ブエルタ・ア・エスパーニャ2022St.7:ベテランのエラダが5人での逃げスプリントを制す!総合は今大会で初めて変動せず(ダイジェスト動画あり)
昨日のハードなステージの影響もあり、総合上位勢にとっては無理をしないステージとなった。しかしそれでもスプリンターステージとなる可能性があったが、昨日の疲れは各チームに大きな影響を及ぼしていた。だからこそ逃げ切りの可能性があると飛び出した5人でのスプリントを制したのはヘスス・エラダ(コフィディス)、32歳のベテランが、2019年以来となるブエルタステージ2勝目を挙げた。
総合勢は動かず、レムコ・エヴァネポエル(クイックステップ・アルファヴァイニル)が総合リーダーの証マイヨ・ロホをキープ、史上初の開幕7日で7人の総合リーダーとはならなかったが、激しく動く総合争いがようやく一呼吸置く形となった。
このステージでも2人のコロナ感染者がリタイアとなり、各チーム健康管理にはより一層の注意が払われる中、この日は6人の逃げが決まることとなる。ルディー・モラード(グルーパマFDJ)にわずかに届かず、一昨日は総合2位に終わったフレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス)、さらにはエラダ、サミュエル・バティステラ(アスタナ・カザフスタン)らは快調にペースを上げ、昨日のようにメイン集団からブリッジをかける選手たちを寄せ付けなかった。
この日は大きな山岳が一つだけのため、そこを超えさえすればスプリンターたちにもチャンスが生まれることから、ポイント賞ジャージを着用するサム・ベネット擁するボーラ・ハンスグロエらが懸命にエーススプリンターをアシストする。さらにはライバルスプリンターを蹴落とすための動きもメイン集団では活発となったことで、各チーム消耗戦が始まる。
そんなことはお構いなしに逃げる集団は人数を一人減らし5人となりながらも協調、2分前後で推移し続ける。残り20㎞で1分半、残り10㎞では1分までその差は縮まり、メイン集団が飲み込むのは時間の問題化に思われた。しかしここから5人はさらにペースを上げ、追走が追い付かない。さらにメイン集団内でも、どのチームが主導権をとるかでお見合いのような状況が発生、スプリンター勝負に脚を残したい思惑が完全に裏目に出る。
これで先頭5人は余裕をもって残り1㎞から牽制を開始、自らの勝利のためだけにスプリント勝負に挑む。有利に思われたライトだったが、マークがきつく先頭に押し出されると、そのまま先頭からロングスプリントを開始する。これをぴったりとマークしたエラダがその背後でスプリントを開始すると、最後尾からバティステラが猛然とスパート、コース右側へと大きく展開する。ライトの左側へと進路を決めたエラダに対しバティステラが迫ったが、僅差でエラダに軍配が上がった。悔しがるバティステラに対し、歓喜の涙を流すエラダ、勝敗は僅かな差だが、その意味の大きさは計り知れない。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第7ステージダイジェスト
ブエルタ・ア・エスパーニャ第7ステージ順位
1位 ヘスス・エラダ(コフィディス) 4h30’58”
2位 サミュエル・バティステラ(アスタナ・カザフスタン)
3位 フレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス)
4位 ジミー・ヤンセンス(アルペシン・ドゥクーニンク)
5位 ハリー・スウィーニー(ロット・ソウダル)
6位 サム・ベネット(ボーラ・ハンスグロエ) +29”
7位 ジェイク・スチュワート(グルーパマFDJ)
8位 カデン・グローブス(バイクエクスチェンジ・ジェイコ)
9位 マッズ・ペデルセン(トレック・セガフレド)
10位 ダニエル・マックレイ(アルケア・サムシック)
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 レムコ・エヴァネポエル(クイックステップ・アルファヴァイニル) 25h21’34”
2位 ルディー・モラード(グルーパマFDJ) +21”
3位 エンリック・マス(モビスター) +28”
4位 プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ) +1’01”
5位 ホァン・アユソ(UAEチームエミレーツ) +1’12”
6位 パヴェル・シヴァコフ(イネオス・グレナディアス) +1’27”
7位 タオ・ゲイガンハート(イネオス・グレナディアス)
8位 カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアス) +1’34”
9位 サイモン・イェーツ(バイクエクスチェンジ・ジェイコ) +1’52”
10位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ) +1’54”
H.Moulinette