ツール・ド・フランス2022St.20 :個人TTを制したのはファン・アールト!ヴィンゲガードは最後力を抜いてステージ2位でワン・ツー!ユンボ・ヴィズマはこれでステージ6勝目(ダイジェスト動画あり)
個の力が純粋にぶつかり合う個人TT、世界チャンピオンのフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス)が大本命視されたステージで、またしてもユンボ・ヴィズマがこれを上回る走りを披露、今大会主役を担ってきたチームが、最後までその座を譲らなかった。爆走で圧倒的なタイムをたたき出したのはスプリント、山岳でも大暴れしてきた最強アシストのワウト・ファン・アールト(ユンボ・ヴィズマ)、ガンナのタイムを40秒以上上回る驚異のタイムをたたき出し、今大会3勝目を挙げた。圧倒的なパフォーマンスを開幕ステージから見せ続けてきている男は勝利が確定後に男泣き、チームの6勝目、総合優勝、山岳賞、ポイント賞の確保に尽力したスーパーライダーは珍しく男泣きした。
「ただただ感動だよ。チームとしてツールに挑み、シナリオ通りに遂行する。チームメイトに感謝しかないし、ヴィンゲガードは王者に値する男だよ。この3週間は夢のようだったよ。心底疲れたね。今日は勝利を狙っていったよ。あとはヴィンゲガードが総合優勝を決定的にするだけだったね。本当に最高の一日だったよ!」普段は笑顔のファン・アールトは男泣きし、感情を爆発させた。
そしてそのファン・アールトに最も迫ったのは、総合優勝を確定的としたヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ)、この個人TTでも素晴らしい走りで、あわやファン・アールトを上回るかに思われたが、残り500mほどをクルージングして余裕のゴール、ステージ優勝はファン・アールトと競い合わず、総合優勝をほぼ手中に収めた。これでユンボ・ヴィズマはワン・ツー、個人種目のTTでもその強さを遺憾なく発揮した。
そしてそれに続いたのはタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)、総合2位の男はここでもユンボ・ヴィズマのエースとアシストに勝つことができなかった。それでも素晴らしいタイムで40.7㎞のTTを終えた。
ステージ4位はゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアス)、総合の1-2-3位がすべて現役のTT世界チャンピオンを上回る走りを披露し、改めて総合力の高い選手達の凄さを感じさせた。ガンナはステージ5位、今大会はTTで1勝も挙げられなかった。
総合順位はこの日の走りを受けてまたしてもシャッフル、アレクサンダー・ヴラソウ(ボーラ・ハンスグロエ)が総合5位へと順位を上げた。逆に順位を下げたのは、ナイロ・キンターナ(アルケア・サムシック)とルイス・メインチェス(インターマルシェ・ワンティ・グループゴベール)の小柄な二人、苦手な個人TTでタイムを失い、それぞれ総合6位、8位へと順位を下げた。
ツール・ド・フランス第20ステージダイジェスト
ツール・ド・フランス第20ステージ順位
1位 ワウト・ファン・アールト(ユンボ・ヴィズマ) 47’59”
2位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) +19”
3位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) +27”
4位 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアス) +32”
5位 フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス) +42”
6位 バウク・モレンマ(トレック・セガフレド) +1’22”
7位 マッティア・カッタネオ(クイックステップ・アルファヴァイニル) +1’25”
8位 フレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス) +1’32”
9位 マックス・シャフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +1’37”
10位 ヤン・トラトニック(バーレーン・ヴィクトリアス) +1’48”
ツール・ド・フランス総合順位
1位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) 76h33’57”
2位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) +3’34”
3位 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアス) +8’13”
4位 ダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ) +13’56”
5位 アレクサンダー・ヴラソウ(ボーラ・ハンスグロエ) +16’37”
6位 ナイロ・キンターナ(アルケア・サムシック) +17’24”
7位 ロメイン・バルデ(チームDSM) +19’02”
8位 ルイス・メインチェス(インターマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー) +19’12”
9位 アレクセイ・ルチェンコ(アスタナ・カザフスタン) +23’47”
10位 アダム・イェーツ(イネオス・グレナディアス) +25’43”
H.Moulinette