ドワース・ドア・フランデーレン2023:先日アールトに譲られて初メジャー勝利のラポルトが今度は文句なしのクラシック勝利!タイミングよくアタック仕掛け鮮やかに勝ち切りユンボ・ヴィズマ連勝
今シーズンのクラシックシーズンはユンボ・ヴィズマのためにあると言っても過言ではないだろう。ここまでのクラシックですでに4勝、このドワース・ドア・フランデーレンでクリストフ・ラポルト(ユンボ・ヴィズマ)がヘント・ウェベルヘムに引き続いて連勝したことで、4人の選手で合計5勝と、圧倒的な存在感を見せている。
ラポルトは昨年度もプリモズ・ログリッチ、ワウト・ファン・アールトとの1-2-3を達成するなど、アシストとしての実力のみならず、そのポテンシャルは高く評価されていた。今シーズン30歳を迎える中堅選手でありながら、ここへきてその頭角を現しており、先日のレースではファン・アールトに勝利を譲られ、それに対し”本当の実力ではない”などと言われたが、その外野の声を払しょくするかのようにこのレースでは見事に独走勝利、今回は文句なしのクラシック勝利を自分自身で掴み取った。
春のクラシック最大のレースの一つ、モニュメントと呼ばれる最高峰の一つ、ツアー・オブ・フランダース前最後のレースでは、終始ユンボ・ヴィズマの存在感が際立った。レースは中盤の残り66㎞、そして55㎞と立て続けにティス・ベノート(ユンボ・ヴィズマ)が先頭の4人の逃げを追うメイン集団でアタックを仕掛ける。これがきっかけとなりレースは一気に活性化していく。
残り36㎞には先頭の逃げを追う追走が一気に絞られ8名となる。この中にはラポルトとべノートの二人が入るが、昨年度までは常にクラシック主人公だったソウダル・クイックステップのエースジュリアン・アラフィリップが入れない。代わりにミケル・ホノレとニールソン・パウレスの二人をEFエデュケーション・イージーポストが送り込む。
しかし試合巧者はユンボ・ヴィズマだった。普段はラポルトの役割のアシストと陽動を担うが、この日はべノートがその役を務めた。べノート自身もクラシックのクールネ・ブリュッセル・クールネを制しており、ライバルチームとしてはべノートの動きにも警戒せざるを得ない。
先頭で最後まで逃げていたアレクサンダー・クリストフ(Uno-X)だったが、あっさりと吸収され、追走の小集団がメイン集団となって展開していく。残り6.5kmまでは協調体制で後続の集団との差を守り続けたが、ここへきてアタックが勃発、スプリント勝負を避けたい思惑から駆け引きが始まる。すると残り4㎞でラポルトがぬるぬると抜け出す。切れ味鋭いアタックではなかったが、これを誰も追走することなく見送ってしまう。これで勝負あり、今絶好調のラポルトにはスプリントに持ち込むことなく、独走の逃げ切り勝利を決めた。
「これで石畳のレースはうちが5戦5勝だね。これは簡単なことではないよ。今日も難しかったけど最高の結果になったね。今日は自分が積極的に動いて勝てたのはよかったと思うよ。」ラポルトはレース後にそう語った。
ドワース・ドア・フランデーレン2023順位
優勝 クリストフ・ラポルト(ユンボ・ヴィズマ) 4h6’20”
2位 ラスカル・オイエノ(モビスター) +15”
3位 ニールセン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト)
4位 ヤスパー・フィリップセン(アルペシン・ドゥクーニンク)
5位 マッズ・ペデルセン(トレック・セガフレド)
6位 アルノー・デ・リー(ロット・デスティニー)
7位 ダビデ・バレリー二(ソウダル・クイックステップ)
8位 アンドレア・パスカロン(バーレーン・ヴィクトリアス)
9位 ギヨーム・ボワバン(イスラエル・プレミアテック)
10位 ニルス・ポリット(ボーラ・ハンスグロエ)
H.Moulinette