は気持ちを切り替え、あのバッドデイの翌日から走り続けている。無謀ともいえる飛び出しからの逃げ切り勝利を狙い、その過程で獲得した山岳賞ジャージを守り抜くためにさらに逃げるという圧倒的なパフォーマンスを連日用のに見せ、ユンボ・ヴィズマが主役となった今大会で、ステージごとの主演を何度も奪って見せた。そしてこの第18ステージの山岳でもまたしても飛び出しで逃げ続け、最後は独走勝利を決めて今大会3勝目、山岳賞も完走さえすれば決定という確定的な状況として見せた。
そして総合ではユンボ・ヴィズマがセップ・クス(ユンボ・ヴィズマ)で総合優勝を狙うのが確定的となった。この日も総合トップ3のクス、ヨナス・ヴィンゲガード、プリモズ・ログリッチの3人がライバルチームのエース格らとゴール勝負を演じたが、エンリック・マス(モビスター)やホァン・アユソ(UAEチームエミレーツ)らの動きに反応したクスに対し、ヴィンゲガードがその対応方法にアドバイスをするなど、総合リーダーの座を守る走りへのアドバイスをしたことからも、チームメイトとしてクスの総合をアシストする姿勢を鮮明にした。自らの総合優勝への思いをちらつかせていたログリッチも、ここへきてクスの総合を守る走りとなり、ようやくチームとしての本命が見える形となった。

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179㎞の山岳バトルは、まだステージ勝利をつかめていない選手たちにとってはうってつけの逃げ切り勝利が狙えるコース、しかしそれは同時にある程度山岳をこなせるという前提が必要となる。そんなステージはこの日もエヴァネポエルがスタート直後から動きを見せ、それに便乗したい選手たちが反応する。するとダミアーノ・カルーソ(バーレーン・ヴィクトリアス) 、ニコ・デンツ(ボーラ・ハンスグロエ)らも加わった強力な14名の逃げがこの日のペースメーカーとなった。
総合争いに何ら影響のないメンバーが逃げたことで、ユンボ・ヴィズマやUAEチームエミレーツらはこの逃げを容認、そのタイム差はグングンと広がっていき、ステージ序盤で6分台まで広がると、そこからさらに広がっていき中盤の山岳では早くも10分台へと広がる。さすがにそこから大きく広がることなくレースは推移していくが、逃げのメンバーによる勝利は早くも濃厚となり始める。

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人数が減った逃げはそのまま快走、そして残り30㎞を切りエヴァネポエルがアタックを決めると、ここから何とゴールまでの独走を始める。難関山岳ステージの頂上ゴールで、長距離の単独逃げという大博打だがた、そもそも総合優勝を狙っていた実力ある選手にとっては、これは不可能なタスクではなかった。そのままゴールまで見事逃げ切ると、コールでは胸の前で手でOのマークを作ってのゴール、妻へと捧げる勝利で見事な3勝目を飾った。

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そのはるか背後の総合勢による争いでは、最後の頂上バトルへ向け、一つでも総合順位を上げたい各チームの思惑がぶつかる。この日も動いたのはバーレーン・ヴィクトリアス、総合5位のミケル・ランダの総合4位ジャンプアップを狙い積極的にワウト・ポエルス(バ-レーン・ヴィクトリアス)がペースを上げる。これで大きく人数を減らしていった総合系集団はさらに数を減らし、最終的にはクス。ログリッチ、ヴィンゲガード、ホァン・アユソ(UAEチームエミレーツ)、エンリック・マス(モビスター)、ランダへと絞られた。アユソとマスが最後まで加減速を繰り返す中、クスはそれに冷静に対応、体に染み付いた普段のアシストの動きをしようとしたことに対し、ヴィンゲガードに諭されるシーンもあった。大差なく6人はゴール、これで今大会の山頂ゴールは終わり、総合上位争いはほぼ決したと言っても過言ではないだろう。

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レムコ・エヴァネポエル(ステージ1位):「3勝目を挙げたらその時は合図をして勝利を私に捧げろ、と嫁に言われていたんだよ。だからそのOマークだったんだよ。今日も勝利したステージのように足が回っていたんで、無駄なく自分のペースで勝利までこぎつけたんだ。これで山岳賞ポイントも荒稼ぎできたし、総合争いを失ってモチベーションを切り替えたことが功を奏したよ。これでステージ3勝、上出来のブエルタだったと言えるよ。」
セップ・クス(総合1位):「今日はチームメイトたちが完璧な仕事をしてくれたことに感謝だよ。差最後のほうはヴィンゲガードが牽引してくれたんだけど、彼のペースはいつも早いので、内心焦っていたんだけど、僕に合わせてくれて最高に走りやすかったよ。チーム、そしてログリッチとヴィンゲガードと3人で、今日は防御的な走りにすると決めていたんだよ。これで総合を守れたし、後は第20ステージのパンチャー向けのステージを注意していくよ。ああいうステージは要注意だからね。」
セップ・クス(総合2位):「今までクスのおかげで僕らは勝てて来たんだから、その恩をきちんとした形でいまはしめしていくよ。」
プリモズ・ログリッチ(総合3位):「もちろん僕には僕の考え方はあるよ。でも今はクスの勝利の為にチームとして動く、これが答えだよ。」
ブエルタ・エ・エスパーニャ第18ステージダイジェスト
https://youtu.be/eXITMI5qBAk?si=MfmYD-3SSiUjMJ3A
ブエルタ・ア・エスパーニャ第18ステージ順位
1位 レムコ・エヴァネポエル(ソウダル・クイックステップ) 4h47’37”
2位 ダミアーノ・カルーソ(バーレーン・ヴィクトリアス) +4’44”
3位 アンドレアス・クロン(ロット・デスティニー) +5’10”
4位 マックス・プール(チームDSMフィルメニッヒ) +5’12”
5位 ポール・オウセリン(ダイレクトエナジーズ) +5’17”
6位 ジュリアン・バーナード(リドル・トレック) +6’11”
7位 イーガン・ベルナル(イネオス・グレナディアス) +7’01”
8位 ホァン・アユソ(UAEチームエミレーツ) +9’29”
9位 エンリック・マス(モビスター)
10位 セップ・クス(ユンボ・ヴィズマ)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 セップ・クス(ユンボ・ヴィズマ) 65h31’27”
2位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) +17”
3位 プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ) +1’08”
4位 ホァン・アユソ(UAEチームエミレーツ) +4’00”
5位 ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス) +4’19”
6位 エンリック・マス(モビスター) +4’30”
7位 キアン・アイデブルックス(ボーラ・ハンスグロエ) +7’37”
8位 アレクサンダー・ヴラソフ(ボーラ・ハンスグロエ) +8’35”
9位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ) +10’20”
10位 サンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス) +12’20”
H.Moulinette
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