ジロ・デ・イタリア2022第21ステージ:個人TTを制したのはソブレロ、総合優勝は2度目の正直でヒンドリー!カラパズは2度目の栄冠ならず、ボウマンが山岳賞、デマールがポイント賞(ダイジェスト動画あり)


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ついに幕を閉じた今年のジロ・デ・イタリア、最終ステージの個人TTは個人総合には全く関係しない短い距離のステージ、制したのはイタリアTTチャンピオンのマッテオ・ソブレロ(バイクエクスチェンジ・ジェイコ)、総合優勝同様にオーストラリア籍のチームが最終ステージを制し、南半球のサイクルファンにとっては最高の一日となった。

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そして総合優勝はジェイ・ヒンドリー(ボーラ・ハンスグロエ)、2年前の最終ステージで逃した大きな忘れ物を見事に自力で掴み取った。最終ステージもカラパズに対し僅か7秒しか失わず、安泰の総合優勝となった。前回24歳で総合2位になったときは、一過性の強さかにも思われたが、あの走りはフロックではなく実力、そしてそこからさらに強くなったことを自らの走りで証明、グランツール総合優勝を成し遂げた。オーストラリア人としてはツール・ド・フランスを制したカデル・エヴァンスに次いで二人目の快挙、選手層が厚いオーストラリアにおいて、総合を狙える新たな才能が完全に開花したといえるだろう。「オーストラリア人としてこの勝利を母国に持ち帰れるのは光栄なことだよ。2年前のこともあったし、緊張はしたけど、今回こそきっちりと勝つことができたよ。」ヒンドリーは笑顔で語った。
総合2位になったのはリチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス)、2019年に続いて2度目の制覇とはならなかった。総合3位にはミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス)、自身2度目のジロ・デ・イタリア表彰台となった。
総合トップ10には大ベテランのヴィンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ・プレミアテック)とドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオー)が入って見せた。ポッツォヴィーヴォは2月まで所属チームがなかった状態でもあり、そこから見事に調整し結果を残した

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山岳賞ジャージはコーエン・ボウマン(ユンボ・ヴィズマ)が圧倒的な山岳での走りとステージ2勝という大きな結果を残し、改めてユンボ・ヴィズマの選手層の厚さを感じさせた。今大会もエース陣が壊滅する中、自由を得たボウマンが縦横無尽に山岳を駆け回り、予想以上の結果をチームにもたらした。

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ポイント賞はアルノー・デマール(グルーパマFDJ)、ステージ3勝を挙げこちらも山岳賞同様に独壇場となった。今大会はスプリンターが活躍できるステージが少なかった中で、山岳でもきちんと最後まで生き残り、自身2020年度に続いて2度目のポイント賞を獲得した。
新人賞ジャージは、最終日に順位を一つ落としたが10位に入ったホァン・ペドロ・ロペス(トレック・セガフレド)が獲得した。ここ最近のグランツールでは新人賞ジャージが総合優勝争いをすることが増えていたが、今大会は中堅・ベテランの頑張りが目立ち、新人賞ジャージは総合トップ10にとどまった。それでも今大会第4ステージから第13ステージまで総合リーダーの証、マリア・ローザを守り抜くなど、今後を期待させる走りを見せた。
また敢闘賞と中間スプリント賞はどちらもトップ2がドローンホッパー・アンドローニ・ジョカットリのマッティア・バイスとフィリッポ・タグリアーニで分け合う形となった。今大会何度となく逃げたこのジャージは極めて印象的だった。

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チーム総合はバーレーン・ヴィクトリアスが輝いた。今回は総合トップ10にバーレーン・ヴィクトリアスが2人、ボーラ・ハンスグロエが2人、そしてインターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオーも2人と3チームが総合力を見せつけた。
ジロ・デ・イタリア第21ステージダイジェスト
ジロ・デ・イタリア第21ステージ順位
1位 マッテオ・ソブレロ(バイクエクスチェンジ・ジェイコ) 22’24”
2位 サイメン・アレンスマン(チームDSM) +23”
3位 マシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・フェニックス) +40”
4位 バウク・モレンマ(トレック・セガフレド) +1’08”
5位 ベン・トゥレット(イネオス・グレナディアス) +1’12”
6位 マウロ・シュミット(クイックステップ・アルファヴァイニル) +1’17”
7位 マグナス・コルト(EFエデュケーション・イージーポスト) +1’18”
8位 トビアス・フォス(ユンボ・ヴィズマ) +1’19”
9位 マイケル・ヘップバーン(バイクエクスチェンジ・ジェイコ) +1’24”
10位 リチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 ジェイ・ヒンドリー(ボーラ・ハンスグロエ) 86h31’14”
2位 リチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス) +1’18”
3位 ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス) +3’24”
4位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ・カザフスタン) +9’02”
5位 ペッロ・ビルバオ (バーレーン・ヴィクトリアス) +9’14”
6位 ヤン・ヒルト(インターマルシェワンティゴベール・マテリオー) +9’28”
7位 エマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +13’19”
8位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(インターマルシェワンティゴベール・マテリオー) +17’29”
9位 ヒュー・カーシー(EFエデュケーション・イージーポスト) +17’54”
10位 ホァン・ペドロ・ロペス(トレック・セガフレド) +18’40”
H.Moulinette