ジロ・デ・イタリア2022第10ステージ:またしても歴史を作ったのはギルメイ!ファン・デル・ポエル脱帽のスプリントで黒人系アフリカ人初のグランツール勝利もシャンパンファイトでアクシデント(ダイジェスト動画あり)


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ジロ・デ・イタリア第10ステージは、もはやこの男のために全てがお膳立てされていたと言っても過言でもないかもしれない。黒人系アフリカ人選手として初めてクラシック(ヘント・ウェベレヘム)を制したビニアム・ギルメイ(インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオー)が、今大会狙い続けたステージの頂点を自らの力でもぎ取った。真っ向勝負を挑んだマシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・フェニックス)が最後は根負けする力強さと持久力で、またしても歴史の1ページにその名を刻んだ。しかしその後の表彰台で、シャンパンファイト用のシャンパンのコルクが左目に当たるアクシデントがあり、病院へと直行した。今大会はファン・デル・ポエルも表彰台でコルクが顔面を直撃しており、今大会で2度目の同様のハプニングとなった。

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今大会ここまで2位1回、4位2回、5位2回と全てのスプリントステージでトップ10に入っている男のステージ勝利は時間の問題だった。そしてこの日はそれに加え、所属チームのインターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオーが見事に機能した。この日発生した逃げを吸収して迎えた残り9km弱、インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオーが積極的に集団のペースを上げると、総合勢を含む40名ほどがメイン集団から飛び出す形となる。ここにギルメイを含む4人の選手を送り込んだチームは、徹底してファン・デル・ポエルをマークするとともに、、他の選手達のアタックにも積極的に追走を行う。

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総合系の選手も何度となく揺さぶりを仕掛けるが、スプリンターチームがそんな逃げ切りを許すはずもなく、また孤立しながらも積極的な走りを続けステージ2勝目を狙うファン・デル・ポエルも諦めない。そして残り200m、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオー)のアシストから飛び出したギルメイが先頭でスプリントを開始する。残り100mでギルメイのスリップストリームから抜け出したファンデル・ポエルが渾身のスプリントで並びかけるが、ギルメイの加速は衰えず、最後はファン・デル・ポエルが諦めサムアップでギルメイの勝利を称えた。ギルメイはガッツポーズでステージ優勝、ファン・デル・ポエルはステージ2位に終わった。

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「今日はチームに感謝しかないよ。とにかく信じられないよ。総合上位勢が集団先頭に固まりペースを上げ、お互い仕掛けていたからね。そんな中ポッツォヴィーヴォが凄かったね。残り600で”ついてこい”と一言言われて、あとはそれについていくだけだったよ。毎日が新鮮で、そんな中こうして結果を残せたことが本当に嬉しいよ。」ギルメイは何度となくスプリントでの位置取りで失敗していたが、先輩選手の的確なアシストが勝利につながったことを語った。
ジロ・デ・イタリア第10ステージダイジェスト
ジロ・デイタリア第10ステージ順位
1位 ビニアム・ギルメイ(インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオー) 4h32’07”
2位 マシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・フェニックス)
3位 ヴィンチェンツォ・アルバニース(エオロ・コメタ)
4位 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグロエ)
5位 リチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス)
6位 コーエン・ボウマン(ユンボ・ヴィズマ)
7位 ロメイン・バルデ(チームDSM)
8位 ペッロ・ビルバオ (バーレーン・ヴィクトリアス)
9位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ)
10位 マウロ・シュミット(クイックステップ・アルファヴァイニル)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 ペドロ・ホァン・ロペス(トレック・セガフレド) 42h24’08”
2位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ) +12”
3位 ロメイン・バルデ(チームDSM) +14”
4位 リチャード・カラパズ(イネオス・グレナディアス) +15”
5位 ジェイ・ヒンドリー(ボーラ・ハンスグロエ) +20”
6位 ギヨーム・マルタン(コフィディス) +28”
7位 ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス) +29”
8位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(インターマルシェワンティゴベール・マテリオー) +54”
9位 エマニュエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグロエ) +1’09”
10位 ペッロ・ビルバオ (バーレーン・ヴィクトリアス) +1’22”
H.Moulinette