グランツール覇者のベルナルがトレーニング中に停車中のバスと激突し脊椎と大腿骨などを骨折の大怪我、緊急手術を2度行い集中治療室で治療中
衝撃のニュースが飛び込んできた。25歳の若きグランツ―ルのダブル覇者(ツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリア)、イネオス・グレナディアスのエースのイーガン・ベルナルが母国コロンビアでトレーニング中に停車中のバスに激突、大けがを負った。命に別状はないが、脊椎と右大腿骨を骨折、緊急手術が行われた。他にも右膝蓋骨骨折、胸部外傷、肺破裂(血気胸) 、複数肋骨骨折とかなりの重傷であり、開幕を迎える今シーズンの前半戦での復帰は難しそうだ。
大腿骨骨折と脊椎骨折はかなりの重傷であり、脊椎は紙一重で神経の損傷をまぬがれた。損傷していれば命に係わるだけに、不幸中の幸いと言うべきかもしれない。長時間にわたり、骨折した第5胸椎、第6胸椎を中心に、神経を守るための処置が施され、脊椎を固定して手術は成功した。しかしその脊椎の固定いがいにも、そして大腿骨の骨接合手術、開放骨折の膝蓋骨の手術など、2度の大手術が行われた。さらには肺が潰れていることもあり気道確保しながらの手術でもあり大がかりな手術となった。
幸いなことに手術は成功、まだ集中治療室での対応が必要ではあるが、意識ははっきりとしており、また四股にも反応があるとのことだ。しかしどの程度回復が見込まれるかなどは、これから先の様子を見なければわからないだけに、まだまだ安心することは出来ない。
2019年にツール・ド・フランスを制し一躍ロード界のトップ選手に名乗りを上げると、様々な精神的プレッシャーに何度となく押しつぶされながらも2021年どのジロ・デ・イタリアで激走し総合優勝を果たすなど、まだまだこれからが楽しみな選手だけに、復活して欲しいところだ。
今シーズンもコロナの影響でレーススケジュールに大きな変更などが予想されるため、各チーム選手の年間スケジュールの組み立てが難しくなっている。その為リハビリも含め十分に時間の猶予を与えることができるだろう。スポーツ選手は医学的に細胞活性がはやく、怪我からの復帰も早い、しかし長期間にわたり安静が必要な今回のような場合、運動能力の低下は避けられず、今シーズン後半での復帰となる可能性が高い。一般人であれば全治1年以上とも言われる今回の事故、一日も早い復帰を望みたい。
交通事故は車と自転車が同じ車道を走る限り必ず起きうるものだ。これは決して他人事ではなく、我々も肝に銘じておかねばならないだろう。
H.Moulinette