パリ~トゥール2021:もう一つの石畳レースを制したのはデマール!ゴール前で先頭に追い付きそのままスプリント勝利でタイトル奪取!


©Paris Tours
第115回を迎えた歴史ある大会でありながら、ワールドツアーではなく、格下のプロツアーではあるが、最近では未舗装路が組み込まれるなど、ハードな設定となっている大会は、最後の最後まで目が離せないレースとなった。残り750mで追走の二人が先行する二人に追いつくという展開、最後は追いついた側のアルノー・デマール(グルーパマFDJ)が馬力ある走りでスプリントバトルを制した。

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212.3㎞の長丁場は残り50㎞に未舗装路区間と上りが配され、完全に後半勝負となることが予想された。序盤から3人の逃げが決まり、8分以上にまでタイム差が広がる。しかしレース中盤になると一気にペースが上がり、集団はサバイバル状態となる。35名にまで絞られた先頭集団は、残り50㎞からの9つのセクターの未舗装路を前に逃げを吸収、そのまま一気に激しい潰しあいとなる。

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すると残り40㎞フランク・ボナマール(B&Bホテルズp/bKTM)、スタン・デヴォルフ(AG2Rシトロエン)らが飛び出していく。この逃げは思いのほか粘りを見せる。1分以内でありながらもなかなか縮まらないタイム差の前に、徐々に追走もばらけ始める。そしてジャスパー・ストゥーヴェン(トレック・セガフレド)の加速を合図に、デマール、ヤスパー・フィリップセン(アルペシン・フェニックス)らがペースを上げ追走を形成する。

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そして残り15㎞、先頭の逃げは当初4人だったが、まず一人脱落し3人となり、そして残り15㎞でパンクに見舞われまた一名が脱落、ボナマールと デヴォルフ のみとなる。追走も残り11㎞でデマールがアタック、これにストゥーヴェンが追いつき、2人での追走が始まる。しかし前で逃げる二人も必死の走りを見せ続けるため、目の前の10秒ほどがなかなか縮まらない。

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しかし粘り強く追走を続け、さらには先頭の二人が残り1㎞を切り駆け引きを始めたことで、デマールとストゥーヴェンは残り750mで何とか先頭の二人に合流を果たす。残りは僅かな中で4名の緊迫した駆け引きが続くが、最後はスプリント力に長けたデマールが渾身のアタック、ボナマールがそれに追いすがるが届かずデマールがトップでガッツポーズを決めた。ストゥーヴェンも疲労困憊、ボナマールに届かず3位に終わった。
「嬉しいよ、最近結果が残せていなかったからね。今日は自分の中では理想の勝利だったよ。どうしても負けるわけにはいかなかったね。同じくスプリンターのストゥーヴェンもいたからね。だから先手を打ったんだよ。うまくいって万々歳だよ。正直言って今回のコースは自分向きではないと思っていたけど、うまく勝ち切れたよ。」、デマールは納得の表情を見せた。

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パリ~ツール2021順位
優勝 アルノー・デマール(グルーパマFDJ) 4h33’07”
2位 フランク・ボナマール(B&Bホテルズp/bKTM)
3位 ジャスパー・ストゥーヴェン(トレック・セガフレド)
4位 スタン・デヴォルフ(AG2Rシトロエン) +03”
5位 ダニー・ファン・ポッペル(インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオー) +40”
6位 ブライアン・コカード(B&Bホテルズp/bKTM)
7位 アルネ・マリット(スポルト・フランデーレン・バロワーズ)
8位 アンドレア・パスカロン(インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオー)
9位 ジュリアン・トラリュー(デルコ)
10位 アーマリー・カピオ(チームアルケア・サムシック)
H.Moulinette