ツール・ド・フランス2023第21st:ヴィンゲガードが総合優勝で大会連覇!ポガチャルは今年も屈する、チッコーネが山岳賞、フィリップセンがポイント賞、最終ステージはミーウスが制す(ダイジェストあり)


©ASO
2強と言ってもいい展開だった。昨年同様にヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ)とタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)が他の選手たちからは頭一つ以上突き抜けたレベルでの激しいしいバトルを繰り広げ、総合優勝を競い合った。そして今年も総合優勝を果たしたのはヴィンゲガード、これで大会連覇となった。

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しかし昨年とは違い、今年は大会前にポガチャルが骨折してギリギリでの参加となったことが、最後まで影響したように思われた。本来の調子まで上がらないままに、それでも全開で挑んだポガチャルだったが、個人TTでの完敗で緊張の糸が切れ、よく山岳ステージで失速も、最後は気持ちを切り替え第20ステージでステージ優勝をきっちりと上げるあたり、さすがと言わざるを得ない。総合では2位に終わったが、しっかりと新人賞ジャージは確保して見せた。
しかしやはりさすがと言えるのがヴィンゲガード、どの選手でも必ず一日はあると言われるバッドデー、3週間の長丁場で調子を落としてしまう日が無いに等しいと言える。昨年も今年も、悪くても苦しい表情を見せずにそれなりにまとめ上げてしまう能力、そして勝負所で顔色一つ変えず仕留める能力は、まさにサイレントアサシン(静かなる暗殺者)のあだ名にふさわしいと言えるだろう。
総合3位には、ポガチャルをアシストし続けたアダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ)が入った。チームとしては表彰台の2角を確保、総合優勝は逃したが結果は残した。アダム・イェーツ、ポガチャルともにステージ優勝も挙げ、まずまずの結果と言えるが、決して満足はしていないだろう。

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山岳賞ジャージも激しいバトルが繰り広げられた。元来総合優勝争いをする選手がそのまま獲得することが多いが、この大会では前半はニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト)、後半はギウリオ・チッコーネ(リドル・トレック)と総合ではなくこのジャージを明確にならった選手がキープし続け、そして最後の山岳ステージでも山岳ポイントを稼いだチッコーネが価値ある山岳賞ジャージを確定させた。
ポイント賞は大きな差がついた。今大会絶好調のヤスパー・フィリップセン(アルペシン・ドゥクーニンク)がスプリントステージをことごとく制しステージ4勝、そして各ステージでも中間スプリントなどを積み重ねた結果、早々とジャージを確定的にしていた。対抗馬となりうるはずのスプリンターたちが実際にはなかなか勝負できず、一方的な展開となった感は否めない。でそれほどまでに今大会のフィリップセンの速さは際立っていた。

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しかし最終ステージでフィリップセンを倒して制したのはヨルディ・ミーウス(ボーラ・ハンスグロエ)、4人が横一線となり、写真判定となったきわどい勝負を力でねじ伏せ見事チームに今大会2勝目をもたらした。

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そしてチーム総合はユンボ・ヴィズマが獲得、今大会でもその組織力を見せつけただけではなく、それぞれの選手がきっちりと結果を残した。
総合敢闘賞はヴィクトル・カンペナールツ(ロット・デスティニー)、最終週に際立った独走力を何度となく披露、衰え知らずなベテランが素晴らしいパワーを見せてくれた。
ヨルディ・ミーウス(ステージ1位):「今日は完璧だったよ。調子が良かったし、脚が良く回ったよ。ペデルセンをリードアウトにしてうまくスプリントができたよ。最終ステージを制することができたのは本当に特別なことだよ。」
ヨナス・ヴィンゲガード(総合1位):「連覇は嬉しいね。こんな観衆の中で勝利を祝えるなんて最高の気分だよ。あっという間の3週間だったよ。ポガチャルとの一騎打ちは本当に楽しかったよ。できれば来年もここへ帰ってきて3連覇を狙いたいね。
タデイ・ポガチャル(総合2位):「今年限りで新人賞とはお別れだね。いつかはそんな日が来ると思っていたよ。もう僕は若くないという事だね。最高の時代だね。これもロードレース、純粋にその一瞬一瞬を楽しまないとね。」

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ツール・ド・フランス第21ステージダイジェスト
ASO 公式ダイジェスト https://youtu.be/NnmQ9xSXv3I
ツール・ド・フランス第21ステージ
1位 ヨルディ・ミーウス(ボーラ・ハンスグロエ) 2h56’13”
2位 ヤスパー・フィリップセン(アルペシン・ドゥクーニンク)
3位 ディラン・グローネウェーヘン(ジェイコ・アルーラ)
4位 マッズ・ペデルセン(リドル・トレック)
5位 ケース・ボル(アスタナ・カザフスタン)
6位 ビニアム・ギルメイ)(インターマルシェ・サーカス・ワンティ)
7位 ブライアン・コカード(コフィディス)
8位 ソレン・ワレンショルト(UNO-Xプロサイクリング)
9位 コルビン・ストロング(イスラエル・プレミアテック)
10位 ルーカ・モッツアート(アルケア・サムシック)
ツール・ド・フランス総合順位
1位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) 82h05’42”
2位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) +7’29”
3位 アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ) +10’56”
4位 サイモン・イェーツ(ジェイコ・アルーラ) +12’23”
5位 カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアス) +13’17”
6位 ペッロ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス) +13’27”
7位 ジャイ・ヒンドリー(ボーラ・ハンスグロエ) +14’44”
8位 フェリックス・ガル(AG2Rシトロエン) +16’09”
9位 ダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ) +23’08”
10位 ギヨーム・マルタン(コフィディス) +26’30”
H.Moulinette
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