UCIシクロクロス第4&第5戦:どちらも最終ラップで決着、ゾンホーフェンはアールツが砂地獄を制し今シーズン初勝利、アメリカラウンド2勝のイザービットが泥地獄を制しこれで5戦3勝目!(ダイジェスト動画あり)

ヨーロッパに戻ったシクロクロス、マシュー・ファン・デル・ポエル(アルペシン・フェニックス)が12月中盤より本格参戦する前に、勝利とポイントをしっかりと確保すべく、各選手は勝利を目指した。アメリカラウンドでは完全不発に終わったトゥーン・アールツ(バロワーズ・トレック・ライオンズ)だが、ヨーロッパに戻り徐々に本調子になってきている。さらにはアメリカラウンドで2勝を挙げ絶好調のイーライ・イザービット(パウエルス・サウザン・ビンゴール)はヨーロッパに戻っても好調を維持、さらにアメリカで初勝利を挙げたクインテン・ヘルマンス(トルマンス・サーカス・シクロクロスチーム)も好調を維持している。

©UCI
シクロクロスでは泥や砂地など、コースによってさまざまな”地獄”が選手たちを待ち構えており、選手によってそれらに得意、不得意がある。いかに得意なコースで勝利し、不得意なコースでポイントを落とさないか、これが年間王者の称号へのハードルだ。そして第4戦と第5戦ではそれがはっきり出る形となり、砂地獄のゾンホーフェンをアールツが制し、泥地獄のオーベレルエイセをイザービットが制した。

©UCI
第4戦のゾンホーフェン、砂地の緩い足元は軽量選手にとっては苦手とするところ。逆に言えばアールツのような大型選手にとっては得意とするレースだ。イザービットはそれでも速さを見せたが、10周回中9周目、長い砂地のストレートで、アールツが乗車したまま乗り切ったのに対し、イザービットはバイクを降りて押す形に。これで一気に差が広がると、イザービットは砂の轍でその後も何度か小さなミスを繰り返した。最終ラップでのこのミスが決定打となり、アールツが今シーズン初勝利を飾った。2位には軽量ながらも砂地を苦にしないベテランのラース・ファン・デル・ハール(バロワーズ・トレック・ライオンズ)が入り、チームでワン・ツーを決めた。
UCIシクロクロス第四戦ゾンホーフェンダイジェスト
UCIシクロクロス第4戦順位
1位 トゥーン・アールツ(バロワーズ・トレック・ライオンズ) 58’58”
2位 ラース・ファン・デル・ハール(バロワーズ・トレック・ライオンズ) +10”
3位 イーライ・イザービット(パウエルス・サウザン・ビンゴール) +14”
4位 ローレンス・スウィーク(パウエルス・サウザン・ビンゴール) +19”
5位 クインテン・ヘルマンス(トルマンス・サーカス・シクロクロスチーム) +26”

©UCI
第5戦は泥まみれのオーベレルエイセとなった。泥はバイクにこびりつくだけではなく、砂地とは違いバイクコントロールを重量に委ねられない。純粋に体のバランスが要求されるだけに、重量選手にとっては思い重心が高い位置にあることで不利となる傾向がある。イザービットはバイクの不安定な挙動を絶妙のボディーバランスで保ち続けると、最終ラップでスパート、一気に後続を引き離して独走で勝利を決めた。チームメイトのマイケル・ファントゥーレンハウト(パウエルス・サウザン・ビンゴール)がアールツを抜き去り2位でゴール、今度は パウエルス・サウザン・ビンゴールがチームとしてワン・ツーを決め返した。

©UCI
UCIシクロクロス第五戦オーベレルエイセダイジェスト
UCIシクロクロス第5戦順位
1位 イーライ・イザービット(パウエルス・サウザン・ビンゴール) 1h00’28”
2位 マイケル・ファントゥーレンハウト(パウエルス・サウザン・ビンゴール) +09”
3位 トゥーン・アールツ(バロワーズ・トレック・ライオンズ) +26”
4位 位 ローレンス・スウィーク(パウエルス・サウザン・ビンゴール) +46”
5位 クインテン・ヘルマンス(トルマンス・サーカス・シクロクロスチーム) +1’02”
H.Moulinette