ツール・ド・フランス2023第20st:最後の山岳を制したのはポガチャル!笑顔で納得の勝利、クスとロドリゲスがステージ前半に落車で順位を下げる、チッコーネ山岳賞確定的(ダイジェストあり)


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戦う男は最後の最後まで妥協をしない。総合優勝が無くなったのであれば、ステージ勝利を目指していく、攻撃は最大の防御を貫き続けたタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)がようやく納得の表情を見せた。

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最終山岳ステージは総合勢による直接対決、順位の変動よりも維持と意地のぶつかり合いが最後まで続いた。そしてステージを制したのはポガチャル、ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ)都の山岳スプリント頂上対決を制してゴールラインで歓喜の咆哮をあげた。ステージ2位には今大会大躍進のフェリックス・ガルAG2Rシトロエン)がゴールライン直前でヴィンゲガードをかわして入った。
最後の山岳バトルは僅か133.5㎞のショートステージ、短いうえに山岳という事もあり、レースはいきなりのハイペースで始まる。逃げ切り容認の可能性と共に、総合順位で一つでも上を狙う走り、更には山岳賞争いという様々な思惑がレースを激しく揺さぶる。

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そんなステージは山岳賞ジャージのギウリオ・チッコーネ(リドル・トレック)が、ジャージ確定を目指して山岳ポイントを狙いに行く。チームメイトのマティアス・スケルモース(リドル・トレック)のアシストからまずは最初の1級山岳を先頭で通過していく。
そしてそのまま迎えた最初のダウンヒルセクションで、総合4位のカルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアス)が落車、その巻き添えとなったのが総合9位のセップ・クス(ユンボ・ヴィズマ)だった。2人とも顔や腕、脚から出血をしながら再スタートを切ったが、それぞれそのダメージは大きくメイン集団についていくことができなかった。

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この落車で緊張感の糸が切れた集団からここでアタックがかかる。チッコーネとスケルモースに加え、トム・ピドコック(イネオス・グレナディアス)、ティボー・ピノー(グルーパマFDJ)らが続く。ここからチッコーネはさらに山岳ポイントを積み重ね、ステージ後半で今大会の山岳賞を確定的なものとする。あとは今大会ゴールすれば山岳賞確定となったチッコーネは、ステージ中にもかかわらず激しいガッツポーズを見せた。
そして迎えた最後の山岳、今大会が最後のツール・ド・フランスとなるピノーが先頭で上りに入ると、沿道の観衆は大きな声援でこれを後押しする。しかし背後からピドコックらが迫り、更にその後ろからポガチャル、ヴィンゲガード、ガルがせまる。総合トップ10にいる3人のペースは速く、あっという間にピノーらは追いつかれそのまま置き去りにされる。

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そして先頭の3人に対しさらにサイモン・イェーツ(ジェイコ・アルーラ)とアダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ)が猛追を仕掛け合流を果たす。これでUAEは2名となり優位な状況で山頂ゴールへと向かう。最後はスプリント真っ向勝負になるが、ヴィンゲガードがポジション良く先行する。だがポガチャルもここから馬力あるスプリントを披露、そのままヴィンゲガードを振り切ってステージ勝利を確定させた。
前半の落車が影響し、ロドリゲスはこの日総合順位を落とし総合5位へ、クスは大きくタイムを失いトップ10から脱落し総合12位となった。

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タデイ・ポガチャル(ステージ1位、総合2位):「ようやく自分らしい走りができたよ。これからあと一週間ぐらいは行けるよ(笑)。まあもう終わりなんだけどね。チームは最高の仕事を最後までしてくれたよ。アダム・イェーツも今日リードアウトをするために先頭まで上がってきてくれて、あれで楽に勝負ができたよ。」
ヨナス・ヴィンゲガード(ステージ3位、総合1位):「本当にクレイジーな3週間だったよ。ツールを一度ならず弐℃までも制することができるのは本当に自分自身でも驚きしかないよ。今大会の思い出はとにかくチーム一丸となったこと、その一言に尽きるね。最終日も気を引き締めていくよ。」
ギウリオ・チッコーネ(山岳賞確定的):「チームが機能して、狙い通りのものを掴み取れたよ。本当に厳しいバトルだったよ。」
ツール・ド・フランス第20ステージダイジェスト
ASO 公式ダイジェスト https://youtu.be/fjs6i4HtmqA
ツール・ド・フランス第20ステージ
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) 3h27’18”
2位 フェリックス・ガル(AG2Rシトロエン)
3位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ)
4位 サイモン・イェーツ(ジェイコ・アルーラ)
5位 アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ) +07”
6位 ワーレン・バルギル(アルケア・サムシック) +33”
7位 ティボー・ピノー(グルーパマFDJ)
8位 ペッロ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス)
9位 トビアス・ヨハンセン(UNO-Xプロサイクリング) +50”
10位 ラファル・マイカ(UAEチームエミレーツ)
ツール・ド・フランス総合順位
1位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) 79h16’38”
2位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) +7’29”
3位 アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ) +10’56”
4位 サイモン・イェーツ(ジェイコ・アルーラ) +12’23”
5位 カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアス) +13’17”
6位 ペッロ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス) +13’27”
7位 ジャイ・ヒンドリー(ボーラ・ハンスグロエ) +14’44”
8位 フェリックス・ガル(AG2Rシトロエン) +16’09”
9位 ダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ) +23’08”
10位 ギヨーム・マルタン(コフィディス) +26’30”
H.Moulinette
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