ツール・ド・フランス2023第2st.:残り1㎞以内で絶妙の飛び出しを見せたラフェイがコフィディスに15年ぶりのツール勝利をもたらす!総合勢はこの日も激しく動き脱落者続出(ダイジェストあり)


©ASO
勝負というのは本当に紙一重、一瞬の隙とその間隙を縫う絶妙のタイミングを仕留めきれるかが天と地ほどの差をもたらすのだ。勝者か敗者、そのどちらしかない勝負の世界で、残り1㎞を切り激しいアタックの応酬が一瞬落ち着いたタイミングを見逃さなかったヴィクトル・ラフェイ(コフィディス)が鮮やかにそのままゴールまで逃げ切り、コフィディスにチームとして15年ぶりのツール・ド・フランス勝利をもたらした。ラフェイにとってのプロ4勝目は、総合勢を従えての豪華な勝利となった。

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その総合争いはこの日も大きく動くこととなった。後半最後の山岳でのボーナスタイムを狙い、UAEチームエミレーツがこの日もライバル削りの鬼引きを敢行、この日はティボー・ピノー(グルーパマFDJ)、ベン・オコナー(AG2Rシトロエン)らが犠牲となった。総合リーダーのアダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ)はエースのタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)のアシストをしながらも最後まで走り切り総合首位をキープ、そしてポガチャルもステージ3位と山岳トップ通過でボーナスタイムを獲得するなど好調さを見せている。
その最大ライバルのヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ)をアシストしていたワウト・ファン・アールト(ユンボ・ヴィズマ)はそのアシストをきちんとこなしたが、最後の最後でタイミングを逸し勝利を逃し悔しさをにじませてハンドルバーを叩いた。

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この日のステージはスタート直後から、山岳賞ジャージを着用するニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト)、エドヴァルド・ボアッソン・ハーゲン(トータルエナジーズ)、レミ・カヴァニャ(ソウダル・クイックステップ)の逃げから始まった。エースのリチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト)刈り大したチームにとっては、パウレスの山岳賞も新たなモチベーションであり、パウレスはこの日最後まで逃げ続け山岳賞ジャージを守り抜くとともに、この日の敢闘賞も獲得した。

©Jumbo Visma
この日も総合勢が積極に動き、UAEチームエミレーツの牽引で初日同様にどんどんと選手が減らされていく。そしてこの日最後の山岳ポイントではサイモン・イェーツ(ジェイコ・アルーラ)のアタックを号砲に、ポガチャルとヴィンゲガードがボーナスタイムを狙い真っ向勝負、これによりメイン集団の人数はさらに削られていく。生き残った中には、「いずれはツール・ド・フランスの総合優勝を狙いたい」と豪語するMTBオリンピック金メダリストのトム・ピドコック(イネオス・グレナディアス)もおり、ステージ勝負を目指しアタックをするがこれはファン・アールトに封じ込められてしまう。実はピドコックはこの時点でコースに巻かれた画鋲でスローパンクをしていたが、そのままシクロクロッサーならではのボディーバランスでゴールまで乗り切った。
ここで残り1㎞を切り、ファン・アールトでの勝利を狙うユンボ・ヴィズマはアシストを先頭に行かせ盤石な体制を気付いたかに思われた。それを集団最後尾から一気に加速していったラフェイのあまりの勢いに、ライバルたちは追走を躊躇してしまう。それによりラフェイは一気に後続との差を広げ、そのまま追いすがるファン・アールトとポガチャルを振り切りステージ勝利を挙げて見せた。

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ヴィクトル・ラフェイ(ステージ1位、総合4位):「ゴールまでの残り距離を見ながら自分の中でカウントダウンをしていたんだよ。あとユンボとUAEがやり合っていたので、仕掛けるなら最後の最後と割り切っていたんだ。そこまで2チームが削り合ってくれたおかげで、僕は体力の温存ができていたからね。」
タデイ・ポガチャル(ステージ3位、総合2位):今日は山岳ポイントを取って、ゴール勝負で勝つつもりだったんだ。でも結果オーライ、これからの数日は僕らの出番はあまりないだろうから脚を休めておくよ。日々よくなっているけど、手首は痛むね。」
ツール・ド・フランス第2ステージダイジェスト
ASO 公式ダイジェスト https://youtu.be/HJyc36WVVc4
ツール・ド・フランス第2ステージ
1位 ヴィクトル・ラフェイ(コフィディス) 4h46’39”
2位 ワウト・ファン・アールト(ユンボ・ヴィズマ)
3位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)
4位 トム・ピドコック(イネオス・グレナディアス)
5位 ペッロ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス)
6位 マティアス・スケルモース(リドル・トレック)
7位 マイケル・ウッズ(イスラエル・プレミアテック)
8位 ロメイン・バルデ(チームDSMフィルメニッヒ)
9位 ディラン・テウンス(イスラエル・プレミアテック)
10位 ジャイ・ヒンドリー(ボーラ・ハンスグロエ)
ツール・ド・フランス総合順位
1位 アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ) 9h09’18”
2位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) +06”
3位 サイモン・イェーツ(ジェイコ・アルーラ)
4位 ヴィクトル・ラフェイ(コフィディス) +12”
5位 ワウト・ファン・アールト(ユンボ・ヴィズマ) +16”
6位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) +17”
7位 マイケル・ウッズ(イスラエル・プレミアテック) +22”
8位 マティアス・スケルモース(リドル・トレック)
9位 ジャイ・ヒンドリー(ボーラ・ハンスグロエ)
10位 ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス)
H.Moulinette
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