ジロ・デ・イタリア2023第12ステージ(ダイジェスト動画あり):逃げ集団から飛び出した小集団スプリントを制したのはデンツ!総合勢は翌日の山岳に向け脚休めの一日


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荒れた展開の翌日は、得てして静かなものになることが多い。そのためか逃げ切りが決まる可能性も多く、普段以上の大所帯の逃げになることがしばしばある。昨日のステージで多くの総合系の選手たちが落車などをしたこと、更には明日には本格的な山岳ステージが控えていることからも、総合に影響のない逃げに対しては、メイン集団は寛容になるという憶測の下、この日は早々と逃げ集団によるステージ優勝争いが決定的となった。そんなステージを制したのは、逃げ集団からさらに飛び出したニコ・デンツ(ボーラ・ハンスグロエ)、3人でのスプリントでトム・スクインス(トレック・セガフレド)とセバスチャン・バーウィック(イスラエル・プレミアテック)を圧倒、大金星を挙げた。

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185㎞のこのステージ、総合リーダーのゲラント・トーマス擁するイネオス・グレナディアスが逃げに対しての反応をせず、選手たちにアタックを仕掛けることを容認したことで、大逃げが発生する。徐々に飛び出して言った選手たちは、最終的に30名にまで膨れ上がった。大きすぎる逃げは時に協調性をなくしペースが上がらないこともあり、この日の逃げも後続のメイン集団との差は大きくは開かないままに3分ほどで推移する。

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するとステージ半ば、95㎞で逃げから5人が飛び出していく。スクインスを行かせるためチームワークで追走に蓋をしたトレック・セガフレド、それに合わせてデンツ、バーウィックに加え、アレッサンドロ・トネッリ(グリーンプロジェクト・バルディアー、二CSFファイザネ)、サミュエル・バティステッラ(アスタナ・カザフスタン)、はそのままぐんぐんと加速しあっという間にその差を広げていった。しかし間もなくしてバティステッラは体調不良で走行中に嘔吐、そのまま順位を下げていった。
逃げ集団の後方のメイン集団は補給ゾーンでは総合4位で未だに粘りの走りを続けるアンドレアス・レクネサンド(チームDSM)が落車をするも大事には至らず追走集団に復帰する。

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4人となった先頭集団は30㎞ほどの間に追走の逃げ集団との差を4分にまで広げる。ここでようやくこの集団でも更なる追走の動きが活性化するが、脚を温存したい面々、便乗したい面々など統一した走りができずに、ただアタックが散発的に繰り返され消耗していく。一時追走の3名が形成されるが、それも結局はまた追走集団に吸収されていった。その後トネッリが脱落し、先頭は3人でゴールを目指す。
デンツは一度は仕掛けるが、スクインスが対応し、それにバーウィックが追い付いてきた。そうなればもうスプリントでの直接対決となったが、ここでもデンツが圧倒的な力を見せスクインスもバーウィックもギブアップ、デンツにとっては人生最大の勝利を手にした。

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「実は今日は逃げに乗る予定はなかったんだ。だから一緒に逃げに乗ったコンラッドのために仕事ができればと思ったんだけど、逃げ集団の協調性がなく酷いありさまだったんだ。それで集団の先頭に出ていたら、気が付いたら後続との差が開いていたんで、これはもうやるしかない、って思ったんだ。正直最後はきつかったし限界だったけど、速度勝負となったことが幸いしたよ。天にも昇る思いだよ!」デンツは勝利を噛みしめた。
総合勢は大きな混乱なく走り切り、明日からのバトルに体力を温存する形となった。
ジロ・デ・イタリア第12ステージダイジェスト
ジロ・デ・イタリア第12ステージ順位
1位 ニコ・デンツ(ボーラ・ハンスグロエ) 4h18’11”
2位 トム・スクインス(トレック・セガフレド)
3位 セバスチャン・バーウィック(イスラエル・プレミアテック) +3”
4位 アレッサンドロ・トネッリ(グリーンプロジェクト・バルディアー、二CSFファイザネ) +58”
5位 マルコ・フリゴ(イスラエル・プレミアテック) +2’07”
6位 イラン・ファン・ワイルダー(ソウダル・クイックステップ) +2’20”
7位 アルベルト・ベッティオール(EFエデュケーション・イージーポスト)
8位 クリスチャン・スカローニ(アスタナ・カザフスタン)
9位 ミケル・ヘスマン(ユンボ・ヴィズマ)
10位 アレックス・バウディン(AG2Rシトロエン)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアス) 49h02’05”
2位 プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ) ∔02”
3位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ) ∔22”
4位 アンドレアス・レクネサンド(チームDSM) ∔35”
5位 ダミアーノ・カルーソ(バーレーン・ヴィクトリアス) ∔1’28”
6位 レナード・カムナ(ボーラ・ハンスグロエ) ∔1’52”
7位 エドワード・ダンバー(ジェイコ・アルーラ) ∔2’32”
8位 サイメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアス)
9位 ローレンス・デ・プラス(イネオス・グレナディアス) ∔2’36”
10位 オーレリアン・パレ・パントレ(AG2Rシトロエン) ∔2’48”
H.Moulinette
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