世界選手権2021タイムトライアルミックスリレー:今大会限りで引退のトニー・マルティンが有終の美!ドイツチーム一員として世界チャンピオンジャージを獲得して引退へ!
個人TTといえばトニー・マルティン、トニー・マルティンといえば個人TT、というほどに、代名詞にもなっていた男が世界選手権を最後の大舞台として選んだ。個人TTでは往年の様な走りは出来なくとも6位、まだまだトップクラスの実力者であることを見せつけた。そして迎えたTTンミックスリレー、各国男女3名ずつが参加するこの種目で、マルティンがチームと共に世界チャンピオンに輝き、有終の美を飾った。アルカンシエルを着ての引退、これ以上ない最高の選手生活の締めくくりとなった。
男女がそれぞれチームTT形式で名ずつで走った合計タイムで競うこの競技、ドイツチームはマルティン、マックス・ワルシェイド、ニキアス・アルント、リサ・ブレナウアー、リサ・クライン、ミケ・クローゲルのメンバーで挑んだ。前半はマルティン、ワルシェイド、アルントの3名が2位の好タイムで折り返すと、後半の女子3名、ブレナウアー、クライン、クローゲルが快走を見せる。最大ライバルであったオランダチームが男子3位から、最強女子メンバーと言われる3名で猛追を仕掛けると、男子終了時にあったタイム差は23秒から減っていく。しかしドイツチームは最後まで耐えしのぎ、オランダを12秒抑えて見事に金メダルを獲得した。
オランダは2位、個人TT世界チャンピオンのフィリッポ・ガンナが牽引したイタリアは、男子でトップタイムを叩き出すも女子がそれを後半守り切ることができずに3位に終わった。
「最高の選手生活の締めくくりだろ!世界選手権金メダリストとして引退するなんて、まさに理想だよ。チームには本当に感謝している。特に女性陣の活躍がなければこのメダルもこの結果もこの理想の終わり方も達成できなかった。金メダルを狙って獲得するなんて、まさに夢のようだよ!まずはチーム皆でこの勝利を祝い、そして家に帰って家族とのんびりするよ。引退を決めたばかりだし、その先は決めていないけど、これから考えるよ。」マルティンにとって個人TTで4つ、チームTTで3つのメダルを獲得しており、この金メダルが世界選手権8個目のメダルとなった。
終わり良ければ総て良し、最高の形で引退というのは誰もが無し得ることではない。多くの選手たちが落ち目となり引退を決断する中で、最高の舞台で最高の結果を残しての引退、最後まで華のある選手生活だったといえるだろう。
世界選手権2021TTミックスリレー
金メダル ドイツ 50’49”
リサ・ブレナウアー
リサ・クライン
ミケ・クローゲル
ニキアス・アルント
マックス・ワルシェイド
トニー・マルティン
銀メダル オランダ 51’02”
アネミエック・ファン・フルーテン
エレン・ファン・ダイク
リジャンヌ・マーカス
コーエン・ボウマン
バウク・モレンマ
ホス・ファン・エムデン
銅メダル イタリア 51’27”
マルタ・カヴァッリ
エレンナ・チェチーニ
エリサ・ロンゴ・ボルギーニ
エドアルド・アフィニ
マッテオ・ソブレロ
フィリッポ・ガンナ
H.Moulinette