ツール・ド・フランス2023第6st:ポガチャルが逆襲!ヴィンゲガードを振り切りステージ優勝とタイム挽回!ユンボ・ヴィズマはチームワーク抜群もこの力に屈す!ヒンドリーは踏ん張り総合3位(ダイジェストあり)


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グランツールでは激しい総合のバトルは大会後半の山岳で発生するのが通例だったが、攻撃は最大の防御を信条とするタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)が台頭してからは、序盤の山岳から総合争いが激しく展開されるようになった。今大会も開幕ステージから繰り返された総合優勝をめぐるバトルは、昨日の第5ステージに続き、名物トゥールマレー峠を擁するこの第6ステージでも激しく動くこととなった。

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そしてその中心にいたのはポガチャル、そしてその対抗馬のヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ)はチームを挙げての総攻撃を仕掛けたが、結果的に孤立させたはずのポガチャルの「個」の力に屈しステージ優勝争いでは昨日と真逆の形となった。ヴィンゲガードは総合首位こそ奪ったものの、昨日ポガチャルに対して積み上げた貯金を、わずか一日でその半分を吐き出し、僅か25秒差に迫られる結果となってしまった。昨日ステージ勝利を挙げ一気に総合首位に躍り出たジャイ・ヒンドリー(ボーラ・ハンスグロエ)はトゥールマレー峠で脱落も、そこから粘りの走りを見せタイムロスを食い止めたことで、総合3位まで後退はしたが総合優勝射程圏内に踏みとどまった。このステージでも多くの総合勢が脱落したことで、早くも総合トップ10争いは前半戦で絞られることとなった。
そんなステージは昨日同様に、ユンボ・ヴィズマが戦略的にワウト・ファン・アールト(ユンボ・ヴィズマ)を逃げに送り込む。20名の大所帯の逃げには、このひh UAEチームエミレーツも選手を送り込み、ここまでは互角の展開となった。更には山岳賞ジャージ奪還を目指すニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト)、ジュリアン・アラフィリップ(ソウダル・クイックステップ)、マシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・ドゥクーニンク)らかなり曲者が顔を揃えた。

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しかしこの日はあくまでも総合バトルの予感、何とか逃げから飛び出して昨日のヒンドリーのような勝利を狙う選手たちもいるが、この日もなかなか決定打がないままに逃げは入れ代わり立ち代わり先頭を変える。常にこの中心にいるのはファン・アールト、マッテオ・トレンティン(UAEチームエミレーツ)がポガチャルのためのアシストとして送り込まれていたが、アシストの格が違いすぎた。
そんな中メイン集団ではユンボ・ヴィズマがペースを上げライバルを蹴散らすと、残り50㎞以上を残し早くも勝負に出る。この段階でウィルコ・ケルデルマン、セップ・クス、ヴィンゲガードの3枚体制となったユンボ・ヴィズマに対し、それに即座に対応できたのはポガチャルとヒンドリーのみだった。しかし1㎞も持たずにヒンドリーが脱落、ここからマイペースでタイムロスを抑えることに専念せざるを得なくなった。

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ケルデルマンが離脱すると今度はすぐにクスがペースを上げる。そして間髪入れずに残り48㎞、トゥールマレー山頂から1.4㎞でヴィンゲガード仕掛ける。そのころ先頭では山頂を通過したファン・アールトが先頭を追わずにペースを落とし、満を持してヴィンゲガードのアシストへの準備を進める

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この頂上通過段階でヒンドリーはヴィンゲガードに対し2分近い遅れをとってしまい、バーチャルで総合首位を開けわたすこととなった。下りに入ってもヴィンゲガードは攻めに徹したが、ポガチャルを引き離すには至らなかった。そしてファン・アールトが合流すると、それ以外の逃げの残党もすべて吸収される。そして1級山岳の頂上ゴールへの上りに入ると、ヴィンゲガードとポガチャルの一騎打ちとなる。そして残り2.6㎞でヴィンゲガードのペースが上がらないのを見ると、ポガチャルが躊躇なくアタック、これに対しヴィンゲガードは全く動くことがなかった。徐々に広がっていくその差、最後はお辞儀のパフォーマンスでポガチャルが先着、ステージ勝利を手にするとともに、総合リーダーのヴィンゲガードに対し僅か25秒差まで迫った。

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ヴィンゲガードは顔色変えずゴール、しかしこの日のユンボ・ヴィズマの完璧な組織的攻撃は、圧倒的なポガチャルの「個」の力にねじ伏せられてしまった。また通常ならずるずると差が開きそうなヒンドリーも、トゥールマレー峠での遅れから差を広げさせることなくステージ6位でゴール、総合優勝争いに踏みとどまって見せた。この日総合で大きくタイムを落としたのは、ギウリオ・チッコーネとマティアス・スケルモースのリドルトレック勢だった。

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タデイ・ポガチャル(ステージ1位、総合1位):「まだ昨日の借りを返した、とまではいかないよ。でも正直走れたことにはほっとしてる。それにステージ勝利できたことは嬉しいよ。昨日のタイムロスがあって焦らないわけはないからね。正直トゥールマレー峠の展開で、”クソッ!昨日と一緒じゃん!”って内心思ったんだけど、ずっとついていけたんだよね。だから最後は自分の間合いで仕掛けることができたんだ。これから勝負に持ち込めるタイム差まで詰められてよかったよ。」
ヨナス・ヴィンゲガード((ステージ2位、総合2位):「このマイヨ・ジョーヌをまた手にすることができて本当にうれしいよ。ポガチャルがこうして復活してことぐらい織り込み済みだったよ。とはいえ2分差で総合リーダーになるほうが、今の25秒差よりも楽ではあるんだけどね。ただこうなった以上レースは面白くなっていくと思うよ。」
ツール・ド・フランス第6ステージダイジェスト
ASO 公式ダイジェスト https://youtu.be/pGIMtWNv9H8
ツール・ド・フランス第6ステージ
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) 3h54’27”
2位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) +24”
3位 トビアス・ヨハンセン(UNO-Xプロサイクリング) +1’22”
4位 ルーベン・ゲレーロ(モビスター) +2’06”
5位 ジェームス・シャウ(EFエデュケーション・イージー・ポスト) +2’15”
6位 ジャイ・ヒンドリー(ボーラ・ハンスグロエ) +2’39”
7位 カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアス)
8位 サイモン・イェーツ(ジェイコ・アルーラ)
9位 アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ) +3’11”
10位 ロメイン・バルデ(チームDSMフィルメニッヒ) +3’12”
ツール・ド・フランス総合順位
1位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) 26h10’44”
2位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) +25”
3位 ジャイ・ヒンドリー(ボーラ・ハンスグロエ) +1’34”
4位 サイモン・イェーツ(ジェイコ・アルーラ) +3’14”
5位 カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアス) +3’30”
6位 アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ) +3’40”
7位 ダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ) +4’03”
8位 ロメイン・バルデ(チームDSMフィルメニッヒ) +4”43”
9位 トム・ピドコック(イネオス・グレナディアス)
10位 セップ・クス(ユンボ・ヴィズマ) +5’28”
H.Moulinette
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