ティレーノ・アドリアティコ第1~4ステージ:ログリッチが総合優勝へ向け順調に第4ステージ優勝で総合2位、昨年ジロで開花したカムナが総合リーダーに

パリ~ニースが春のフランスステージレースの華であれば、イタリア春のステージレースの華はティレーノ・アドリアティコだ。今大会もグランツール覇者のプリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ)をはじめとする総合系の熱いバトルが繰り広げられている。ユンボ・ヴィズマはパリ~ニースをヨナス・ヴィンゲガードで、ティレーノ・アドリアティコをログリッチでというダブル総合優勝を狙っており、それを誰が止めるかに注目が集まる。このイタリアも対抗馬はUAEチームエミレーツ、ジョアオ・アルメイダ、アダム・イェーツ、ジョージ・ベネットら強力な布陣ががチャンスを伺う。そして中盤4ステージを終えて、総合リーダーの座はレナード・カムナ(ボーラ・ハンスグロエ)、昨年のジロ・デ・イタリアで躍動し、総合リーダージャージを3日間守った男が、今シーズンも好調だ。それにログリッチ、アルメイダが僅差で迫る展開となっている。

©Tirreno Adriatico
第1ステージ:雨により、スタート順も大きくその運命を左右したオープニングは個人TT、スペシャリストたちが初日の勝利と総合リーダージャージ奪取を目論み激しいタイムの削りあいを演じる。僅か11.5kmのショートコースで躍動したのは元個人TT世界チャンピオンで、現イタリア個人TTチャンピオンのフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス)、圧倒的なパフォーマンスでステージ2位のカムナに28秒もの大差をつけての勝利となった。ステージ勝利を狙ったワウト・ファン・アールト(ユンボ・ヴィズマ)だったが、不運にも雨の影響を受け、ステージ上位にさえ入れなかった。
ティレーノ・アドリアティコ第1ステージ順位
1位 フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス) 12’28”
2位 レナード・カムナ(ボーラ・ハンスグロエ) ∔28”
3位 マグナス・シェフィールド(イネオス・グレナディアス) ∔31”
4位 マイケル・ヘップバーン(チームジェイコ・アルーラ) ∔33”
5位 ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ) ∔34”
ティレーノ・アドリアティコ総合順位
1位 フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス) 12’28”
2位 レナード・カムナ(ボーラ・ハンスグロエ) ∔23”
3位 マグナス・シェフィールド(イネオス・グレナディアス) ∔31”
4位 マイケル・ヘップバーン(チームジェイコ・アルーラ) ∔33”
5位 ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ) ∔34”

©Tirreno Adriatico
第2ステージ:多くの強力スプリンターが名を連ねるこの大会、激しいスプリント勝負は僅差での決着となった。先行したフェエルナンド・ガヴィリア(モビスター)に対し、ヤスパー・フィリップセン(アルペシン・ドゥクーニンク)、そしてその背後からファビオ・ヤコブセン(ソウダル・クイックステップ)が飛び出すと、最後は横一線、僅差で勝利の女神はヤコブセンに微笑んだ。フィリップセンは2位、新天地でのヨーロッパでの勝利が欲しかったがヴィリアは3位に終わった。
「かなり僅差だったんじゃない、僕も写真判定の写真を見たいよ。」これで自身通算40勝目を挙げたヤコブセンは、拮抗した力勝負の末に今シーズン2勝目を挙げた。
ティレーノ・アドリアティコ第2ステージ順位
1位 ファビオ・ヤコブセン(ソウダル・クイックステップ) 5h06’33”
2位 ヤスパー・フィリップセン(アルペシン・ドゥクーニンク)
3位 フェエルナンド・ガヴィリア(モビスター)
4位 ビニアム・ギルメイ(インターマルシェ・サーカス・ワンティ)
5位 セバスチャン・モラーノ(UAEチームエミレーツ)
ティレーノ・アドリアティコ総合順位
1位 フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス) 5h19’01”
2位 レナード・カムナ(ボーラ・ハンスグロエ) ∔28”
3位 マグナス・シェフィールド(イネオス・グレナディアス) ∔31”
4位 ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ) ∔34”
5位 サイメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアス) ∔39”

