ブエルタ・ア・エスパーニャ2022St.19:大会完走さえすればポイント賞確定のペデルセンが文句なしのスプリント勝利で今大会3勝目!総合勢は最後の山岳バトルに備え沈黙(ダイジェスト動画あり)
第20ステージに最後の山岳バトルを控えるブエルタ・ア・エスパーニャ、その前の第19ステージはすでに完走さえすればポイント賞が確定しているマッズ・ペデルセン(トレック・セガフレド)が三度その馬力あるスプリントを披露、今大会3勝目を挙げるとともにさらにポイントを積み重ねた。差最大ライバルのサム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ)がリタイアした後も貪欲に勝利を追い求め。トレック・セガフレドは完璧なお膳立てをきっちりと用意し続けた。「3勝は僕らチームが想像していた以上の結果だよ。すでにこの大会は大成功だったと言えるよ。」ペデルセンは満足げに語った。
翌日の総合バトルは明確、それを見越して総合上位の各選手たちはこの日は落車のようなトラブルを避け、タイムロスを回避する動きに徹した。メイン集団のコントロールもステージ優勝を狙うトレック・セガフレドが主導したことで、クイックステップ・アルファヴァイニルはアシストも温存することに成功した。総合リーダーのレムコ・エヴァネポエル(クイックステップ・アルファヴァイニル)がレース後に「トレック・セガフレドがレースコントロールをしてくれたことに感謝する」と語っており、合意があったのかもしれない。
山岳ステージの合間のステージ、そして距離も138.8㎞と短いこともあり、スタート直後からアタックがかかる。飛び出したのは16名だったが、そこからさらに3名が飛び出し、この日の逃げが確定した。今大会何度もステージ勝利を逃しているローソン・クラドック(バイクエクスチェンジ・ジェイコ)が単独でこれを追走するが、逃げにかなり近づきながらも力尽きメイン集団に吸収されてしまう。
しかし残り50㎞を切り、順番に逃げは吸収され、いよいよスプリントへ向けた動きとなっていく。しかしこの日は各チーム隊列を組むのに十分な人数が残っていない。メイン集団はここまで徐々に削られて50名ほどとなっており各チーム入り乱れて残り3㎞へと突入していく。通常であれば特定のチームが牽引し、縦長になるはずの集団も横一列でスプリントへと向かうあまり見ない光景、しかし道が細くなるコーナーを抜けるたびに、その形態は変化していく。そして残り1㎞のコーナーを抜けるタイミングで、一度はばらばらになっていたトレック・セガフレドのトレインが突如先頭に躍り出ると、3番目に控えていたペデルセンがこの最上のお膳立てを逃すはずはなかった。
マイルス・スコットソン(グルーパマFDJ)が早仕掛けでスプリントを開始する。しかしこれにも余裕を持って対応、グリーンジャージを身にまとった猛者はパワーでライバルたちを圧倒して勝利をつかんだ。2位にはフレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス)が入り、ジャンニ・フェルメールシュ(アルペシン・ドゥクーニンク)が飛び込んだ。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージダイジェスト
ブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージ順位
1位 マッズ・ペデルセン(トレック・セガフレド) 3h19’11”
2位 フレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス)
3位 ジャンニ・フェルメールシュ(アルペシン・ドゥクーニンク)
4位 ベン・ターナー(イネオス・グレナディアス)
5位 マイク・テウニッセン(ユンボ・ヴィズマ)
6位 ヨナス・コッホ(ボーラ・ハンスグロエ)
7位 オマール・ゴールドスタイン(イスラエル・プレミアテック)
8位 ラウル・ガルシア(エキッポ・ケルン・ファルマ)
9位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ・カザフスタン)
10位 ダニー・ファン・ポッペル(ボーラ・ハンスグロエ)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 レムコ・エヴァネポエル(クイックステップ・アルファヴァイニル) 73h18’23”
2位 エンリック・マス(モビスター) +2’07”
3位 ホァン・アユソ(UAEチームエミレーツ) +5’14”
4位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ・カザフスタン) +5’56”
5位 カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアス) +6’49”
6位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ) +7’14”
7位 サイメン・アレンスマン(チームDSM) +8’09”
8位 ベン・オ・コナー(AG2Rシトロエン) +9’34”
9位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーション・イージーポスト) +9’56”
10位 ジェイ・ヒンドリー(ボーラ・ハンスグロエ) +12’03”
H.Moulinette