ブエルタ・ア・エスパーニャ2022St.8:ヴァイン覚醒の2勝目!またも霧の山岳頂上ゴールで独走勝利!エヴァネポエルが駆け引き抜きでライバル千切りまくり激走で総合首位キープ(ダイジェスト動画あり)


©La Vuelta
ブエルタに優しいステージはない。そしてそんなブエルタで彗星のように現れ結果を残す選手、覚醒して結果を残す選手の実力はフロックではなく、その後も結果を残し続ける傾向にある。今大会すでに濃霧の山岳ステージで圧巻の独走勝利を挙げているジェイ・ヴァイン(アルペシン・ドゥクーニンク)がまたしても大爆発、第6ステージのリプレイを見ているかのような鮮やかなで圧倒的な独走劇を見せつけた。今大会2勝目を挙げるとともに、前回の勝利が「たまたま」ではないことを明確に世界に知らしめた。ヴァインはこれで山岳賞ジャージも獲得、チームとしても大きな結果が伴った大会となっている。
「逃げには乗ったけど、メイン集団の追走が厳しかったんで、最初は山岳賞ポイントを狙いに行ったんだよ。でもそこからグルーパマFDJが3人もいたこともあって、うまく協調が取れて、メイン集団の総合争いでクイックステップ・アルファヴァイニルがコントロールしているのが分かったんで、、脚を温存できそうならゴールも狙おうと決めたんだ。まあステージ勝利は常に目標でもあるからね。」そう語るヴァインは、総合上位勢とほぼ同じ速度で上り続け、タイム差をほぼ詰めさせない素晴らしい走りを再び披露した。

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そして総合争いではまたしてもレムコ・エヴァネポエル(クイックステップ・アルファヴァイニル)が駆け引き抜き、先頭でずっと引き続けライバルたちを次々と脱落させた。最後まで対応できたのはエンリック・マス(モビスター)とプリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ)のみ、この日はクイックステップ・アルファヴァイニルが、今までほとんどやってこなかった本格的に総合を狙うためのアシストの布陣や戦略などのテストも兼ねており、来年度のジロのシミュレーションと称している今回のブエルタで、目に見える形で結果が出ている形だ。これでエヴァネポエルは総合リーダージャージをがっちりとキープ、そしてこの日のステージで総合トップ10は大きくシャッフルされる形となった。

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またしてもブエルタ初登場の頂上ゴール地点となるコラウ・ファンクアヤまでの153.4㎞のバトルは5つの山頂を超えていくハードなステージ、総合勢が間違いなく動くために、うまくいけば逃げ切りも容認される可能性があり、スタート直後にヴァイン、ティボー・ピノー(グルーパマFDJ)らが飛び出していく。さらにそこにポイント賞ジャージを狙うマッズ・ペデルセン(トレック・セガフレド)らが合流し、集団は大所帯となる。メイン集団は常にクイックステップ・アルファヴァイニルがコントロール、先頭集団とのタイム差を4分以内にとどめる。

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そのまま迎えたゴールまでの10㎞の上り、逃げ集団はばらばらとなり、残り6㎞で先に仕掛けていたアレクセイ・ルチェンコ(アスタナ・カザフスタン)を捉えたヴァインがそのまま単独走へと持ち込む。「全力で1㎞ほど走って確認したら誰もいなかった」と語ったヴァインはここからテンポよく上り続ける。背後ではエヴァネポエルのペースアップに総合勢が次々と脱落していく。今大会イネオス・グレナディアスのエースと思われたグランツール覇者のリチャード・カラパズも脱落、イネオスはタオ・ゲイガンハートとカルロス・ロドリゲスの二人が何とか踏みとどまる。

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ヴァインを追走した第5ステージ覇者のマルク・ソレル(UAEチームエミレーツ)だったが、徐々にペースが落ちていき、ヴァインの勝利は確定、最後はガッツポーズを決めた。その背後ではエヴァネポエルが駆け引き抜き、単独パワープレイでペースアップをし、さらに集団を粉々に粉砕、マスとログリッチ以下を突き放してゴールラインを超えた。サイモン・イェーツ(バイクエクスチェンジ・ジェイコ)とロドリゲスがそれに続き、その後方にジロ覇者のジェイ・ヒンドリー(ボーラ・ハンスグロエ)やジョアオ・アルメイダとホァン・アユソ(共にUAEチームエミレーツ)とベン・オ・コナー(AG2Rシトロエン)らが続いた。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第8ステージダイジェスト
ブエルタ・ア・エスパーニャ第8ステージ順位
1位 ジェイ・ヴァイン(アルペシン・ドゥクーニンク) 4h05’25”
2位 マルク・ソレル(UAEチームエミレーツ) +43”
3位 レイン・タラマエ(インターマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)
4位 ティボー・ピノー(グルーパマFDJ) +47”
5位 レムコ・エヴァネポエル(クイックステップ・アルファヴァイニル) +1’20”
6位 エンリック・マス(モビスター)
7位 プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ)
8位 サイモン・イェーツ(バイクエクスチェンジ・ジェイコ) +1’33”
9位 カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアス)
10位 セバスチャン・レイエンバッハ(グルーパマFDJ) +1’42”
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 レムコ・エヴァネポエル(クイックステップ・アルファヴァイニル) 29h28’19”
2位 エンリック・マス(モビスター) +28”
3位 プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ) +1’01”
4位 カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアス) +1’47”
5位 タオ・ゲイガンハート(イネオス・グレナディアス) +1’54”
6位 ホァン・アユソ(UAEチームエミレーツ) +2’02”
7位 サイモン・イェーツ(バイクエクスチェンジ・ジェイコ) +2’05”
8位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ) +2’44”
9位 ジェイ・ヒンドリー(ボーラ・ハンスグロエ) +2’51”
10位 ベン・オ・コナー(AG2Rシトロエン) +2’59”
H.Moulinette