ヘント・ウェベレヘム2022:歴史的快挙!アフリカの雄ギルメイがアフリカ人選手初のクラシック制覇!ラポルテは及ばずユンボ・ヴィズマは連勝ならず(ダイジェスト動画あり)


©Gent Wevelgem
石畳のクラシック第2戦、歴史的快挙にロードレース界は揺れた。エリトリア出身のビニアム・ギルメイ(インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオー)が、アフリカ人選手として初のクラシック制覇を成し遂げた。今シーズンここまで好調な21歳は、パリ~ニースで3ステージでトップ10入りを果たし、ミラノ~サンレモでは12位、そして先日行われたE3サクソバンク・クラシックでは5位と結果を残した若人は、4人でのスプリント勝負を制し、その名を歴史に刻んだ。

©Gent Wevelgem
残り60㎞を切り、先行していた逃げが有力候補勢に絞られた追走集団に飲み込まれていく。そして残り34㎞、ケンメルベルグの石畳の上りでワウト・ファン・アールト(ユンボ・ヴィズマ)が満を持して動く。チームメイトのクリストフ・ラポルテ(ユンボ・ヴィズマ)も動き、E3サクソバンク・クラシックのリプレイになるかに思われたが、この動きを予測していたライバル選手たちがそれを許すはずがなかった。ミラノ・サンレモを制したマテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)が得意の下りでその差を一気に詰め、先頭集団は8名となる。そしてさらに後続の追走集団もそこへ合流し、展開は振出しに戻る。

©Gent Wevelgem
そして残り24㎞、今度はラポルテが渾身のアタックを敢行する。それに即座に反応したのはギルメイ、さらにそこにジャスパー・ストゥーヴェン(トレック・セガフレド)とドリエス・ファン・ゲステル(ダイレクトエナジーズ)が加わる。近くて遠い背中、逃げだした4名の姿に追走の集団は残り1㎞をゴールまでの直線で視野に捉えるも、追いつくことは出来なかった。

©Gent Wevelgem
4名での駆け引きが始まると、最後尾につけていたギルメイが真っ先に仕掛けた。一気にコース逆側へと展開するとそのまま加速、それを見て反応したラポルテも必死に追いすがるが、実力の片鱗をここ数レースで見せていた男のスプリントは本物だった。ギルメイが歴史に名を刻む勝利を挙げた。

©Gent Wevelgem
「この歴史的勝利は僕にとってはとても価値があるし、チームにとってもそれは然りだよ。さらにはアフリカの自転車競技にとっても価値あるものとなったよ。E3サクソバンク・クラシックが初めての石畳のクラシックだったんだけど、石畳に恋に落ちたね。チームが僕にチャンスをくれたので、何の躊躇もなかったよ。でも正直勝利はイメージできていなかったよ。経験なくして勝てるほど甘くはないと思っていたからね。あとはチームが戦略をしっかりと教えてくれたことがそれを補ったくれた。指示通り残り250mまで我慢して、そこからは目をつぶって”エイヤッ”って漕ぎ続けたよ。まだ勝利の実感はないし、アフリカ人初のクラシック覇者になった実感もないよ。」レース直後興奮気味にギルメイは語った。2位にはラポルテが入り、好調さを見せている。3位にはファン・ゲステルが入り、勝利ならずとも価値ある表彰台を獲得した。
ヘント・ウェベレヘム2022ダイジェスト
ヘント・ウェベレヘム順位
1位 ビニアム・ギルメイ(インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオー) 5h37’57”
2位 クリストフ・ラポルテ(ユンボ・ヴィズマ)
3位 ドリエス・ファン・ゲステル(ダイレクトエナジーズ)
4位 ジャスパー・ストゥーヴェン(トレック・セガフレド)
5位 ソレン・クラー・アンデルセン(チームDSM) +08”
6位 ティム・メリエール(アルペシン・フェニックス)
7位 マッズ・ペデルセン(トレック・セガフレド)
8位 イヴァン・ガルシア(モビスター)
9位 マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)
10位 アルノー・デマール(グルーパマFDJ)
H.Moulinette