クリテリウム・ド・ドーフィネ2023第1~4ステージ:ツール前哨戦にヴィンゲガード出走、ラポルトが2勝、アラフィリップも勝利、個人TTでヴィンゲガードは早くも総合優勝へ向け有利な展開に
ツール・ド・フランス前哨戦のクリテリウム・ド・ドーフィネが開幕した。前半4ステージを終え、クリストフ・ラポルト(ユンボ・ヴィズマ)がが2勝と絶好調だ。そしてジュリアン・アラフィリップ(ソウダル・クイックステップ)もステージ優勝を挙げ、完全復活の兆しが見えた。そして個人TTではミケル・ビョルグ(UAEチームエミレーツ)が素晴らしい走りを披露、それと同時にステージ2位にはヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ)が入り、総合優勝へ向けライバルたちに早くも大きなアドバンテージを稼ぎ出した。
第1ステージ
逃げ続けたルネ・ヘレゴッツ(インターマルシェ・サーカス・ワンティ)にとっては千載一遇のチャンスだった。しかしその夢は儚くも猛追してきたメイン集団によってゴール前数メートルで飲み込まれてしまった。ユンボ・ヴィズマに移籍以降エース格ともいえる強さを発揮しているクリストフ・ラポルテ(ユンボ・ヴィズマ)は、春先のクラシックレースでの2勝に続き、主要ステージレースのオープニングステージでもその強さを遺憾なく発揮、スプリンターのマッテオ・トレンティン(UAEチームエミレーツ)を振り切り開幕ステージ勝利を挙げた。
ユンボ・ヴィズマとしては総合系エースのヨナス・ヴィンゲガードでの総合優勝を狙っているが、そのヴィンゲガードが見事なアシストで、間一髪の勝利を演出して見せた。チーム力と総合力を兼ね備えたチームの強さはここでも健在だった。
クリテリウム・ド・ドーフィネ第1ステージ順位
1位 クリストフ・ラポルテ(ユンボ・ヴィズマ) 3h43’30”
2位 マッテオ・トレンティン(UAEチームエミレーツ)
3位 ルネ・ヘレゴッツ(インターマルシェ・サーカス・ワンティ)
4位 アクセル・ジングル(コフィディス)
5位 マクシム・ファン・ギルス(ロット・デスティニー)
第2ステージ
ロードレースが最も似合う男、ジュリアン・アラフィリップ(ソウダル・クイックステップ)が復活の勝利を挙げた。今まで多くの勝利を挙げてきたが、若手の台頭に加え不運も重なり勝てない日々が続いていたが、なんとこの勝利がワールドツアーレースでは14か月ぶりの勝利となった。
この日は勝利を狙っていたわけではなかった。チームメイトのイーサン・ヴァーノン(ソウダル・クイックステップ)で狙う予定だったが、ハードなコースについていけず脱落、さらに代わりにフロリアン・セネシャル(ソウダル・クイックステップ)にエースを変えて挑もうとしたが残り1㎞で力尽き、代わりに勝利を狙いに行ったアラフィリップが勝利をつかんだ。これぞ千両役者、元世界チャンピオンの底力は予想以上だった。
クリテリウム・ド・ドーフィネ第2ステージ順位
1位 ジュリアン・アラフィリップ(ソウダル・クイックステップ) 3h54’53”
2位 リチャード・カラパズ(EFエデュケーション・イージーポスト)
3位 ナタナエル・テスファツィオン(トレック・セガフレド)
4位 クリストフ・ラポルテ(ユンボ・ヴィズマ)
5位 マクシム・ファン・ギルス(ロット・デスティニー)
第3ステージ
昨日の勝者、ジュリアン・アラフィリップ(ソウダル・クイックステップ)にとっては最悪の一日となった。ステージ連勝を狙い中間スプリントを狙うも、クリストフ・ラポルテ(ユンボ・ヴィズマ)に奪われ、更には残り48㎞で落車、残り7㎞でバイク交換とツキに見放されたステージとなった。そんなステージを制したのはオープニングステージを制したラポルテ、サム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ)とディラン・グローネウェーヘン(ジェイコ・アルーラ)を交わして見事なステージ2勝目を挙げた。
お互い潰しあう形となったベネットとグローネウェーヘンの二人はそれぞれ斜行と妨害行為で失格となり、トレンティンが繰り上がりで開幕ステージに続いてのステージ2位、メンテンが3位に繰り上がった。
クリテリウム・ド・ドーフィネ第3ステージ順位
1位 クリストフ・ラポルテ(ユンボ・ヴィズマ) 4h43’28”
2位 マッテオ・トレンティン(UAEチームエミレーツ)
3位 ミラン・メンテン(ロット・デスティニー)
4位 ユーゴ・ホフステッター(アルケア・サムシック)
5位 マテフ・ゴベカール(UAEチームエミレーツ)
第4ステージ
31.1㎞の個人TTは総合を占ううえで重要なステージとなった。鮮やかな走りを見せたのはミケル・ビョルグ(UAEチームエミレーツ)、後半に伸びを見せトップタイムをたたき出し見事ステージ優勝を挙げるとともに総合リーダーにも躍り出た。その総合争いではヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ)がステージ2位で総合でも2位にジャンプアップを果たした。総合でライバルとなりうる数名が辛うじて1分以内にゴール、それ以外の選手たちには1分以上の差をつけてのパフォーマンスを見せ、ツール・ド・フランスへ向けかなり順調な仕上がりと言えそうだ。
クリテリウム・ド・ドーフィネ第4ステージ順位
1位 ミケル・ビョルグ(UAEチームエミレーツ) 12h59’19”
2位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) +12”
3位 レミ・カバニャ(ソウダル・クイックステップ) +27”
4位 フレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス) +34”
5位 ベン・オコナー(AG2Rシトロエン) +41”
第4ステージ終了時総合順位
1位 ミケル・ビョルグ(UAEチームエミレーツ) 37’28”
2位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) +12”
3位 フレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス) +34”
4位 ベン・オコナー(AG2Rシトロエン) +41”
5位 フェリックス・グロスシャルトナー(ボーラ・ハンスグロエ) +44”
H.Moulinette