ジロ・デ・イタリア2022第5ステージ:完璧なお膳立てからデマールが豪快なスプリント勝利!ガヴィリアは2位に猛烈に悔しがる(ダイジェスト動画あり)


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今年のジロ第5ステージはスプリントステージとはなったが、途中でマーク・カベンディッシュ(クイックステップ・アルファヴァイニル)ら有力スプリンターらが脱落していった。そして一度は脱落したもののなんとか集団復帰を果たしたアルノー・デマール(グルーパマFDJ)が完璧なお膳立てから豪快に力でライバルたちをねじ伏せ、嬉しい今大会初勝利を飾った。そのデマールに破れたフェルナンド・ガヴィリア(UAEチームエミレーツ)は、ライバルのジャコモ・ニッツォーロ(イスラエル・プレミアテック)のトレインをハイジャックし活用するも届かず、ゴール後に何度もバイク前輪を持ち上げ叩きつけ悔しがった。このステージでは完全にチームのアシスト力の差が大きく物を言った。

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この日のステージも逃げにはドローン・ホッパーアンドローニ・ジョカットリの二人、マッティア・バイスとフィリッポ・タグリアーニの姿が健在だった。これで5ステージ中3ステージ逃げに乗っている二人は、スポンサースポーツであるこの競技にとっては、お手本のような有能な広告塔的走りをやり抜いている。しかしそれもさることながら逃げに乗る嗅覚も抜群と言えるだろう。しかし逃げの5人はこの日はあまり大きなリードを許されなかった。最大で4分半ほどまで広がったタイム差も、20km近い上りの山岳に入り一気に削られていく。勾配は緩いものの、ダラダラと登り続けるこの山岳で、アルペシン・フェニックスが追走集団前方に上がりペースを上げると、有力スプリンターのカベンディッシュ、更には先日は上りもこなしていたカレブ・ユワン(ロット・ソウダル)の二人が脱落していく。そして更に数キロ後にはデマールも遅れてしまう。

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山頂を逃げ集団は僅か50秒の差までつまられて通過、そしてメイン集団から1分10秒遅れてデマールが下りへと突入していく。カベンディッシュらは3分近くの遅れを取ってしまい、ここから必死の追走を試みるも、最終的に合流を断念、タイムオーバーにならないように余力を残してステージ完走に作戦を切り替えることとなる。ユワンに至ってはカベンディッシュからさらに2分以上も遅れてしまい、この日のスプリントは早々と断念となった。
アルペシン・フェニックスに変わり、インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオーも、エースのビニアム・ギルメイの為にライバルたちを削ろうと集団先頭でペースアップを図る。それでもグルーパマFDJは猛追を仕掛け、なんとかデマールは集団復帰を果たすことに成功する。
そして逃げは吸収され、そのまま大集団でゴールを目指すこととなる。集団内で十分に脚を休めたあとは、今度はグルーパマFDJが集団先頭に出ペースアップ、スプリント勝負へ向け準備をすると、残り5kmではコフィディスやボーラ・ハンスグロエが、さらには残り3kmではまたもアルペシン・フェニックスが主導権を握る。エースのマシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・フェニックス)がコンステージ2勝目を狙うも、この日の主役はグルーパマFDJだった。

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大混戦のままゴール前に進む集団、その中でグルーパマFDJは人数を残しており、きっちりとでマールをアシストする。そしてコース進行方向右側を駆け上がるとそのままデマールを発射、ライバルたちも必死に追いすがるが、圧倒的なパワーの前に屈することとなった。仕掛けが遅れたガヴィリアはステージ2位、自らのトレインをガヴィリアに奪われたニッツォーロが3位、エースを失ったクイックステップ・アルファヴァイニルのダビデ・ベルリーニが入った。ギルメイはまたも進路を失い5位に終わった。
「今日の勝利はチームのおかげだよ。遅れを取り戻せなかったらスプリントもできなかったからね。スプリントは完璧、とにかく勝ててホッとしているよ。」デマールは興奮気味に語った。
ジロ・デ・イタリア第5ステージダイジェスト
ジロ・デ・イタリア第5ステージ順位
1位 アルノー・デマール(グルーパマFDJ) 4h03’56”
2位 フェルナンド・ガヴィリア(UAEチームエミレーツ)
3位 ジャコモ・ニッツォーロ(イスラエル・プレミアテック)
4位 ダビデ・ベルリーニ(クイックステップ・アルファヴァイニル)
5位 ビニアム・ギルメイ(インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオー)
6位 フィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス)
7位 アルベルト・ダイニース(チームDSM)
8位 ナタナエル・テスファシオン(ドローンホッパー・アンドローニジョカットリ)
9位 エドワード・トゥーンス (トレック・セガフレド)
10位 シモーネ・コンソーニ(コフィディス)
ジロ・デ・イタリア総合順位
1位 ペドロ・ホァン・ロペス(トレック・セガフレド) 14h17’07”
2位 レナード・カムナ(ボーラ・ハンスグロエ) +39”
3位 レイン・タラマエ(インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオー) +58”
4位 サイモン・イェーツ(バイクエクスチェンジ・ジェイコ) +1’42”
5位 マウリ・ファンセヴェナント(クイックステップ・アルファヴァイニル) +1’47”
6位 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグロエ) +1’55”
7位 ペッロ・ビルバオ (バーレーン・ヴィクトリアス) +2’00”
8位 ジョアオ・アルメイダ(UAEチームエミレーツ) +2’04”
9位 リッチー・ポート(イネオス・グレナディアス) +2’06”
10位 ロメイン・バルデ(チームDSM) +2’06”
H.Moulinette