イル・ロンバルディア2022:エミリアの借りはここで返す!今シーズン最後のモニュメントを制したのはポガチャル、一週間前に敗北したマスにリベンジ勝利で大会連覇!(ダイジェスト動画あり)


©Il Lombardia
今シーズン最後のクラシック最高峰のモニュメント、イル・ロンバルディア、落ち葉のクラシックとも呼ばれ、シーズン最終盤を締めくくる豪華な顔ぶれが秋のイタリアを駆け抜けた。今やロードレース界の顔となりつつあるタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)を筆頭に、今年のツール・ド・フランスを制したヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ)ら若手トップクラスの選手たちに加え、今シーズン限りでレース引退をするヴィンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ・カザフスタン)、アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)と言ったベテラン勢も顔を揃えた。一時代を築いたレジェンドたちにとっては最後のビッグレース、沿道の観衆たちはそんな最後の雄姿に惜しみない声援を送った。

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そんなレースは、先週のジロ・デ・エミリアではエンリック・マス(モビスター)に力負けしたポガチャルだったが、このレースでも主役はマスとポガチャルの二人に絞られた。何度となくアタックを仕掛けるマスだったが、ポガチャルは余裕の表情で対応し続ける。その二人に何度となく遅れては追いつくを繰り返したミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス)だったが、余裕のある二人の勝負の前では、その仕掛けるタイミングの目安代わりに使われてしまった。本来スプリントに持ち込みたくなかったマスだったが、結局上りセクションでは差がつかず、残り150mでマスが先に仕掛けたが、ポガチャルに軍配が上がった。これでポガチャルは大会連覇、若き王者がさらに勝利の勲章を積み重ねた。ランダは3位、チームに貴重なポイントをもたらしている。

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最後のレースとなったニーバリとバルベルデだったが、2人とも残り30㎞を切って小さくなったメイン集団にしっかりと生き残ると、ニーバリはその後脱落したがバルベルデは相変わらずのしたたかな走りで小集団で走り切り、ゴールまではスプリントで先頭を取り6位で大会を終えた。引退するとは思えないほどの力強く華麗な走り、まだまだ第一線で活躍できる実力の41歳は、最後まで観衆を魅了し続けた。

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253㎞のレースは残り70㎞で逃げ集団が捉まると、UAEチームエミレーツがそこから圧倒的な主導権を握り続けた。集団は何度となく上りで分断され小さくなっていくが、その先頭でペースをコントロールし続けライバルたちを削っていく。シーズン終盤でもあり疲れが残っている選手たちは早々と脱落していく中、ジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ・アルファヴァイニル)も上りで遅れてしまう。ロメイン・バルデ(チームDSM)、セルジオ・イギータ(ボーラ・ハンスグロエ)、カルロス・ロドリゲスとアダム・イェーツ(共にイネオス・グレナディアス)、ヴィンゲガード、バルベルデらグランツールでもおなじみの顔ぶれが揃う中、残り19㎞でポガチャルが満を持してアタック、それについていけたのはマスだけだった。ランダは追いついては突き放されを繰り返したが、ゴールまで粘り切ったのはベテランの意地と言えるだろう。
イル・ロンバルディア2022ダイジェスト
イル・ロンバルディア2022順位
優勝 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) 6h21’22”
2位 エンリック・マス(モビスター)
3位 ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス) ∔10”
4位 セルジオ・イギータ(ボーラ・ハンスグロエ) ∔52”
5位 カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアス)
6位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) ∔1’24”
7位 バウク・モレンマ(トレック・セガフレド)
8位 ルディー・モラード(グルーパマFDJ)
9位 ロメイン・バルデ(チームDSM)
10位 アダム・イェーツ ∔1’26”
H.Moulinette