©Tirreno Adriatico
第3ステージ:今大会は新旧のシクロクロス世界王者がそろい踏みとなっているが、その一人マシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・ドゥクーニンク)が完璧なお膳立てで、チームメイトのフィリップセンの勝利に貢献した。テクニカルなスプリントは選手を選び、ステージ2位にはフィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス)が入り、昨日はステージ4位のビニアム・ギルメイ(インターマルシェ・サーカス・ワンティ)がステージ3位に入った。カギとなったのは最終コーナーの立ち上がり、ファン・デル・ポエルの完璧なお膳立てでライバルチームは進路と勢いを失い、脚を残したまま勝利をフィリップセンに奪われた。フィリップセンは昨日逃した勝利を、きっちりこの日奪って見せた。
総合はこの日もガンナがキープ、ゴール前のテクニカルなコース設定に「イライラした」と話したが、もう一日総合リーダージャージを着用することとなった。
ティレーノ・アドリアティコ第3ステージ順位
1位 ヤスパー・フィリップセン(アルペシン・ドゥクーニンク) 5h19’08”
2位 フィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス)
3位 ビニアム・ギルメイ(インターマルシェ・サーカス・ワンティ)
4位 マッテオ・モシェッティ(Q36.5プロサイクリング)
5位 シモーネ・コンソーニ(コフィディス)
ティレーノ・アドリアティコ総合順位
1位 フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス) 10h38’09”
2位 レナード・カムナ(ボーラ・ハンスグロエ) ∔28”
3位 マグナス・シェフィールド(イネオス・グレナディアス) ∔31”
4位 ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ) ∔34”
5位 サイメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアス) ∔39”

©Tirreno Adriatico
第4ステージ:アップヒルゴールのこのステージは、総合系とパンチャー系の共演となった。残り3㎞以上を残し、集団を牽引していたトム・ピドコック(イネオス・グレナディアス)が下がっていく際に、シクロクロスで頂点を競い合っているワウト・ファン・アールト(ユンボ・ヴィズマ)が接触してしまい両者激しく落車してしまう。これでユンボ・ヴィズマはエースのログリッチでのステージ優勝に明確に切り替わる。残り2.5㎞で総合リーダーのガンナが脱落すると、総合で2位につけているカムナは踏ん張りどころとなる。
残り1㎞を切り先行したのはヒュー・カーシー(EFエデュケーション・イージーポスト)、さらにヴィクトル・ラフェイ(コフィディス)が仕掛けるが、ログリッチは冷静だった。ゴール前のコーナーを把握しているログリッチは、最終コーナーできっちり先頭に出ると、そのまま余裕の表情で勝利を決めた。ジュリアン・アラフィリップ(ソウダル・クイックステップ)は迫るも2位、アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ)が3位に入った。5秒遅れでゴールしたカムナはこれで総合リーダーに躍り出たが、ログリッチが6秒差の総合2位に迫っている。

©Tirreno Adriatico
ティレーノ・アドリアティコ第4ステージ順位
1位 プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ) 5h00’04”
2位 ジュリアン・アラフィリップ(ソウダル・クイックステップ)
3位 アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ)
4位 ウィルコ・ケルデルマン(ユンボ・ヴィズマ)
5位 タオ・ゲイガンハート(イネオス・グレナディアス)
ティレーノ・アドリアティコ総合順位
1位 レナード・カムナ(ボーラ・ハンスグロエ) 15h38’46”
2位 プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ) ∔06”
3位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ) ∔08”
4位 ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ) ∔13”
5位 ウィルコ・ケルデルマン(ユンボ・ヴィズマ) ∔15”
H.Moulinette
- クリックしてHPへ
- クリックしてHPへ
- クリックしてHPへ
- クリックしてHPへ
- クリックしてHPへ
- クリックしてHPへ
- クリックしてHPへ
- クリックしてHPへ
- クリックしてHPへ
- クリックしてHPへ
- クリックしてHPへ
- クリックしてHPへ