ツール・ド・フランス2022St.6:ファン・アールト単激走も勝利には届かず、上りゴールを制したのはポガチャル!3連覇へ向け早くもマイヨ・ジョーヌ獲得!(ダイジェスト動画あり)


©UAE team Emirates
最大のライバルたちが「運」を味方にできなかった翌日、大会3連覇を狙う大本命タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)がゴール前で動いた。そして一発回答でのステージ勝利を挙げるとともに、そのまま総合リーダージャージ、マイヨ・ジョーヌも獲得して見せた。総合争いはこれで一気に総合勢による直接対決へと流れていきそうだ。

©ASO
そんなステージでド派手なパフォーマンスを見せたのはまたしてもワウト・ファン・アールト(ユンボ・ヴィズマ)、連日大車輪の活躍を続けるマイヨ・ジョーヌは、昨日の壮絶な追走の疲れを見せることなくこの日は逃げに乗り激走、残り30㎞過ぎからは独走態勢へと持ち込み個人TT状態で粘り続けた。しかしこの日のゴール前は激坂がいくつも用意された勝負の場、残り11㎞でファン・アールトは力尽き吸収されていった。しかしこの日のレースペースは主催者が用意した最速予想ゴールタイムを30分以上も上回る超高速レース、この男の今大会の大活躍は圧倒的に記憶に残るものとなった。
このファン・アールトの走りは、「攻撃は最大の防御」を口癖にしているポガチャルに火をつけることとなる。残り5㎞の劇坂で、先行したアレクシス・ヴイエルモーズ(ダイレクトエナジーズ)との差を軽く詰めるアタックでまずはライバルたちの動きを牽制すると、チームメイトたちにアシストを受けゴール前の上りでヴイエルモーズを捉え、そのまま最高のポジション取りからアタック、総合のライバルたちを全く寄せ付けず最後は余裕でガッツポーズを決めた。

©ASO
「今日は本当にしんどかったよ。ファン・アールトが逃げた時点で、彼がそのままゴールまで行ってしまうと思ったよ。追走は、うちのチームも含めても常に本気モードでペースが速く、彼を捉えてしまったけどね。そうなれば後はゴール勝負を目指すだけだったよ。脚はよく回っていたし、いけると思ったよ。」ポガチャルは自信溢れた答えを返した。

©ASO
アップダウンを生き残ったスプリンターのマイケル・マシューズ(バイクエクスチェンジ・ジェイコ)がステージ2位、ダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ)が3位に入った。昨日もバーチャルでステージ途中に総合トップに一時はなったニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト)だったが、昨日はファン・アールトの踏ん張りで2006年以来のアメリカ人によるマイヨ・ジョーヌ獲得を逃し、この日はポガチャルが激走でステージ優勝を挙げたことでボーナスタイムを獲得されてマイヨ・ジョーヌ獲得を逃がしてしまった。「昨日も今日もチャンスだったんだけど、気が付けばポガチャルが激走でボーナスタイムまで取られてしまったよ。」と半ば諦めの表情を見せた。それでもわずか4秒差の総合2位となっている。
これで総合ではトップ10にイネオス・グレナディアスが4人と安定した状態、大会前のユンボ・ヴィズマの優位は昨日のステージで失われ、代わりにイネオス・グレナディアスがその層の厚さを見せている形だ。
ツール・ド・フランス第6ステージダイジェスト
ツール・ド・フランス第6ステージ順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) 4h27’13”
2位 マイケル・マシューズ(バイクエクスチェンジ・ジェイコ)
3位 ダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ)
4位 トム・ピドコック(イネオス・グレナディアス)
5位 ナイロ・キンターナ(アルケア・サムシック)
6位 ディラン・テウンス(バーレーン・ヴィクトリアス)
7位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ)
8位 ダニエル・マルチネス(イネオス・グレナディアス)
9位 プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ)
10位 ロメイン・バルデ(チームDSM)
ツール・ド・フランス総合順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) 20h44’44”
2位 ニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト) +04”
3位 ヨナス・ヴィンゲガード(ユンボ・ヴィズマ) +31”
4位 アダム・イェーツ(イネオス・グレナディアス) +39”
5位 トム・ピドコック(イネオス・グレナディアス) +40”
6位 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアス) +46”
7位 アレクサンダー・ヴラソフ(ボーラ・ハンスグロエ) +52”
8位 ダニエル・マルチネス(イネオス・グレナディアス) +1’00”
9位 ロメイン・バルデ(チームDSM) +1’01”
10位 ダビ・ガウドゥ(グルーパマFDJ) +1’02”
H.Moulinette