ストラーデ・ビアンケ2022:未舗装路満載”白い道”でポガチャルが50㎞の大逃げで勝利!その倍近い年齢のバルベルデが貫禄の2位、アスグリーンが3位(ダイジェスト動画あり)
ストラーデ・ビアンケ、”白い道”という言葉の通り未舗装路で白い砂埃を巻き上げながら選手たちが激走するクラシックのビッグタイトル、”悪路を制す”という称号を狙う猛者たちが、激闘を繰り広げた。ここ2年は新旧のシクロ世界王者、ワウト・ファン・アールト(ユンボ・ヴィズマ)とマシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・フェニックス)が制していた。だがその二人が不在な中、今年そのタイトルを制したのは、23歳にしてすでにツール・ド・フランスで2連覇を果たしているタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)だった。一週間程度のステージレースからグランツールのみならず、ワンデイクラシックでもその強さを発揮、昨年度のイル・ロンバルディアとリエージュ・バストーニュ・リエージュに続いてのビッグタイトルを獲得した。
驚異の走りだった。勝負の駆け引きが行われることは予想された第8セクターの未舗装路、レース全体で70㎞ほどの未舗装路がある中でも最長区間であり、さらにはアップダウンが多いことで、優勝に向けたふるい落としが発生することが予想された。しかしふたを開けてみればそれに乗じて単独アタックを決めたポガチャルがそのまま50㎞を独走し続けての圧勝、歴史に残る素晴らしい勝利を挙げた。
「最高だよ。素晴らしい勝利だよ!ものすごく早く仕掛けたから、残り5㎞になるまでは勝利を確信できなかったよ。でも最後の上りでも背後が気になり続けたよ。仕掛けたときも誰かがついてくると思ったんだけど、結局誰も来なかったんで一人になってしまったのでそのまま最後までいったんだよ。あとは後続とのタイム差をずっと確認し続けたよ。完全に逃げが容認されていたわけではないからね。」
そしてポガチャルの背後でも激しいレースが展開された。若手の台頭が著しい今シーズン、コロナのこともあり引退を先送りした衰え知らずな41歳のアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)が、約半分の年齢の選手たちをすべて置き去りにし単独で2位、ゴール後も淡々と話せるほどに充実した走りで結果を残した。本当に今シーズン限りで引退をするのか、まだまだ全プロ選手の中でもトップクラスのフィジカルがあることを示して見せた。今シーズンすでに2勝を挙げており、まだまだその勢いは続きそうだ。
「ポガチャルが仕掛けたときは、少し後ろにいたので対応できなかったんだよね。でもいい走りができて満足だよ。この順位には納得している。」そう語った大ベテランはゴール後真っ先に勝者を祝福した。
3位にはエースのジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ・アルファヴァイニル)が中盤で激しく宙を舞う落車を喫したことで、急遽エース扱いになったキャスパー・アスグリーン(クイックステップ・アルファヴァイニル)が入った。アシストに追走にと大車輪の活躍をしながら、途中でエースのバトンを受け取った男は最後まで粘りの走りで3位表彰台を獲得した。いつでも誰でもエースに切り替える、というクイックステップ・アルファヴァイニルの定番の戦略はここでも力を発揮した。
ストラーデ・ビアンケ2020ダイジェスト
ストラーデ・ビアンケ2022順位
1位 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ) 4h47’49”
2位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) +37”
3位 キャスパー・アスグリーン(クイックステップ・アルファヴァイニル) +46”
4位 アティラ・ヴァルター(グルーパマFDJ) +1’07”
5位 ペッロ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス) +1’09”
6位 ヨナタン・ナルバエス(イネオス・グレナディアス) +1’09”
7位 クイン・シモンス(トレック・セガフレド) +1’21”
8位 ティム・ウェレンス(ロット・ソウダル) +1’25”
9位 シモーネ・ペティッリ(インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオー) +1’35”
10位 セルジオ・イギータ(ボーラ・ハンスグロエ) +1’53”
H.Moulinette