ブエルタ・ア・エスパーニャ2021第14ステージ:バルデが粘りの逃げでブエルタ初勝利、東京五輪金メダルのピドコックが存在感を見せステージ4位(ダイジェスト動画あり)
グランツールの総合優勝候補と言われ、何度となく総合の表彰台には上がってきたが、その中央は果てしなく遠い。そして今大会も優勝候補の有力候補に挙げられながらも、早々に総合争いから脱落したが、腐ることなく気持ちを入れ替えステージ勝利狙いに切り替えた。そんなロメイン・バルデ(チームDSM)が諦めずに逃げ続け、ブエルタで初のステージ優勝を上げた。グランツールでのステージ勝利自体も4年ぶり、ようやく浮上のきっかけが見えたかもしれない。
そして総合争いも勃発、ミゲル・アンヘル・ロペス(モビスター)が仕掛けるも王者の貫禄を見せたプリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ)が猛追し、僅か4秒しか取り返すことができなかった。そしてこのステージでは東京五輪MTB金メダルのトム・ピドコック(イネオス・グレナディアス)がようやくその存在感を見せた。イネオス・グレナディアス)自体なかなか結果が伴わない日々が続いている中で、ようやく明るいニュースとなった。
暑さがおさまり、心地よい温度の中でスタートした第14ステージだが、選手たちは砂漠化した赤い大地と山岳が織りなすブエルタらしさに挑んでいく。ゴール勝負が激坂ということもあり、逃げ切りが容認される可能性は半々、しかし可能性があれば選手たちは飛び出していく。スタート直後に発生した逃げは18人、バルデ、ピドコックらに加え、今大会まだ勝利のないアルノー・デマール(グルーパマFDJ)もスプリントステージでないにもかかわらず飛び出していった。
最大でタイム差は7分40秒まで広がったが、残り50㎞で協調体制が崩れると集団はバラバラになっていく。上りと下りでそれぞれ選手たちが飛び出していくが、下りではセップ・ファンマルケ(イスラエル・スタートアップネーション)とダニエル・ナヴァーロ(ブルゴスBH)が接触、コース外へと吹き飛んでしまう。しかし決定打となったのはバルデのアタックだった。残り12㎞で飛び出すと、そのままゴールまで逃げきって見せた。
「長かったね。本当に長かった。完全に万年2位になっていたよ。正直逃げをつらえるのはきつかった。誰も追走したがらないんだもん。だから一番きついところで仕掛けたんだよ。そうしたら案の定誰もついてこなかったよ。」バルデは感慨深げに語った。明日はまたしてもそごうバトルの山岳ステージ、その前に勝利をつかんだバルデは、ステージ連勝を狙っていくかもしれない。
総合リーダージャージのオッド・クリスチャン・エイキング(インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオー)は20秒ほど失ったが、それでもしっかりと総合ジャージを守り抜いて、また一日マイヨ・ロホをキープして見せた。
ブエルタ・ア・エスパーニャ第14ステージダイジェスト
ブエルタ・ア・エスパーニャ第14ステージ順位
1位 ロメイン・バルデ(チームDSM) 4h20’36”
2位 ヘスス・エラダ(コフィディス) +44”
3位 ジェイ・ヴァイン(アルペシン・フェニックス))
4位 トーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアス) +1’12”
5位 クレメント・シャンプシン(AG2Rシトロエン) +1’14”
6位 マシュー・ホームズ(ロット・ソウダル)) +1’16”
7位 アンドレイ・ゼイツ(チームバイクエクスチェンジ) +1’19”
8位 ケヴィン・ジェニエ(グルーパマFDJ) +1’46”
9位 ニコラス・プロドム(AG2Rシトロエン) +2’04”
10位 ヤン・トラトニック(バーレーン・ヴィクトリアス) +2’15”
ブエルタ・ア・エスパーニャ総合順位
1位 オッド・クリスチャン・エイキング(インターマルシェ・ワンティゴベール・マテリオー) 55h03’17”
2位 ギヨーム・マルタン(コフィディス) +54”
3位 プリモズ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ) +1’36”
4位 エンリック・マス(モビスター) +2’11”
5位 ミゲル・アンヘル・ロペス(モビスター) +3’04”
6位 ジャック・ヘイグ(バーレーン・ヴィクトリアス) +3’35”
7位 イーガン・ベルナル(イネオス・グレナディアス) +4’21”
8位 アダム・イェーツ(イネオス・グレナディアス) +4’49”
9位 セップ・クス(ユンボ・ヴィズマ) +4’59”
10位 フェリックス・グロスチャートナー(ボーラ・ハンスグロエ) +5’31”
H.Moulinette