パリ~ニース第5~8ステージ:ポガチャルが第7、第8ステージ連勝で今大会ステージ3勝と総合優勝、圧倒的なパフォーマンスで今年もグランツール制覇へ向け視界良好!
パリ~ニース後半戦、第7、第8ステージを攻めて制したタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)が最後まで今大会の主人公の座を明け渡すことはなかった。圧倒的なパフォーマンスと攻撃の姿勢を貫き続け、ライバルたちに対してこれ以上ないインパクトを残した。総合優勝の座を奪われたユンボ・ヴィズマだったが、大きな収穫もあった。オラフ・コーイ(ユンボ・ヴィズマ)がスプリンターとしての才能を大きく開花させ、ステージ勝利もあげた。総合系のイメージが強かったチームだが、今シーズンは多くの勝利を色々な形で上げるオールラウンドなチームへと変貌を遂げつつある。
第5ステージ:第1ステージで4位、第2ステージで2位に入ったオラフ・コーイ(ユンボ・ヴィズマ)が見事なスプリント勝利を挙げた。まだ21さいながら、昨年度もツール・ド・ポローニュなどで9勝を挙げた21歳の成長株は、今年も絶好調にその進化を続けて居る。今シーズンからよりメジャーなレースへの出場しており、その中で現在世界トップクラスのスプリンターたちを相手に、遺憾なくその実力を発揮している。
このステージでも先に仕掛けたマッズ・ペデルセン(トレック・セガフレド)の背後を冷静に撮ると、新天地で絶好調のティム・メリエール(ソウダル・クイックステップ)を抑えてステージ優勝を実力でもぎ取って見せた。「ステージ2位も嬉しいけど、結局勝負は勝つか負けるかだからね。」コーイは冷静かつストイックに勝利を求め続ける。
パリ~ニース第5ステージ順位
1位 オラフ・コーイ(ユンボ・ヴィズマ) 5h19’54”
2位 マッズ・ペデルセン(トレック・セガフレド)
3位 ティム・メリエール(ソウダル・クイックステップ)
4位 マッテオ・トレンティン(UAEチームエミレーツ)
5位 マックス・カンター(モビスター)
パリ~ニース総合順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) 17h14’52”
2位 ダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ) ∔06”
3位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) ∔44”
4位 サイモン・イェーツ(チーム・ジェイコ・アルーラ) ∔58”
5位 ジーノ・メイダー(バーレーン・ヴィクトリアス) ∔1’21”
第6ステージ:強風のためキャンセル
第7ステージ:今大会のクイーンステージを制したのは総合リーダーのタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)、最大ライバルと目され、グランツールでも好敵手のヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ)、さらには現在総合2位につけるダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ)と三つ巴の勝負を制して見せた。先に仕掛けたのは完璧なお膳立てをチームが行ったヴィンゲガード、しかし未だ本調子には程遠いヴィンゲガードは何度となく差をつけられては復帰するを繰り返す。対して、軽やかで力強いポガチャルは、それをあざ笑うかのようにタイミングを見て加速、そのまま独走で今大会2勝目、今シーズン早くも7勝目を挙げた。
これで総合でもライバルたちにさらに差をつけ、総合優勝をさらに手繰り寄せた。今大会でポガチャルが見せている走りは、王者というよりも挑戦者のそれに近く、積極的な攻めと攻撃のパターン、ライバルとの駆け引きなど、そのすべてがすでにグランツールでの戦いのリハーサル化のような走りだ。「今日はきつかったよ!」と話しながらも笑顔のポガチャルは、本当にレースそのものを楽しんでいる。
パリ~ニース第7ステージ順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) 3h56’08”
2位 ダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ) ∔02”
3位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) ∔6”
4位 サイモン・イェーツ(チーム・ジェイコ・アルーラ) ∔19”
5位 ニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト) ∔24”
パリ~ニース総合順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) 21h10’50”
2位 ダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ) ∔12”
3位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) ∔58”
4位 サイモン・イェーツ(チーム・ジェイコ・アルーラ) ∔1’27”
5位 ジーノ・メイダー(バーレーン・ヴィクトリアス) ∔1’59”
第8ステージ:昨日のステージ勝利で総合優勝を手繰り寄せた男は、最終日も容赦なく攻め続けた。総合リーダーのタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)はこの最終ステージでも最後の山頂で頂上まで4㎞のところでアタックをしトップ通過をすると、残り15㎞のニースまでのダウンヒルを独走、ゴールではお辞儀でゴールをするパフォーマンスを見せた。これにてポガチャル劇場終了、と言わんばかりの締めくくりで今大会ステージ3勝目を挙げるとともに、総合優勝も確定させた。
ステージ2位には意地を見せたヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ)が入り、3位には今大会躍動したダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ)が入り、総合2位を確定させた。ツール・ド・フランスをしゅみれーとともいえる今大会は、昨年度のツール覇者ヴィンゲガードを敗れたポガチャルが叩きのめすといった様相の結果となった。ヴィンゲガードはこれからどこまで調子を上げていけるかがポイントとなりそうだ。
パリ~ニース第8ステージ順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) 2h51’02”
2位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) ∔33”
3位 ダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ)
4位 サイモン・イェーツ(チーム・ジェイコ・アルーラ)
5位 マッテオ・ヨルゲンセン(モビスター)
パリ~ニース総合順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) 24h01’38”
2位 ダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ) ∔53”
3位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) ∔1’39”
4位 サイモン・イェーツ(チーム・ジェイコ・アルーラ) ∔2’14”
5位 ジーノ・メイダー(バーレーン・ヴィクトリアス) ∔2’56”
H.Moulinette