ブエルタ・ア・エスパーニャ2022St.13:ポイント賞ジャージのペデルセンが圧倒的な爆発力でようやくブエルタステージ勝利!若きエース、アユソはコロナ感染も数値の関係で出走(ダイジェスト動画あり)
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©La Vuelta
今大会ポイント賞ジャージを獲得しながら、いまだ未勝利だったマッズ・ペデルセン(トレック・セガフレド)が満を持して圧倒的なスプリントを披露した。あまりの速さに最後は後ろを振りかえって余裕のガッツポーズ、ライバルのサム・ベネットがコロナ陽性となりリタイアとなった中で、ポイント賞最有力候補はここまでのステージ2着を脱却、ようやく勝利を手にした。
今大会総合5位、異例の長期契約を結んだ次世代のスター、19歳のホァン・アユソ(UAEチームエミレーツ)が今大会24人目のコロナ陽性となった。しかしながら、ツール・ド・フランスでのボブ・ユンゲルス(AG2Rシトロエン)同様で、その数値が他者への感染リスクが極めて少ない低い値だったことから、継続しての出走を許可された。それに対して総合リーダーのレムコ・エヴァネポエル(クイックステップ・アルファヴァイニル)は、「数値が低かろうと、感染リスクが低かろうと感染者が一緒に走ること自体がリスク、僕らは感染しても安易に薬を飲んだりできないし。」と相変わらず厳しい言葉を投げかけた。
そんなステージも始まってしまえば白熱したバトルとなる。ブエルタ・ア・エスパーニャはスプリンターステージが少なく、スプリンターにとっては時間内に山岳をクリアしていくという最大のハードルがあるため、総合上位勢が狙わずしてにスプリント賞ジャージを獲得してしまうことも多い。だからこそ各スプリンターは事前にしっかりと中間スプリントとゴールスプリントで取れるだけのポイントを確保しておきたいのだ。
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この日はスタート前のニュートラルゾーンが20㎞と長かったこともあり、スタートと同時にアタックがかかる。そして飛び出していった3名は、そのまま容認されることとなった。この日はスプリンターチームがしっかりと集団をコントロール、3人は最大で3分強のリードしか許してもらえないままレースは展開していく。トレック・セガフレドは、ポイント賞を狙うという明確な目的のもと、メイン集団をコントロールし続ける。
残り14.6㎞の中間スプリントでは、逃げの3人に続いてもメイン集団先頭をペデルセンがトップ通過、ライバルたちが競わなかったことからも、ポイント賞はペデルセンがどれだけこれから積み重ねることができるかにかかっていそうだ。ライバルたちはポイントではなくステージ勝利をより優先的に考えていることがわかっても、最大限のポイント確保の為にはステージ勝利は必要不可欠だ。
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残り10㎞で逃げを吸収すると、展開は一気にスプリンターチームの隊列合戦へと移っていく。まずは総合系のチームが救済措置圏内の残り3㎞まで安全にエースを運ぶ動きと合わせてポジション争いが激化、右へ左へと大きく展開するコーナーでは位置取りが重要となり、その都度先頭のチームが入れ替わる。最終盤ではユンボ・ヴィズマが一気に先頭に躍り出てそのまま仕掛けるかに思われたが、この日のスプリントは上りスプリント、登れるスプリンターでなければ勝利は難しかった。
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すると早仕掛けをしたのはパスカル・アッカーマン(UAEチームエミレーツ)、最終コーナー手前で加速すると、そのまま一気にスプリントを開始する。これに対応できたのはペデルセンのみ、そのペデルセンはアッカーマンを捉えるとそのままさらに加速、振り返る余裕も見せるほどの圧勝だった。ステージ2位には追い込んできたブライアン・コカード(コフィディス)が入り、最後に失速したアッカーマンは3位に終わった。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第13ステージダイジェスト
ブエルタ・ア・エスパーニャ第13ステージ順位
1位 マッズ・ペデルセン(トレック・セガフレド) 3h46’01”
2位 ブライアン・コカード(コフィディス)
3位 パスカル・アッカーマン(UAEチームエミレーツ)
4位 フレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス)
5位 ダニー・ファン・ポッペル(ボーラ・ハンスグロエ)
6位 クエンティン・パシャール(グルーパマFDJ)
7位 ヘスス・エスクエラ(ブルゴスBH)
8位 マクシム・ファン・ギルス(ロット・ソウダル)
9位 プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ)
10位 ウルコ・ベラーデ(エキッポ・ケルン・ファルマ)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 レムコ・エヴァネポエル(クイックステップ・アルファヴァイニル) 48h11’10”
2位 エンリック・マス(モビスター) +2’41”
3位 プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ) +3’03”
4位 カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアス) +4’06”
5位 ホァン・アユソ(UAEチームエミレーツ) +4’53”
6位 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグロエ) +6’28”
7位 ミゲル・アンヘル・ロペス(アスタナ・カザフスタン) +6’56”
8位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ) +7’18”
9位 ヤン・ポランク(UAEチームエミレーツ) +8’00”
10位 タオ・ゲイガンハート(イネオス・グレナディアス) +8’05”
H.Moulinette